山梨英和大学紀要
Online ISSN : 2433-6467
Print ISSN : 1348-575X
ISSN-L : 2187-0330
最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 山本 明歩
    2025 年23 巻 p. 1-15
    発行日: 2025/03/30
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー
    Recent archaeological findings suggest that the transition from hunting and gathering societies to farming societies was a slow process. Although our understanding of such a transitional phase has been deepened, the lack of a category for such a transitional phase causes many discussions about whether a certain society that clearly shows the characteristics of a transitional phase is of a hunting and gathering or a farming society. This paper suggests a new category for such societies, which is expected to allow more precise description of the cultural continuity and complexity of these societies. This paper also discusses the cultural characteristics of the society present some 5 thousand years ago at the Sannai Maruyama site in Aomori, Japan, to demonstrate how this new category may help us better understand the findings at the site.
  • 桑本 佳代子
    2025 年23 巻 p. 17-25
    発行日: 2025/03/30
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー
     昨今の日本は,地震や洪水といった災害に見舞われ,当たり前であった安心できる環境や関係を失うという大きな対象喪失に見舞われている。また,臨床現場では多くのクライエントが生きる意味を問うている。本稿では,疾患を抱えた人だけでなく,多くの人々が感じる情緒に「むなしさ」があると考え,精神分析学や臨床心理学の臨床知や理論の変遷について調べた。そして,昨今の精神分析学においてアメリカで注目・実践されている関係精神分析や,河合隼雄の中空均衡型の考えを通して,現代における「むなしさ」に心理臨床家がどう関わっていけばいいのかを考察した。さらに,自らの経験を通して,詩がともにあることの大切さ,「むなしさ」を抱えながらも生きていくことについて考察した。
  • 小林 一之
    2025 年23 巻 p. 27-38
    発行日: 2025/03/30
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー
     本論は、芥川龍之介の「海のほとり」(一九二五)を作中の夢を中心にフロイトとラカンの精神分析と夢解釈の理論と方法に依拠して分析したものである。〈一〉章の夢テクストに現れた〈鮒〉は〈夢の最も鮮明な要素〉であり、多様な要素が縮合されている。〈鮒〉は男性のファルスを象徴し、《鮒・ふな・hu/na》というシニフィアンの水準では、《不安・ふあん・hu/a/n》《文・ふみ・hu/mi》《入船・いりふね・i/ri/hu/ne》《船虫・ふなむし・hu/na/mu/si》などと連鎖しているという推論が可能となる。フロイトとラカンは、無意識の現実は性的現実だと考えた。「海のほとり」にはそのような無意識の欲望が表現されている。 晩年の芥川が試みた〈話らしい話のない小説〉では、意識による統御が解かれ、無意識が開かれていく。作者の無意識は読者にも作用していく。芥川龍之介は、夢テクストを書くことによって無意識が開かれていく小説を探求していった。
  • 天野 早紀
    2025 年23 巻 p. 39-48
    発行日: 2025/03/30
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー
    私立言語取調所(一八八八・一二―一八九〇・一〇)とその調査事業である落合直文「日本文学史上古編 中古編」は、近代国文学の文学史研究の嚆矢とされる三上参次・高津鍬三郎『日本文学史』(一八九〇刊)に先行し、且つ直接の資料提供関係にあったという点で重要な研究対象である。本稿では、両者の関係を明らかにするための基礎段階として、まず同所基礎文書に係る現存資料の所在確認や書誌調査等を重点的に行った。先行研究では「設立趣旨」と「仮規則」との関係が不明瞭であったが、本稿では前者に後者が直接附録された「言語取調処設立趣旨附取調処仮規則」の存在を明らかにした。また「仮規則」には用字・表記・内容の異なる二種類が存在することが既に指摘されていたが、本稿ではその二種類の現存資料の存在を明らかにし、加えて同時代の雑誌記事引用本文との対照も行うことで、両者の差異をより明確なものとした。
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