北東北地域の飼料イネ栽培において適切な雑草防除水準を明らかにするために,収穫期に許容されるタイヌビエの残存量を検討した。許容条件として,収穫物へのタイヌビエ混入によるTDN収量の低下防止,収穫物の水分上昇による品質低下の防止,繁殖源としてのタイヌビエ埋土種子数の増加防止,の3つの条件を設定し,全ての条件を満たす残存量を許容残存量とした。タイヌビエの許容残存量は,主に埋土種子数増加防止の条件から制限され,収穫時期が早い場合のみ,水分上昇による品質低下防止の条件から制限されることが明らかになった。TDN収量の低下防止の条件は,許容残存量を制限しなかった。タイヌビエの許容残存量は,概ね収穫時期が遅くなるに従い少なくなり,早生品種の収穫時期である8月下旬では乾物重で114 g/m
2であるのに対し,中晩生品種の収穫時期である9月中旬では11 g/m
2と推定された。
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