日本養豚学会誌
Online ISSN : 1881-655X
Print ISSN : 0913-882X
ISSN-L : 0913-882X
27 巻, 4 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 高橋 敏能, 今田 哲雄, 萱場 猛夫
    1990 年 27 巻 4 号 p. 185-193
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    発酵床を利用したハウス豚舎と一般豚舎で肥育された肉豚の肥育成績と体脂肪性状を季節別に比較して, ハウス豚舎で肥育された肉豚の特性を把握することを目的とした。
    山形県庄内地区のハウス豚舎で肥育された豚460頭の肥育成績および137頭の体脂肪の脂肪酸組成と融点をそれぞれ四季ごとにまとめた。その結果, 背脂肪の厚さは, 一般豚舎において冬期に肥育された豚では, 夏期に肥育された豚より薄くなる傾向を示した。また, 冬期に肥育された豚の格落ち原因では, 薄脂と軟脂で格落ちする割合が上昇した。しかし, ハウス豚舎で肥育された豚では四季を通して厚くなった。ハウス豚舎で肥育された豚の1日増体重と飼料要求率は四季を通して良好な傾向を示した。一般豚舎で冬期に肥育された豚は, 夏期に肥育された豚より背脂肪の不飽和脂肪酸が多く, 融点が低かった。また, ハウス豚舎で秋期から冬期に肥育された豚の背脂肪と腎周囲脂肪についても同様に不飽和脂肪酸が多くなった。しかし, 一般豚舎とハウス豚舎における背脂肪について, 不飽和脂肪酸を比較すると, 一般豚舎で冬期に肥育された豚は66.5%と高い値を示したのに対し, ハウス豚舎は63.4%と少なく, 四季を通して安定していた。リノール酸の含量も同様な傾向を示し, 融点についても高い値を示していた。
    以上のことから, ハウス豚舎を利用した肥育豚は一般豚舎を利用した肥育豚より季節の影響を受けにくく, 四季を通して発育が良好で, 薄脂・軟脂になりにくいことを示唆した。
  • 斉藤 修, 杉山 和男
    1990 年 27 巻 4 号 p. 194-201
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    アメリカ養豚産業における生産構造のドラスチックな変化は, 1970年代からの技術発展によっている。この発展は資本集約的であり, 生産単位が拡大するにつれて規模拡大が顕著になった。この結果として, より専業的な家族経営が成長し, 企業形態を転換した。
    養豚生産はコーンベルトでは小規模な部門であり, 自給飼料と結びついた複合経営が支配的であったので, 技術の発展が制約された。しかし, 放牧システムから全面的舎飼システムに移行すると, 養豚経営は省力化され, また飼料効率が改善された。
    コーンベルトの周辺地域においては, コーンベルトでの肥育経営の形成に対応して繁殖経営が成長し, 経営組織の分化がみられたが, 依然として一貫経営が支配的である。大規模経営はコーンベルトよりも購入飼料への依存度が高い南東部で成立し, 特に東部市場に近接した立地条件にあるノースカロライナ州に集中した。それに遅れてコーンベルトでも大規模経営の成長がみられてくるが, 全階層的に南東部よりも経済的有利性が維持されているといえる。この有利性は, 南東部の大規模経営が自給飼料への依存度の低い専業的経営であるのに対して, コーンベルトでは複合経営である点にあるといえる。
  • 大石 孝雄, 田中 一栄, 富田 武, 辻 荘一, 野口 博道, 丹治 藤治, 茂木 敏弥
    1990 年 27 巻 4 号 p. 202-208
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    わが国に導入された中国豚の遺伝的特性調査の一環として, 最近導入が活発化している金華豚の血液型を調査した。調査頭数は, 4場所に導入された基礎豚を主体に18頭であり, 調査した血液型は, 赤血球抗原型8, 血清蛋白質型5, 赤血球酵素型5, 血清アロタイプ2の合計20座位であった。金華豚は, 調査した20座位のうち7座位で多型を示し, E, O, Hp, PSA-I座位で大きな変異を示した。そしてこれまでに調査した中国系豚と比較すると, A, H, Am, 6PGD座位に特徴がみられた。血液型からみた遺伝的変異性の比較では, 均質度指数, 平均ヘテロ接合の割合, 多型遺伝子座の割合, 対立遺伝子の有効な数のいずれにおいても, 金華豚はこれまでに調査した豚品種 (金華豚, 梅山豚, 桃園種, 小耳種, オーミニ豚, ゲッチンゲンミニ豚, ピッツマンムーア豚, ランドレース, 大ヨークシャー, ハンプシャー, デュロック, ハイポー豚) の中で最も小さい変異性を示した。血液型遺伝子頻度から計算した集団間の平均遺伝的距離係数を基にして遺伝的類縁関係を示す系統樹 (デンドログラム) を作成したところ, 金華豚は明らかに欧米系豚群とは別の, アジア系6品種の群に属していた。そしてそのアジア系豚の中では, 桃園種とオーミニ豚が最も近い位置を占めており, 金華豚は梅山種と最も近い関係にあった。
  • 1. 子豚用呼吸試験装置の試作ならびにその性能の検討
    伊藤 澄麿, 栗原 良雄, 池田 周平, 鈴木 伸一, 祐森 誠司, 杉村 敬一郎
    1990 年 27 巻 4 号 p. 209-216
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    鶏用の呼吸試験装置として, 作成した開放式重量型呼吸試験装置 (HALDANE 型) を子豚用に改良作成し, その性能および実際に子豚を使用して検討を行った。(1) ブランクテスト: チェンバー内に送入される空気中のCO2およびH2OがCO2・H2O除去セットで完全に除去されているか否かについて, 通気量を3l/分, 6l/分, 8l/分の3段階に分けてテストを行ったところ, 通気量が8l/分で完全にCO2とH2Oが除去されていた。(2) H2OおよびCO2回収テスト: チェンバー内で発生したH2OおよびCO2の回収テストを行ったところ, H2OおよびCO2ともに6l/分において100.5±0.33%, 99.5±0.10%と6l/分が最も回収率が良く, 8l/分になると回収率が低下する傾向を示した。(3) CO2吸収限界テスト: CO2吸収セットにおけるチェンバー内で発生したCO2吸収の限界量を知るために, チェンバー内で発生するCO2量を80gから160gまで5段階に分けてテストを行ったところ, 80gの回収率が99.7±0.08%となり, 最も高い値が得られた。(4) 実際に子豚を用いての実験: 約18kgのイノブタの呼吸試験の成績は, 1時間当たりのO2消費量, CO2発生量, RQ及び熱発生量は, 0.674±0.022l/kg0.75, 0.666±0.026l/kg0.75, 0.989±0.003および3.38±0.11kcal/kg0.75となった。
    以上の事から, 本装置を用いて呼吸試験を行う場合, 通気量6l/分で行えば, 1日8時間程度の測定に充分使用できるものと判断した。
  • 田浦 保穂, 工藤 幸裕, 芝原 徹史, 柳沢 知己, 松元 久己
    1990 年 27 巻 4 号 p. 217-221
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    195~300kgの離乳母豚6頭を用い, 第1日に carbetocin 0.2mg, 第2日に oxytocin 25IU および第3日に prostaglandin F (PG) 10mg を静脈内に注射し, 投与後0, 30, 60, 90, 120分における臨床症状と血液性状の変化について調べた。
    PG注射直後から皮膚の発赤や嘔吐, 排尿および排便などが強く認められ, 約30分間持続した。しかし他の二薬剤投与による臨床症状に対する悪影響はみられなかった。
    oxytocin 群の120分後の心拍数は0分値と比較して有意に増加した。体温は各薬剤投与後もやや上昇したが, oxytocin 群の120分後の心拍数以外には体温, 脈拍数および呼吸数に有意な変化は認められなかった。
    赤血球系 (RBC, HbおよびHt) の測定値は変動が大きく, carbetocin と oxytocin 群のHbに有意な上昇が認められた。白血球と血漿総タンパク量には有意な変動はなかった。
  • 礒部 禎夫, 中村 彰, 小牧 弘, 柴田 章夫
    1990 年 27 巻 4 号 p. 222-224
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 安田 弘太郎
    1990 年 27 巻 4 号 p. 225-230
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 李 光源
    1990 年 27 巻 4 号 p. 231-232
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 塩田 忠
    1990 年 27 巻 4 号 p. 233-234
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 生駒 博雄
    1990 年 27 巻 4 号 p. 235-236
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 上田 啓介
    1990 年 27 巻 4 号 p. 237-238
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 深瀬 誠
    1990 年 27 巻 4 号 p. 239-242
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 村田 富夫
    1990 年 27 巻 4 号 p. 243-244
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 1990 年 27 巻 4 号 p. 245-254
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
feedback
Top