雑草研究
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原著論文
  • 岩本 啓己, 渡邉 修
    2021 年 66 巻 3 号 p. 133-140
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/14
    ジャーナル フリー

    無人航空機UAV(unmanned aerial vehicle)によるリモートセンシングでは植物群落の高解像度の面的データを経時的に取得でき,雑草群落モニタリングへの応用が期待される。本研究ではUAVで取得した群落表層の分光反射特性から算出した植生指数によってクズ(Pueraria lobata (Willd.) Ohwi)優占群落のLAIを推定し,その推移と空間分布特性を評価した。2018年6~10月に河川敷(40 m × 30 m)のクズ優占群落を対象にマルチスペクトル画像を計5回取得し,オルソモザイク画像を50 cm × 50 cmのグリッドに分割した。3種類の植生指数から各調査日におけるクズ群落のLAIを推定する重回帰式を得た。その結果,10月の推定精度は低かったが(調整済みR2 < 0.2),6~8月では調整済みR2が0.42~0.57の範囲でLAIを植生指数から推定することができた。また,得られた重回帰式から群落のLAIの経時変化を評価したところ,LAIは7~8月に群落中央部で低下し,高い値が集積する箇所は群落中央部から周縁部へと移動していた。この変化は夏季に葉を更新する際,より高次の分枝に新たに葉を展開する過程で生じたものと考えられた。以上のようにUAVで取得した群落表層の分光反射率から,クズ群落の空間分布特性が明らかになった。

  • 浅井 元朗
    2021 年 66 巻 3 号 p. 141-148
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/14
    ジャーナル フリー

    ムギ作の難防除雑草カラスムギの総合的防除の一環として,不作付期間の種子損耗を目的とし,カラスムギ種子脱落後~出芽前である夏秋期の石灰窒素施用の効果を評価した。野外ポット試験を実施し,市販の粒状石灰窒素肥料の施用量,施用時期とカラスムギ種子密度,種子の越夏条件(埋土および地表面)および集団間差異が出芽パターンに及ぼす影響について調査した。農薬登録範囲内の石灰窒素施用量(麦類播種前,50~70 kg/10 a)はカラスムギの出芽促進効果を有した。7~9月の石灰窒素肥料60 kg/10 a相当の施用により,カラスムギの土中種子4000粒/m2の条件で,出芽始期が9月中旬に前進し,出芽が斉一化し,冬期および翌年の出芽が減少した。夏期不耕起条件を想定した地表面で種子が越夏する条件においては,不耕起に伴いカラスムギ出芽の前進・斉一化に加え,石灰窒素施用で出芽総数が減少した。不耕起条件での石灰窒素施用はカラスムギ地表面種子の発芽阻害・死滅との相加的効果が示唆された。出芽特性の異なるカラスムギ5集団間の反応については,いずれも石灰窒素施用により,出芽が前進,斉一化する傾向が認められたが,出芽の早晩に応じて集団毎に出芽盛期は異なった。

技術レポート
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