本研究では,飲食店向けの不動産営業を支援する手法を提案する.飲食店起業を目指す顧客が,物件の成約に至る流れは以下の通りである.①検索サイトで不動産を探す.②実際に内見を行い気に入った物件を閲覧する.③内見に行った物件の内気に入った物件を申し込みする.④物件の貸主と交渉し,成約に至る.①→②の検索から内見に移ることや,②→③の内見から申し込みに自然に移ることは稀なため,不動産会社の営業マンが電話をかけて次のステップに促す.従来では電話営業を行う際,営業マンは長年の感と経験によって,数ある顧客リストからより成約に至りやすい顧客を選定し,電話をかけていた.この時の営業成功確率は,2割から3割程度であり,この精度向上は重要な課題である.さらに,新人の営業マンでは,どの顧客に電話をかけるべきかのノウハウがたまっておらず,どの顧客にかけたらいいのか分からないといった問題があり,その対応策の創出が課題である.この課題を解決するために,本研究では機械学習を用いて,申込みの可能性の高い顧客を推定し,営業マンに電話をかけるよう推薦するシステムを提案する.内見時のアンケート結果,物件情報の生データ2クラスの他に熱意と地域ポテンシャルという独自の特徴量を加え,RandomForestを用いて機械学習を行ったところ53.8%の精度で申し込み顧客を推薦することが出来た.ベテランの営業マンの営業成功確率が2割から3割程度のため,本システムで推薦された結果は,営業効率をあげることに大いに貢献出来る.
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