今日, 廃棄物ゼロエミッションが提唱されるなど従来のごみ処理システムの枠組みは, 地球温暖化やオゾン層の破壊など地球環境の保全を重視する視点から, さらには容器包装リサイクル法のスタートや大気汚染防止法によるダイオキシン規制など法制度面からも大きな変革期を迎えており, 従来の焼却処理を主体としたごみ処理システムもこれらに呼応する形でその変革が求められている。
このような状況をふまえて, 今後, 自治体が構築すべきごみ処理システムの方向性としては, 環境負荷を最小に抑えごみから資源・エネルギーを最大限回収する循環型のごみ処理システムであるとともに, 最終処分量の観点から焼却灰についてもリサイクルの促進を図って行く必要がある。
そこで, 京都市では再資源化技術動向調査において, 容器包装リサイクル法が全面施行された後の家庭ごみを対象とした中間処理システムについて, 新処理技術を組み合わせたシステムの検討を, 具体的なケーススタディとして実施した。本稿では, このケーススタディの結果の概要と, 現状と将来のごみ質の変化に対応した, 望ましい焼却処理システムの方向性についても紹介する。
抄録全体を表示