本研究は,乗用管理機での除草剤散布における轍での残草の実態を確認するとともに,轍除草ノズルの効果を定量的に評価することを目的とし実施した。真空播種機で播種を実施した乾田直播水稲圃場を対象圃場とし,耕起直後~出芽前に散布可能な非選択性茎葉処理剤であるグリホサートカリウム塩液剤を供試薬剤とした。除草剤散布時に,轍除草ノズルを使用する「噴射区」と使用しない「対照区」を設けた。除草剤散布後1ヶ月経過時に,試験圃場の優占種であるタイヌビエ(Echinochloa oryzicola Vasing.)を検定草種とし,個体数を計数した。その結果から,轍部分の残草量は轍以外の箇所の5.15倍となることを確認するとともに,轍除草ノズルの使用により,その残草量を轍以外の箇所の0.21倍に抑えることを明らかにした。