Works Discussion Paper
Online ISSN : 2435-0753
26 巻
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  • 茂木 洋之
    2019 年 26 巻 p. 1-14
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/02/08
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    本稿では、失業率に代表されるマクロ経済指標の変動が、日本における大学院の進学行動に与える影響を分析する。具体的には、日本の地域別失業率の変動が、その地域の大学院進学率に与える影響を分析した。リクルートワークス研究所の「全国就業実態パネル調査」を使用した。これは、20 歳時と初職時の居住地や最終学歴の卒業年に関する回顧情報、また専攻に関する情報を含むデータである。理論的には不景気時は所得が低下するため、流動性制約が強くなり、大学院進学に対して負の影響を及ぼす。一方で、不景時の機会費用の低下は大学院進学に対して正の影響を及ぼす。よって、正負の影響の判定には計量分析を試みる必要がある。結果として、失業率の上昇(景気の悪化)は男性のみの大学院進学を増加させることがわかった。この影響は、アメリカの事例を分析した先行研究よりも大きい。日本の初職のキャリアの重要性や流動性制約の弱さが影響していると考えられる。また、自然科学・工学系、社会科学系の学生の方がインパクトがより大きいこともわかった。
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