Webインテリジェンスとインタラクション研究会 予稿集
Online ISSN : 2758-2922
第13回研究会
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
セッション1:インタフェース
  • 森田 紗椰, 熊野 雅仁, 小堀 聡, 木村 昌弘
    p. 1-6
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    位置情報ベースのソーシャルネットワークサービス(LBSN)の普及に伴い,都市観光における人々のアクティビティについての大量の観測データを有効活用することが期待されている.本研究では,観光マーケティングへの活用基盤とするために,トピックモデルLDA(Latent Dirichlet Allocation)による分析法をLBSNでのユーザアクティビティ分析に拡張し,観光都市における人々のPOI(point-of-interest)群への訪問行動に対して,時間情報に依存しないそのトピック構造を行動の指向性の観点から分析する枠組みを与える.そして,Foursquareデータを用いて観光マーケティングの視点から,東京およびニューヨークにおけるユーザアクティビティのトピック構造を分析する.

  • 大坪 五郎
    p. 7-10
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    プレゼンテーションを視覚的に補助するビジュアルエイドは,通常「スライド」として作成される.しかし「スライド」にはプレゼンテーションのストーリーとして喋る内容と,その中で強調するため画面に表示すべき部分が混在している.本来プレゼンテーションで一番重要なのはストーリーでありそれを「モデル」と捉えれば,ビジュアルエイドとして人の目に触れる部分の記述を「ビュー」として分離することが必要なのではないか.そうした問題意識に基づいたプレゼンテーション用ビジュアルエイドシステムを開発した.まず平易な文章でプレゼンテーションのストーリーをモデルとして作成する.その上でストーリー中の最小限必要な部分を選択し,画面に表示する際の仕様を簡易なビジュアルプログラミング言語でビューとして定義する.これによりプレゼンテーションのストーリーをスライドという形式にとらわれることなく検討することができる.本システムの開発及び実際に使用した結果について述べる.

  • 清水 大輔, 西原 陽子, 山西 良典
    p. 11-14
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,刻一刻と変化する将棋の盤面において,将棋初心者でも試合展開やプレイヤの優劣などが一目で分かる機能を実装し,ユーザが将棋の観戦を楽しめるインタフェースを提案する.将棋のプレイヤは相手の玉を詰ませるために戦略をたて,それに基づき駒を動かし試合を運ぶ.将棋の初心者には,プレイヤがなぜこの駒を動かしたのか,指された一手が対局に対してどの程度の影響を与えたのかが不明なことが多い.特に,持ち駒が指されるタイミングやマスの位置については,理由が分かりにくいことがあり,これが初心者にとって観戦をしづらくしている原因の一つと考えられる.このような目に見えない情報を可視化することで,盤面の状況理解が素早くできるようになり,プレイヤの次の一手を予測するといった楽しみ方も可能になると考えられる.本稿では既存研究において実装された観戦支援インタフェースを元にし,持ち駒が指されるまでの手数をゲージにより示し,投入されるタイミングを可視化した.また,指される一手の価値を盤上の駒の価値と位置関係から算出し,ハイライトの強さにより可視化した.改良したインタフェースを用いて観戦支援の効果を考察した.

セッション2:情報推薦・予測
  • 藤井 流華, 岡本 一志
    p. 17-22
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,モデルベース協調フィルタリングにおいて,スコア予測だけでなく予測に影響を与えている他のユーザやアイテムの特定も行うことを目指す.具体的には,線形回帰に着目し,得られた偏回帰係数を推薦の透明性の尺度として活用する.偏回帰係数は各説明変数の重みであり,予測に影響を与える他のユーザやアイテムの分析に用いることができると考える.線形回帰に基づくモデルとして,線形回帰モデル,Factorization Machinesモデル,ニューラルネットワークによる予測モデルの3種類のモデルを検討する.協調フィルタリング用ベンチマークデータセットを用いた実験により,3種類のモデルのスコアの予測精度の検証と予測に影響を与えている他のユーザやアイテムを分析する.実験の結果より,Factorization Machinesモデルの予測精度が最も良く,線形回帰モデルとニューラルネットワークによる予測モデルについて,正則化を適用した場合にはスコアの予測精度と推薦の透明性に関する解釈可能性がトレード・オフになっていることを確認している.

  • 藤原 稜, 熊野 雅仁, 小堀 聡, 木村 昌弘
    p. 23-28
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    近年,料理レシピ共有サイトから得られる大規模データを用いて,人々の日常生活における料理レシピを科学的に分析する研究が注目されている.我々は最近,ソーシャルメディアにおけるアイテム群のアテンションダイナミクスのモデル化に対して,アイテム群の協調構造を組み込んだCHP(Cooperative Hawkes Process)モデルとその学習法を与え,料理レシピ共有サイトの実データを用いた実験で有効性を示した.本研究では,アテンションダイナミクスに基づいた料理レシピ群の協調構造の特徴を明らかにすることを目指し,CHPモデルにより抽出された協調グループに属するレシピについて,代表的な利用食材や食材ネットワーク構造の観点から分析する.

  • 松野 省吾, 水木 栄, 榊 剛史
    p. 29-32
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    SNS広告需要の拡大を受け,より高精度なターゲティング手法が求められている.そこで,筆者らはエリアマーケティングを想定したTwitterユーザの細粒度ロケーション予測を試みた.具体的には,ジオタグ付きTweetなどから得られる住所情報をラベルとしたラベル伝搬アルゴリズムを用いて街区ごとの訪問確率を予測し,大字レベルの粒度で該当エリアを訪れる可能性のあるTwitterユーザの予測を目指す.検証実験として,提案手法に基づき街区名を入力すると当該地点を訪れる可能性の高いユーザのリストを出力するシステムを構築し,1都4県に属する市区町村,および大字を基準とした約8000街区に対し,各街区をユーザが訪れる可能性の予測を試みた.その結果,全体を平均して都道府県レベルでの予測精度は73%,市区町村レベルでは42%,大字レベルでは25%となったまた,東京都のみで予測したところ,大字レベルで31%の予測精度となった.これらの結果を踏まえ,提案手法の有効性について考察する.

  • 小平 綾香, 山西 良典, 西原 陽子
    p. 33-36
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,レビューの評価値毎に出現頻度が異なる単語を評価視点とし,評価視点についての多様な意見文を抽出するための手法を提案する.レビューを閲覧するとき,評価値が極端に高いまたは低いレビューに含まれる評価視点は,レビュー対象の評価・判断に役立つことが多い.しかしながらレビュアーには多様性があり,多くの人が高く評価している評価視点こそが,特定のコンテキスト下のレビュアーの低評価の要因となっている場合も存在する.このような相反する意見文を比較することで,より自分自身のニーズに合った商品やサービスの情報を得られる可能性がある.そのためには,単純に出現頻度が高い評価視点に着目するのみではなく,異なるコンテキストで評価された多様な意見を見る必要がある.提案手法では,出現頻度の高い評価値のレビューのみを分析するだけでは埋もれてしまう評価視点を,評価値ごとの単語の出現頻度の分布に基づいて抽出し,多様な意見文を抽出する.

招待講演
セッション3:言語処理・テキストマイニング(1)
  • 澤崎 夏希, 遠藤 聡志, 當間 愛晃, 山田 孝治, 赤嶺 有平
    p. 39-44
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    現在ディープラーニングの発展により様々な問題が解決されているが,その問題の多くは十分なデータ量が確保されており,少量学習データでの問題解決は依然として課題となっている.データ量が少ない場合の対策として,データを増加させるかさ増し手法が用いられる.特に画像分野においてはGenerative Adversarial Network:GANを用いた高精度な画像生成手法が注目されている.自然言語の分野においても,GANを応用し文章を生成する試みが広く行われているが,十分な精度の文章生成を行うのは難しい.原因の一つとして,自然言語生成に用いられるGANでは,多くの場合構文構造は加味されていないことがあげられる.そこで,本論文ではグラフ構造を畳み込むGraph Convolutionを用いて,構文構造を加味した上で文章生成を行う手法を提案する.

  • 太田 博三
    p. 45-50
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    In recent years, interactive systems and dialogue generation in natural language processing have attracted attention. Particularly due to the spread of chat bots to call centers, accurate human interactive response is required. On the other hand, qualitative interactions in sociology's ethnomethodology and discourse analysis / conversation analysis are beneficial. Therefore, once again, using the Japanese language learnerconversation data corpus of the National Institute of Japanese Language, it is a consideration aiming to verify the effect and apply it to the tendency of dialogue collapse and dialogue generation.

  • 近江 龍一, 西原 陽子, 山西 良典
    p. 51-52
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,ドメインや文脈により単語の意味が変化することに着目し,不適切な表現の言い換え表現を時系列深層学習器のLSTMを用いて獲得する手法を新しく提案する.不適切な表現には直接的に表現されるものと間接的に表現されるものがある.間接的に記述された不適切な表現をフィルタリングするためには,単語やその表現が使われているドメインや文脈に応じて意味が変化することを捉える必要がある.提案する手法ではLSTMを用いて掲示板のレスポンスの系列を学習し,不適切な文脈のモデルを作成する.LSTMによる評価が不適切であるレスポンスに対し,明らかな不適切表現がないものから単語を取り出し,頻度情報を用いて言い換え表現として獲得する.予備的な実験の結果,言い換え表現の一部を獲得できることを確認した.

セッション4:言語処理・テキストマイニング(2)
  • 奥野 翔太, 荒木 健治
    p. 53-58
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,単語の分散表現及びFAQの質問文と回答文に含まれる単語の共起頻度を利用したFAQ検索手法を提案する.本手法の特徴は,ユーザの入力に含まれる内容語と単語の分散表現を用いて獲得した内容語に類似する単語の利用,及びFAQの質問文と回答文に出現する単語の共起頻度に基づき,クエリに対して回答文で頻出する単語の利用により,様々な自然言語での質問に対してユーザの所望するFAQを高精度に検索できることである.さらに,FAQの質問スコアと回答スコアの重要性の違いを考慮し,回答スコアに重みを加えた手法についても提案し考察を行う.本手法に基づく実験システムを作成し,評価実験を行なった結果,我々の従来手法と比較してMRRの値が最大6.8ポイント改善され,提案手法の有効性が確認された.

  • 首藤 聖矢, ジェプカ ラファウ, 荒木 健治
    p. 59-60
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    人工知能分野での常識的知識獲得は重要な問題の一つとして取り組まれている.このような知識を収集するオントロジー研究としてConceptNetがあり多言語に対応しているが,英語と非英語間の知識量の差は大きい.よって,本研究では英語版の知識を日本語に対応させることで知識を拡充することを目的とする.我々が行なった研究として,ブログコーパスと対象の知識の関係性を表す手がかり語を用いて日本語の常識的知識の一般性を自動評価する研究がある.本稿では,英日辞書と常識的知識の自動評価手法を用いて日本語の常識的知識を自動獲得する手法を提案する.本手法に基づく実験システムを作成し,獲得した知識を対象とした評価実験及び考察において,提案手法の有効性を示す.

  • 田中 優里, 山西 良典, 西原 陽子
    p. 61-64
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,レストラン検索サイトのメニュー名を統計的に分析する手法を提案し,食の地域性を考察する.行き先の地域での特徴的な食材や料理は旅の楽しみの1つである.そのような食事を調べるとき,レストラン検索サイトを利用することが多いが,レストランの情報は一覧できるものの,食の地域性(つまり,地域ごとに特色のある料理や食材,あるいは,調理方法)を直感的に把握することは難しい.そこで,メニューに用いられる文字列を統計的に分析することで,食の地域性を発見可能にする.具体的には,文字列が出現する地域の頻度や任意の地域内での文字列の出現頻度,任意の地域内で文字列が出現するレストランの頻度などの統計的指標をもとに考察可能なしくみを構築した.

セッション5:ソーシャルメディア
  • 本木 悠介, 岩井 将行
    p. 65-70
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    情報社会の中で発展しているSNSの一つであるTwitterに存在する情報量は膨大であり,適切に利用することによって有用な情報収集手段となりうる.本研究では,Twitter上のイベントに関する開催期間中のツイートを収集する.次いで,ツイートを言語解析し,イベントが白熱した要素の特定,その要素の白熱度合いの時系列変動をクラスタリング分析により観測することを目的とした.本研究で対象とするイベントは,第100回全国高校野球選手権大会(通称:甲子園)とした.最初に,甲子園の開催期間中に投稿されたツイートを収集した.次いで,甲子園を白熱させた要素を,収集した各ツイートに対して形態素解析を行うことによって特定したその結果,甲子園を白熱させたのは秋田県立金足農業高等学校ということが分かった.また,形態素解析を行なった各ツイートからポジティブ・ネガティブ値,注目値を算出した.それらデータを日毎に区切り,クラスタリング分析を行う.集めたデータとクラスタリング分析を行った結果の推移を用いて甲子園の白熱度の時系列変動を観測した最後に,観測によって得られた知見を踏まえた考察と今後の展望について述べる.

  • 谷 生, 熊野 雅仁, 小堀 聡, 木村 昌弘
    p. 71-76
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    近年,Twitterなどのソーシャルメディアにおいて,ユーザから投稿された発信時間およびGeo-tagなどの時空間情報付きtweet(文書情報)がビッグデータとして成長するに従い,一般の人々の実世界の行動を捉え,地域の分析や開発に利活用することが期待されつつある.Shinらは,地図システムで普及しているタイルマップとして区画化された地域群に対して,時空間情報付きの文書情報を用いてアノマリーイベントを検出するSTExNMFを提案し,単語群により時空間イベントの説明を試みている.近年,ユーザが文書以外に写真を投稿する傾向が高まっているため,写真情報を有効活用できれば,文書情報では限界がある各地域についてのユーザの嗜好や意見をより深く捉える可能性が期待される.本研究では,ShinらのSTExNMFを時空間情報付きの写真における画像情報を用いる方法として拡張し,時空間イベントを検出する枠組みを与える.そして,京都市を対象として収集したFlickrからの大量の写真データを用い,各地域の特色分析の観点から,時空間イベント検出の結果について画像群を用いて説明を試みる.

  • 久保田 修平, 大知 正直, 長濱 憲, 阪井 完二, 榊 剛史, 森 純一郎, 坂田 一郎
    p. 77-80
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    近年,政策の現場では効率的に政策の企画立案や評価を行うため,客観的根拠に基づいて政策判断をしていこうとする機運が高まっている.本研究では,そうした政策分野への貢献を目指し,人々が関心を持つ社会的課題を定量的に可視化する試みとして,Twitter上からの効率的な社会課題抽出とコミュニティ分割に基づくユーザコミュニティと社会課題の関係性に関する分析を行った.それにより,Twitterという単語や文法が崩れたノイジーなメディアからの社会課題抽出において,単語の係り受け情報が有効であることが示された.また,ユーザコミュニティと関心のある社会課題の関係性を分析することで,Twitter上における社会課題を概観する新しいフレームワークを提案した.

  • 池本 雄真, 稲本 統悟, 土方 嘉徳
    p. 81-82
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,位置情報ゲームの一つであるポケモンGoを対象に,長期的にプレイし続けているユーザの特性を明らかにする.62項目から構成されるアンケートを500人のポケモンGoユーザ(過去にユーザであった人も含む)を対象に実施して,アンケート結果を分析したところ,イノベータ理論におけるイノベータやアーリーアダプタに相当するユーザや,友人と一緒にプレイしているユーザは,ポケモンGoを継続している傾向にあることが分かった.

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