日本養豚学会誌
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29 巻 , 3 号
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  • 入江 正和
    1992 年 29 巻 3 号 p. 127-138
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 澄麿, 栗原 良雄, 池田 周平, 鈴木 伸一, 祐森 誠司
    1992 年 29 巻 3 号 p. 139-144
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    環境温度の日内変動が子豚の成長および生理反応におよぼす影響を検討した。試験は, 1時間ごとの環境温度を積算し, 温度総量 (積算温度) の異なる区として, 504℃ (21℃×24時間), 600℃ (21℃×16時間+33℃×8時間), 696℃ (21℃×8時間+33℃×16時間) の3区を設け, 2腹の子豚を用い, 反復して実験を行なった。供試した子豚は, Y×YW, Y×Lの交雑種各6頭の計12頭で各々生後40~45日齢であった。子豚は単飼ケージに入れ, それぞれ設定された温度のもとに環境調節室内で飼育した。試験の終了は供試子豚のうち1頭の生体重が25kgに達した時点とした。その結果は, 次のようであった。飼育成績は, 試験開始時の体重で補正した成績では, 増体量, 飼料摂取量ともに対照区に対して600℃区, 696℃区と積算温度が高くなるに伴い低下し, 影響が大きくなる傾向を示した (P<0.05)。飼料効率には影響がみられなかったが, 飲水量/飼料摂取量は, 積算温度が高くなると有意 (P<0.05) に高くなった。生理反応の成績は, 体温, 皮膚温度, 呼吸数ともに試験区が異なっても同一環境温度では相違がなかったが, 同一試験区でも環境温度が33℃になると大きく上昇した。これらの成績から本実験条件下においては, 積算温度が増すに従って, 子豚の成長が鈍化することが認められた。
  • 大石 孝雄, 五十嵐 眞哉, 関 誠, 田中 一栄
    1992 年 29 巻 3 号 p. 145-151
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    新潟県畜産試験場では, 1986年に中国の黒竜江省から民豚の雄2, 雌2頭の寄贈を受け, その後それらを基に増殖し, 閉鎖集団として維持している。そこでこの民豚の遺伝的特性解明の一環として, 血液型および蛋白多型を調査してみた。調査した座位は, 赤血球抗原型8, 血清蛋白質型5, 赤血球酵素型5および血清アロタイプ2の合計20座位である。調査した20座位のうち民豚は13座位で多型を示した。他の中国系豚 (金華豚, 梅山豚, 桃園種, 小耳種, オーミニ豚) と比較すると, G, K, PSA-I, Tf, Hpおよび6PGD座位で特徴がみられたが, 全体的にはアジア系豚の特性を示していた。遺伝子頻度を基に, 遺伝的変異性を示す4指標値 (H. I., H, P poly, Ne) を算出したところ, 民豚は中国系豚6品種の中では小耳種の次に変異性の大きい傾向を示した。しかし欧米系改良種よりはかなり変異性が小さかった。次に民豚とこれまでに調査した16豚集団との間で, ROGERSおよびNEIの式に基づく遺伝的距離を計算したところ, 民豚は中国系在来種5品種およびゲッチンゲンミニ豚のいずれとも比較的似た近い距離を示し, その中では桃園種と金華豚に最も近い距離を示した。欧米系改良種とは遠い距離であった。17豚集団の遺伝的類縁関係を示す枝分かれ図を作成したところ, 民豚は完全にアジア系豚のグループに属するが, 桃園種, オーミニ豚, 金華豚および梅山豚の中国系豚とは少し離れた位置を占め, 小耳種とともにそれらとゲッチンゲンミニ豚およびクラウンミニ豚の間に位置することがわかった。
  • 伊藤 米人, 近藤 ゆり, 内山 京子, 桝田 博司
    1992 年 29 巻 3 号 p. 152-157
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    合成黄体ホルモン剤 Altrenogest (AT) を発情前期~発情期 (Day19~Day2) と発情休止期 (Day3~Day18) から投与開始して, 発情同期化試験を行なった。試験は, 48頭の未経産豚および経産豚に, 1日1頭当たり20mgのATを経口投与した。
    試験Iでは, 11頭の未経産豚にDay19~Day2からAT投与を開始し, 5~8日間投与後屠殺して卵巣を検査した。試験IIでは, 37頭の未経産豚および経産豚を用い, 16頭にはDay19~Day2から, また21頭にはDay3~Day18からそれぞれ同量のATを18日間経口投与し, 発情同期化効果と同期化発情における受胎性について検討した。
    得られた結果は, 次のように要約される。
    1) 試験Iでは, 11頭中10頭において平均14.1±3.1個の黄体が形成され, 排卵が正常に起きたものと推測された。排卵が抑制されたものは1頭のみであった。
    2) 試験IIでは, Day19~Day2から投与開始し18日間投与した16頭中15頭 (93.8%) に, 投与終了後平均6.1±1.0日で発情が再帰し, 誘起された発情は平均48.0±13.6時間持続した。また, Day3~Day18から投与開始し18日間投与した21頭中20頭 (95.2%) に, 投与終了後平均6.1±1.2日で発情が再帰し, 誘起された発情の持続時間は平均60.0±22.0時間であり, 両群の間には有意差はみられなかった。
    3) Day19~Day2からAT投与を開始した群とDay3~Day18から投与開始した群における受精頭数の割合, 平均黄体数および受精卵率は, それぞれ80.0%と85.7%, 15.7±3.5と15.7±3.9個, 76.2%と76.1%で両群間に有意差はみられなかった。
    以上の結果より, ATを発情前期~発情期から投与開始した場合は, 発情休止期から投与開始した場合と同様に繁殖性を低下させることなく, 豚の発情を同期化できることが明らかになった。
  • 石岡 宏司, 新井 肇
    1992 年 29 巻 3 号 p. 158-167
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    養豚一貫経営の最終目標を母豚1頭当たり年間利益に置き, これを構成する緒要因の因果関係, 寄与等を明らかにするために重回帰分析の適用を試み, 今後の養豚一貫経営における利益改善方向について次の結果を得た。
    1. 母豚1頭当たり経常利益を構成する要因としては販売額, 売上原価, 販売費・一般管理費, 営業外費用の4つが説明変数として有意であったが, 経営利益に対する寄与を標準回帰係数により求めると, 売上原価-1.127, 販売額0.960であり, 経常利益は販売額よりも売上原価により強く影響されている。
    2. 売上原価の説明変数は生産費用だけが有意であったが, 生産費用の説明変数としては素畜費, 飼料費, 償却費, 労働費, 医薬品費が有意であった。このうち, 標準回帰係数が高かったのは素畜費の0.521, 飼料費の0.486であった。
    3. 母豚1頭当たり販売額を構成する説明変数として有意なのは枝肉単価, 分娩回数であった。
    したがって, 母豚1頭当たり経常利益を改善するためには繁殖技術では分娩回数の向上, 出荷技術では市場対応技術の向上, 原価管理技術では素畜費, 飼料費の低減が重要であること, さらに母豚管理技術が年間分娩回数の向上, 素畜費の削減, 枝肉単価の向上に強く影響する重要な要素であることが示唆された。
  • 山野 裕, 松岡 昭善, 高橋 強, 山中 良忠
    1992 年 29 巻 3 号 p. 168-173
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    肉豚の脂質組成の差異を明らかにするため, 大ヨークシャー種, バークシャー種およびデュロック種の胸最長筋, 大腿二頭筋および半膜様筋から抽出した全脂質を, 高性能薄層クロマトグラフィーを用いて分画し, デンシトメトリーによって脂質成分の定量を行い, 次の結果を得た。
    1. 本実験において検出された脂質成分は, 中性脂質区分ではトリアシルグリセロール, 遊離脂肪酸およびコレステロールであり, リン脂質区分ではフォスファチジルエタノールアミン, フォスファチジルコリン, スフィンゴミエリンおよびリゾフォスファチジルコリンであった。
    2. 大ヨークシャー種, バークシャー種およびデュロック種に共通して最も多く含まれる成分は, トリアシルグリセロール: 約63~85%であり, ついでフォスファチジルコリン: 約10~23%, フォスファチジルエタノールアミン: 約2.3~6.0%, コレステロール: 約1.3~3.3%, スフィンゴミエリン: 約0.7~1.7%, 遊離脂肪酸: 約0.5~1.7%, リゾフォスファチジルコリン: 約0.05~0.44%であった。また, 中性脂質区分ではトリアシルグリセロールが約92~98%を占め, リン脂質区分ではフォスファチジルエタノールアミンおよびフォスファチジルコリンの2成分が約92~94%を占めた。
    3. デュロック種は大ヨークシャー種およびバークシャー種と比較して, 中性脂質区分とトリアシルグリセロールの割合が高かったが, その他の脂質構成成分の割合は低かった。
    4. 大ヨークシャー種とバークシャー種の間では, 大腿二頭筋および半膜様筋の脂質組成に顕著な差はなかったが, 大ヨークシャー種の胸最長筋ではトリアシルグリセロールの割合が有意に低く, 従って他の構成成分はバークシャー種よりも高い傾向を示した。
    5. リン脂質区分に占める各リン脂質構成成分の割合は3品種間で顕著な差はみられなかった。
    以上の結果から, 大ヨークシャー種, バークシャー種およびデュロック種の3品種間にはトリアシルグリセロールの蓄積量の相違に基づくと考えられる差異が存在するものの, リン脂質区分における各成分の差は比較的小さいものと考えられた。
  • 原山 洋, 筒井 昭夫, 加藤 征史郎
    1992 年 29 巻 3 号 p. 174-182
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    雄金華豚における生殖器の生後の発達過程を形態学的および組織学的に観察した。精巣は45日齢以後に著しく発達し, 約75日齢には精細管腔に初めて精子が出現するとともに, 精上皮の組織構造が成熟型となった。精巣上体については, 45日齢以後に重量が急速に増加し, 60~75日齢までにはすべての部位で管上皮は十分に発達した組織構造を示した。他方, 副生殖腺の重量はいずれの腺も60日齢以後に急速に増加した。また, 精のう腺, 前立腺体部および尿道球腺はそれぞれ75~90日齢, 90日齢および30~45日齢までに終末部の著しい分枝を示し, 腺腔をPAS陽性の分泌物で満たしていた。以上の結果から, 雄金華豚は約75日齢で春機発動期に達することが知られる。また, 金華豚の生殖器は欧米改良種豚に比べて若齢で発達すると考えられる。
  • 礒部 禎夫, 柴田 章夫, 中村 彰, 小牧 弘
    1992 年 29 巻 3 号 p. 183-188
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    フマール酸を離乳子豚の飼料に添加することにより, 子豚の発育に有効であったという欧米での成績を追試し, フマール酸添加の作用機序を解明するために, 離乳子豚の糞便中の細菌叢にどのような影響を及ぼすかを試験した。8腹の母豚から生まれた, LWD交配種の77頭の子豚を生後3週間で離乳させ, 市販の人工乳で2週間と子豚育成飼料で4週間飼養した対照区39頭と, それらの飼料にフマール酸3%添加飼養した試験区38頭に分けた。試験期間6週間の増体量は試験区は対照区に比べ有意に (P<0.01) 改善された。1日当り平均増体量はフマール酸を添加された試験区は14%対照区よりも大であった。飼料要求率も6%改善されたが有意な差ではなかった。糞便中の大腸菌数及び嫌気性フマール酸利用菌にも差は認められなかった。嫌気性フマール酸利用菌をグラム染色するとグラム陰性の小球菌と大球菌が検出された。嫌気性の小球菌は液体培地中にフマール酸の代謝産物として, 多量のプロピオン酸と少量の酢酸を形成した。大球菌では酢酸, プロピオン酸, イソ酪酸, 酪酸, イソ吉草酸, 吉草酸, カプロン酸が検出された。グラム陰性小球菌は Veillonella の種であり, 大球菌は Megasphaera 種と推測された。
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