日本養豚学会誌
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31 巻 , 3 号
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  • 新井 肇, 石岡 宏司
    1994 年 31 巻 3 号 p. 89-98
    発行日: 1994/09/16
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    養豚一貫経営59戸の出荷豚6万余頭の出荷成績 (農場別集計値) をもとに, 主に出荷枝肉重量と他の経営指標との関係について分析し, 次の結果を得た。
    1. 出荷豚の枝肉重量別頭数分布モードは上物率と強い関連があることが認められ, 出荷重量を一定の範囲に集中させる必要性が示唆された。
    2. 上物率を追求するためには, 枝肉重量別出荷頭数分布と同重量別上物率のモードを一致させる必要性があることが示唆された。
    3. 上物率の改善には出荷重量の管理と同時に, 上物率水準を向上させる技術的改善の必要性が示唆された。
    4. 1頭当たり販売単価を規制する生体重, 歩留率, 出荷日市況, 格落額等の要因分析によって出荷技術改善の経済効果を金額で明示できることを示した。
    5. 以上のことから枝肉重量の増加に対応した収益曲線, 費用曲線のモデルを提示して理論的肥育限界点を提示し, 出荷重量管理により適正出荷体重に到達することが出荷技術改善の中心的課題であることを明らかにした。
  • 伊藤 米人, 近藤 ゆり, 鈴木 博, 楢島 敏男
    1994 年 31 巻 3 号 p. 99-108
    発行日: 1994/09/16
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    北京黒豚の雌生殖器の発達について究明するため, 生後60日齢から210日齢までの39頭を用いて調査した。(1) 膣前庭, 膣, 子宮頸管および子宮体の合計重量は, 60日齢から90日齢までは急激に増加し, その後195~210日齢までは緩慢に増加した。合計の長さは60日齢から75日齢までは急激に増加 (P<0.05) し, その後195~210日齢まで極めて緩慢に増加した。子宮角の重量および長さは, 90日齢から165日齢までは緩慢な増加であったが, その後165日齢から180日齢までの間に急激に増加した (P<0.05, P<0.05)。(2) 卵巣の重量は, 生後60日齢から90日齢まで増加し, その後, 黄体が出現するまでほぼ一定の値を示した。卵巣の形態的検査では, 60日齢で33.3% (2/6) の卵巣に4個以下の卵胞が認められ, 90日齢で全て (6/6) の卵巣に5個以上の卵胞が認められた。黄体は180日齢では71.4% (10/14) の卵巣に, 195~210日齢では100% (8/8) の卵巣に認められた。(3) 卵巣の組織学的観察では, 60日齢では全ての卵巣 (6/6) に多数の原始卵胞, 一次卵胞, 二次卵胞および胞状卵胞が認められた。60日齢から90日齢までは胞状卵胞は大きくなり, 120日齢までその数は増加した。120日齢の卵巣の組織の大部分は胞状卵胞によって占められ, この形態は初回排卵まで変化しなかった。(4) 以上の結果から, 北京黒豚の雌豚は, 165日齢から180日齢の間に性成熟期に達することが示された。
  • 亀井 勝浩, 岩村 祥吉, 吉岡 耕治, 加茂前 秀夫
    1994 年 31 巻 3 号 p. 109-115
    発行日: 1994/09/16
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚の血漿中プロジェステロン (P) の測定に酵素免疫測定 (EIA) 法を用いたオブチェック血液用EIAキット (オブチェック) およびオブチェックカウサイドW牛全乳用EIAキット (カウサイドW) の応用を試みた。
    10ng/ml以内の血漿については希釈せずに検討した結果, オブチェックによる測定値 (EIA値) とラジオイムノァッセイ法による測定値 (RIA値) との間には高い相関 (r=0.956, P<0.001, n=14) が認められた。しかし豚の血液中P値はオブチェックの測定上限 (10ng/ml) を越えることが多いたあ, 高P値 (10ng/ml以上) の豚被検血漿を希釈して測定する方法を検討した結果, 去勢雄血清または血漿, あるいは正常雄血清を用いて2~5倍希釈する方法が有用と認められた。希釈測定の成績と直接無希釈測定成績の集計において, EIA値とRIA値との間には高い相関 (r=0.961, p<0.001, n=34) が認められた。
    特別な器具機材が必要なく短時間にフィールドで測定可能な, 定性測定用キットのカウサイドWでは, 付属の標準液Sとオブチェックの標準液 (0.5, 1, 5, 10ng/ml) を標準対照に用いることにより, 豚血漿P値の半定量測定が可能であった。
    これらのキットにより, 豚血漿中のP濃度を正確かつ簡便迅速に測定できること, およびこれら簡易測定法は獣医臨床領域において豚の妊娠や繁殖障害の診断等へ応用できると考えられる。
  • 森好 政晴, 加藤 真, 広井 信人, 中尾 敏彦, 河田 啓一郎
    1994 年 31 巻 3 号 p. 116-119
    発行日: 1994/09/16
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    哺乳日数の異なる2養豚場 (FおよびK養豚場) の分娩後8日以内の繁殖雌豚142頭を, 無作為にそれぞれ2%ポビドンヨード溶液 (PVP-I) 100ml子宮内注入群 (処置群) と無処置対照群に区分して, その後の繁殖成績の比較を行った。哺乳日数はF養豚場では28.3±2.9 (平均±標準偏差) 日 (n=80), K養豚場では20.9±3.0日 (n=62) であった。離乳後の発情回帰日数はF養豚場では処置群および対照群でそれぞれ6.3±3.4日 (n=39) および6.9±4.4日 (n=41), K養豚場のそれは5.5±2.0日 (n=30)および8.5±5.2日 (n=32) であり, K養豚場の処置群の発情回帰日数は対照群に比べ有意に短かった (p<0.01)。また一腹産子数についてはF養豚場では処置群および対照群でそれぞれ9.9±2.5 (平均±標準偏差) 頭 (n=35) および10.9±2.4 (n=36) 頭, K養豚場のそれは12.0±2.2頭 (n=28) および10.6±2.7頭 (n=29) であり, K養豚場の処置群の一腹産子数は対照群に比べ有意に多かった (p<0.01)。以上の結果より, 分娩後8日以内の繁殖雌豚にPVP-I 100mlを子宮内へ注入する場合, 哺乳日数の短いほうがその後の繁殖成績に及ぼす効果が顕著であることが確認された。
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