雑草研究
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55 巻, 2 号
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会長挨拶
原著論文
  • 浅井 元朗, 與語 靖洋
    2010 年 55 巻 2 号 p. 55-61
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/08/27
    ジャーナル フリー
     ムギ作の難防除雑草カラスムギの動態に及ぼす作付体系の影響を評価するため,14体系の作付・耕起体系を擬したコムギ2作,夏作1作の2ヶ年の野外ポット試験をおこなった。耕起体系により2年後のカラスムギ個体数が顕著に異なり,特に夏耕起の有無が大きな影響を及ぼした。夏・秋耕起体系ではカラスムギ個体数は増加した。夏不耕起とした体系ではカラスムギ個体数は減少し,夏・秋不耕起体系においては試験終了時の個体数が0となった処理区もみられた。夏不耕起体系におけるコムギ収穫時のカラスムギ個体数減少は,出芽時期の前進によってコムギ播種前に出芽したカラスムギは死滅し,秋冬期の出芽数が減少したためと考えられた。コムギ播種前の石灰窒素施用によりコムギ,カラスムギの穂数が増加した。夏不耕起体系においては石灰窒素施用区でカラスムギの個体数が増加し,出芽促進効果が示唆された。耕起体系の変更はムギ類栽培圃場におけるカラスムギの動態に大きな影響を及ぼし,夏秋期の不耕起管理はムギ類収穫期のカラスムギ個体数を減少させることが示唆された。
  • 中山 壮一, 中谷 敬子, 濱口 秀生
    2010 年 55 巻 2 号 p. 62-68
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/08/27
    ジャーナル フリー
     ムギ−ダイズ二毛作体系下の不耕起ダイズ栽培における土壌処理除草剤の有効性を明らかにするため,麦わら上から噴霧処理した11剤の除草効果について検討した。400kg/10aの乾燥麦わら上から処理したプロメトリン・メトラクロール水和剤(400g/10a)のホソアオゲイトウ(Amaranthus patulus Bertoloni)に対する除草効果は,除草剤処理24時間後に行った人工降雨処理の雨量(0∼4mm)に関わらず抑草比99%以上と高く,また供試植物の生存個体数に対する降雨の効果は有意でなかった(p=0.40)。次いで栽培ヒエとホソアオゲイトウを供試し,600kg/10aの麦わら上から11種の土壌処理剤を,それぞれのダイズ作での上限薬量で処理し,無降雨条件下で除草効果を検討したところ,供試剤の内,CATおよびDCMUでは,麦わらがない場合に比べ顕著な除草効果の低下が見られたが,他の9剤では,麦わらの有無によらず抑草比99%以上の高い除草効果が得られた。CATおよびDCMUは他の供試薬剤に比べ,不耕起ダイズ栽培における適用性が低いと判断した。
学会賞受賞業績
資料
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