鶏用の呼吸試験装置として, 作成した開放式重量型呼吸試験装置 (HALDANE 型) を子豚用に改良作成し, その性能および実際に子豚を使用して検討を行った。(1) ブランクテスト: チェンバー内に送入される空気中のCO
2およびH
2OがCO
2・H
2O除去セットで完全に除去されているか否かについて, 通気量を3
l/分, 6
l/分, 8
l/分の3段階に分けてテストを行ったところ, 通気量が8
l/分で完全にCO
2とH
2Oが除去されていた。(2) H
2OおよびCO
2回収テスト: チェンバー内で発生したH
2OおよびCO
2の回収テストを行ったところ, H
2OおよびCO
2ともに6
l/分において100.5±0.33%, 99.5±0.10%と6
l/分が最も回収率が良く, 8
l/分になると回収率が低下する傾向を示した。(3) CO
2吸収限界テスト: CO
2吸収セットにおけるチェンバー内で発生したCO
2吸収の限界量を知るために, チェンバー内で発生するCO
2量を80gから160gまで5段階に分けてテストを行ったところ, 80gの回収率が99.7±0.08%となり, 最も高い値が得られた。(4) 実際に子豚を用いての実験: 約18kgのイノブタの呼吸試験の成績は, 1時間当たりのO
2消費量, CO
2発生量, RQ及び熱発生量は, 0.674±0.022
l/kg
0.75, 0.666±0.026
l/kg
0.75, 0.989±0.003および3.38±0.11kca
l/kg
0.75となった。
以上の事から, 本装置を用いて呼吸試験を行う場合, 通気量6
l/分で行えば, 1日8時間程度の測定に充分使用できるものと判断した。
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