札幌市市街地に営巣したチゴハヤブサの営巣地点を1994〜1998年の5年間探索し, 1998年には20の営巣地点を確認した。その大部分の営巣地点で産卵・抱卵, 孵化・育雛, 巣立ちを観察した。豊平川を境に南側と北側で営巣地点の密度に大きな差があり, 密度の高い南側では最近接営巣地点間距離が一定で変異が少ない(2.17±0.31km)ことを見出した。このことはチゴハヤブサが一定のテリトリーを持つことを示唆する。豊平川北側でも最近接営巣地点間距離は南側との差はなく(2.36±0.35km), 密度が低くても一定のテリトリーの存在を示す指標であると考えられる。
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