西部造船会々報
第107回西部造船会例会(平成15年度秋季造船三学会連合大会)(西部造船会々報 第107号)
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • - 実数値遺伝的アルゴリズムによる船型改良 -
    安東 潤, 中武 一明
    p. 000003
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/15
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    本論文では、船型改良の手法に基づき双胴船の造波抵抗を低減することを試みる。本手法においては、いくつかの設計変数を含む重み関数を初期船型に掛け合せ、改良船型を表す。目的関数は、造波抵抗を船長の2乗で割って得られた造波抵抗係数であり、双胴船の造波抵抗の評価にはランキンソース法を用いる。最適化手法としては、単峰性正規分布交叉(UNDX)を用いる実数値遺伝的アルゴリズムを採用する。 本研究では、初期船型としてWigley船型を採用する。2隻のWigley船型の船幅方向間隔を2種類変化させたものを初期双胴船と想定する。数値計算は2種類のフルード数について実施し、それぞれの場合において得られた改良船型と造波抵抗値を示す。
  • 慎 勝進, 山口 悟, 下田 太一郎, 新開 明二
    p. 000017
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/15
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    小型高速艇の模型実験時の船首部の波やスプレーの様子を2次元的に捉えて観察した。
  • (その2) オーバーフロー方式において動揺を考慮した水理実験
    篠田 岳思, 福地 信義, 竹内 淳, 西村 浩太郎, 服部 修
    p. 000010
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/15
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    近年,船舶のバラスト水に混入して移動した海洋生物が,本来生息していない海域に侵入することにより,その海域の海洋生態系に異変を引起すことや,有害性プランクトンを原因とした公衆衛生上の被害等が,新たな海洋環境問題のひとつとして取り上げられている。これらの問題に対して,IMOにより奨励されている方法でバラスト水交換を行うことを対策としているのが現状であるが,バラスト水交換問題はトリム,開孔面積とその形状および配置,ベルマウス位置,タンクの大きさと仕切壁(船殻部材)の数等が複雑に関連しあって影響するため現在まで解析的な解決が見出されていないため,IMOにより指定されている方法でバラスト水交換を行ったとしても,実際に目標の交換が行われているのか不明な部分がある。 本研究では,船舶の安全が確保される範囲でバラスト水の危険性を最小化することを目的とし,実際に用いられている交換法を取り上げ,船体動揺を考慮した水理モデルによる実験や数値解析を通してバラスト水交換について検討を行う。
  • 貴島 勝郎, 名切 恭昭
    p. 000009
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/15
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    浅水域における船舶の操縦性能を推定するための実用的な方法を提案している。 まず、船体流体力の推定式の提案とともに、この式を用いた操縦運動特性に関してシミュレーション計算を行い、模型実験結果と比較検討することにより、本推定法が設計の段階あるいは運航において有用な推定法であることを示した。
  • 前田 克弥, 細谷 徳男, 田村 兼吉, 安藤 裕友, 久松 勝久, 佐伯 延博
    p. 000014
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/15
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    海上技術安全研究所では,有効直径 14m,水深 5m の円形で,全周にわたりフラップ型スネーク方式の造波装置 128 機を備えた波浪水槽を 2002 年 4 月に完成させた。本円形水槽は当研究所において新たに「深海技術」の領域における研究を行うために整備した最大水深 35m の深海水槽における水面部分を受け持つものである。
    ここでは,水槽実験を行うための基礎データとして,1) 水槽内における規則波の波高分布,2) 水槽中央部における波高及び位相の時間変化,3) 不規則波のパワースペクトル及び方向分布形状について検討を行った結果を示す。
  • 松尾 宏平, 新開 明二
    p. 000016
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/15
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    衛星情報による波浪統計データの信頼度について、ブイデータとの比較検証から論じる。
  • 片岡 史朗, 末吉 明, 東濱 清, 岩下 英嗣, 高木 幹雄
    p. 000015
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/15
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    本研究は、船体の非線形影響(水面上の船体形状)を考慮した実用的な耐航性能推定手法を構築すると共に船体非線形問題として問題を取り扱うことによって生じる波浪変動圧の非線形影響を調査・検討するこを目的としている。時間領域Green関数法を用いて水面上の船体形状のみを変化させた modified Wigley model を対象船として波浪中を航走する船に働く流体力及び船体運動を時刻歴で計算した。船体運動の計算結果は水槽試験結果との比較・検討により実用上問題のないレベルで推定されていることを確認した。また、計算により求めた波浪変動圧については線形理論に基づく計算結果との比較・検討により特に船首尾において非線形影響が顕著に見られることを確認した。
  • 安川 宏紀, 小瀬 邦治
    p. 000002
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/15
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    本論文では,停止や大斜航時等のあらゆる操縦運動モードにおいて対応可能な操縦運動シミュレーション計算法を紹介し,停止ならびに大斜航角時を含む計算においても,破綻等発生せずに解が得られることを示す。本計算法を用いた,自動車運搬船を対象とした操船booklet作成への適用例を示し,その有効性を示す。操船bookletを迅速に整備する設計ツールとして,本計算法が有効であることが分かった。
  • 鷹尾 潤, 森 剛敏, 福地 信義, 篠田 岳思
    p. 000018
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/15
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    機関室火災に対する防火・消火・避難対策のためには、燃料常用タンクからの溢出油、機関燃料管からの噴出油などのプール燃焼に基づく火災拡大現象の特異性を認識すると共に、その発煙特性や煙流動状態の十分な把握が不可欠である。このためには、火災時の機関室内気流予測を行って煙流動・拡散の様相を調べ、火災感知器の取付け位置や避難経路を策定する必要がある。
    本研究では、機関室火災における火災感知・消火活動・避難などの火災安全設計を目的に、全長255mのパナマックス型バルクキャリアの4層デッキの機関室部の1/20模型での漏煙試験用発煙片を用いた煙流動・拡散の模擬実験を行なった。また実験に対応した煙流動の数値計算を行い、さらに発煙特性や給気、出火位置等の異なる条件を考慮した煙流動・拡散の様相について調べた。
    その結果、以下のことが明らかになった。
    1)密閉空間内において、エンジンオープニングで火災が起こった場合には火災煙が最上層に達し、その後煙層の降下により各甲板へ流動・拡散し、煙が短時間に機関室全体に拡散する。
    2)煙流動は模型内の換気流に大きく依存するため、ファンの配置と流量が煙流動に多大な影響を与える。
    3)ファンからの換気流によって煙の拡散が早まり、特にエンジンオープニング(エンジン周辺)では換気流と煙が複雑に絡み合い、複雑な様相を示しながら流動・拡散していく。
  • 加藤 瞭, 太田 貴大, 原 要一郎
    p. 000001
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/15
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    船体振動の応答を検討する場合、減衰量を定量的に推定することが必要であるが、減衰を構成する構造減衰と流体減衰についてはまだ未知な点が多く残されている。筆者等は、前報において、構造減衰が振動数に比例するのではなく振動節数に比例することを理論的,実験的に検証し、さらにレーリーの速度に比例する抵抗の概念を適用し、ポテンシャル場における付加質量と流体減衰の関係を明らかにし、減衰量を規定する抵抗係数の定量化を試みた。本報では、両端自由のビームを用いて端部に起振力を働かせることにより、ビームの振動節数と対数減衰率の関係に比例関係があることを実験的に明らかにし、前報での所論を確認すると同時に、流体減衰についても同様の確認を行った。さらに主船体と二重底構造の連成という複合振動場における付加質量の推定法について明らかにし、連成付加質量および二重底構造の面外振動時の付加質量についてもその計算法を明らかにした。この付加質量の推定により、複合振動時の付加質量および流体減衰力の計算を可能にする方法を明らかにした。
  • 馬場 脩, 奥本 泰久, 近藤 勝美, 日下 隆次郎
    p. 000011
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/15
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    近年、造船業界においては生産性の向上が急務であり、石川島播磨工業(IHI)においてもこれまで単板工法による平板工場の自動化を実施してきた。単板とは複数のロンジ材(補強材)を1枚のスキンプレートに溶接したモジュール化ユニットであり、ライン生産によって量産化し、高能率生産を目指すものである。この単板の製作に際し、同時に最大5本のロンジ材を連続溶接出来る高速タンデムすみ肉CO2アーク自動溶接法を開発し実用化した。本装置の導入時、溶着金属にピットやブロホールなどの欠陥が多発したが、これらの欠陥はロンジに塗布した防錆用プライマーが原因であることがわかったため、プライマー塗布直後にブラッシングする装置を考案し、本装置を使ったロンジの溶接実験を繰り返した。その結果、ブロホールの発生を基準値内に収め高速溶接することが可能となった。本稿はそれらの確認試験と解決策について概説する。
  • (その3) 荷役作業負荷軽減効果の評価
    古賀 幹生, 福地 信義
    p. 000004
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/15
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    近年、船舶運航費に占める人件費の割合は増大しており、運航コスト低減のための省エネ運航、省人化・混乗化および輸送効率改善のための配船計画管理、航路計画、配乗計画、荷役計画等の最適化への取組みが実施されている。同様に、タンカー等液体貨物を運ぶ船舶の荷役部門においても、積載数量20万トンを越える大型原油タンカー(VLCC)等外航船における混乗化および積載数量6000Kl前後の小型プロダクトキャリア等内航船における乗組員の高齢化、後継者不足等は既に進捗、顕在化している、さらに輸送効率改善のための船舶の大型化や多品種貨物の多港積み多港揚げのニーズに対応するためのタンク数の増加およびこれに伴う荷役配管系の複雑化が進んでおり、荷の要求に対する貨物の最適積付け等、緻密かつ適切な荷役計画策定は、荷役責任者の豊富な経験と技術を必須とする困難な作業となっている。また液体貨物を運ぶ船舶では、座礁、衝突による大規模な貨物流出は勿論のこと液体荷役に伴う小規模の漏油、混油に対しても、品質確保、環境保護の観点から社会的に大きく問題視されることになり、必然的に荷役作業分野における数少ないオフィサー、エンジニアの業務負担・責任は急激に増大する傾向にある。この種のタスク負荷軽減のために、機関部、航海部、荷役部の船舶各部門においてもコンピュータ技術の急速な進歩を背景にコンピュータネットワーク・データベース・人工知能・GUI(Graphical User Interface) を適用した各種の自動化・設備診断および操作支援システムが実用化されている。これらの新しい機能システムの開発では、従来の機能・性能優先の設計から、安全性・信頼性を確保した冗長性を有するシステム設計が指向されつつある。この中で、荷役部門のシステム化、自動化においても様々な試行が繰返されているが、特に人的要因が大きく関わる人間/機械系が多いタンカー液体荷役システムについては両者の接点であるインターフェイスを含めた安全方策を十分に検討した上で新しいシステムの設計を行うことが必要である。つまり今後の、安全性・信頼性に対する高度な目的を達成するための複合化した機能を有するシステムの構築には、安全のためのシステム設計と安全性評価の手法の確立が不可欠となる。 本研究では、この安全性確保の為の設計手法に立脚して、タンカー液体荷役の安全性確保を第一義の目的とする多層防御(深層防御)システム[3]の機能設計・評価・実用化・機能強化・システム搭載効果の在り方について述べた。
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