日本養豚学会誌
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35 巻 , 1 号
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  • 出口 栄三郎
    1998 年 35 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1998/03/10
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    本試験は, 子豚の群編成が血漿コルチゾール濃度, 白血球数, 白血球百分比, 単球の貪食能, リンパ球機能に及ぼす影響を明らかにする目的で実施した。LW種去勢雄のSPF子豚, 4頭/腹および8頭/腹の計12頭を用いた。生後63.0日齢に, 8頭/腹のうち4頭の子豚を, 別の1腹4頭を飼育している豚房に移動し, 13日間同居させた。移動した子豚を移動子豚, また, 移動せずに編成した子豚を先住子豚とした。残りの1腹8頭のうちの4頭は, 編成せずに対照子豚とした。編成直後から2時間, 先住子豚は移動子豚に対して, 激しく耳を噛むあるいは前肢で肩に乗るなどの攻撃がみられた。その後, 子豚間の闘争は試験終了まで全くみられなかった。編成後2時間における血漿コルチゾール濃度は, 編成直前に比較して有意に高く, 編成後24時間には編成直前の値まで低下した。試験期間中, 白血球数と白血球百分比には有意な変動は認められなかった。先住子豚の編成後3日における, ポークウィードマイトジェン (PWM) およびフィトヘマグルチニン (PHA) により誘発されたリンパ球幼若化能 (in vitro リンパ球機能検査) は, 編成前3日に比較して有意に低下していた。先住子豚および移動子豚における, 単球の酵母貪食能およびPHA皮内反応 (in vivo リンパ球機能検査) は, 編成前3日に比較して編成後13日まで有意に低下していた。対照子豚でも, 血漿コルチゾール濃度が軽度上昇し, 編成後3日に一時的な単球貪食能の低下がみられたが, PHA皮内反応は編成後13日でも低下していた。
    これらの成績から, 群編成は子豚にとってストレスであり, 編成後少なくとも13日間, リンパ球機能と単球貪食能は抑制されていることが示された。
  • 宮脇 耕平, 保科 和夫, 伊東 正吾
    1998 年 35 巻 1 号 p. 9-17
    発行日: 1998/03/10
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    ウェットフィーディングを離乳子豚へ適用した場合の効果と問題点を明らかにすることを目的に, 本飼養法が離乳子豚の発育, 飼料摂取量, 水消費量および採食行動に及ぼす影響について, 離乳子豚113頭を用いた3回の飼養試験により検討した。給餌器は, 子豚用従来型5頭口不断給餌器 (対照区), 自然落下型1および2頭口ウェットフィーダー (ウェット1-1, 1-2区), 飼料切出し型1および2頭口ウェットフィーダー (ウェット2-1, 2-2区) の5機種を供試した。試験豚を各区へ配置して2~7日間の予備飼育 (馴致期) の後, 人工乳Bで前期3週間, 子豚育成用飼料で後期3週間飼育した。増体に及ぼす給餌器の影響には有意差は認められなかったが, 馴致期ではウェット1-1, 2-1および2-2区が対照区に較べ劣る傾向にあった。しかし, 前期および後期3週間ではいずれもウェット各区が良好な傾向を示した。飼料摂取量はウェット各区が対照区よりも5~8%有意に増加した。飼料要求率には区間の差は認められなかった。水消費量はウェットフィーダーの機種により異なり, 3~31%の節水効果が認められた。採食行動では, 総採食時間および平均採食時間とも, ウェット各区は対照区よりも有意に短縮した。平均飼槽利用率は, 1頭口飼養頭数10頭の場合, 対照区よりも有意に高まった。
  • 河野 建夫, 榊原 徳造
    1998 年 35 巻 1 号 p. 18-24
    発行日: 1998/03/10
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    ランドレースと大ヨークシャーの一代雑種雌豚165頭を用い, 肉豚と同様の飼養管理下における性成熟の到達状況を調査した。同時に, 到達以前と以後で生殖器の大きさがどのように異なるかを検討した。供試豚は体重25kg前後からと殺時まで, 一部すのこ状コンクリート床の肥育用豚舎で6~10頭群飼し (飼育密度約1m2/頭), 旧豚産肉能力検定用飼料 (可消化養分総量70.1%, 可消化粗蛋白12.7%) を不断給餌した。性成熟に到達した雌豚の割合は, 体重82~137kg, 日齢152~260日の範囲で全体の20%であった。それらの生殖器は, 総重量のほか, 各部位 (卵巣, 卵管, 子宮角, 子宮体, 子宮頸および膣) の重量あるいは長さでも性成熟前の豚を大きく上回った (膣長のみP<0.05, 他はいずれもP<0.01)。性成熟前の豚では, 生殖器総重量は日齢の進んだほど大きく (P<0.01), 性成熟後の豚では日齢のいかんにかかわらず体重が重いほど大きい (P<0.05) 傾向たあった。
  • 岩澤 季之, 楢崎 昇, 三谷 秀彦, 保住 茂雄, 盛田 フミ
    1998 年 35 巻 1 号 p. 25-33
    発行日: 1998/03/10
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    摂取蛋白質の消化が一時的に抑制される新生子豚の蛋白質代謝の発達機序を明らかにする一環として, 子豚用代用乳に牛乳カゼイン由来のペプチドを添加して初乳無給与の新生子豚を人工哺育し, 発育成績ならびに血液性状に及ぼす影響を出生直後から1週齢まで調査した。供試豚は, 一腹の雑種LWDを生後直ちに無作為に2分し, 子豚用代用乳のみで哺育する対照区に5頭, 牛乳カゼイン由来のペプチドを3.7%添加した代用乳で哺育する試験区に6頭を配置した。血清蛋白質濃度は両区とも出生直後から出生後72時間にかけて増加し, 1週齢で減少したが, いずれの時期においても有意差は見られなかった。しかし, 血清アルブミン濃度は両区とも時間の経過とともに増加し, 試験区は24時間以降で対照区を上回って推移した。24時間および72時間で両区間に有意差が見られた (P<0.05) アルブミン/グロブリン比は, 両区ともアルブミン濃度の増加に伴って高まり, 試験区が対照区を常に上回って推移し, 24時間および1週齢で有意差が見られた (P<0.05)。出生時体重は試験区1.24kg, 対照区1.25kgとほぼ同様の値であったが, 1週齢になると試験区が1.96kgと対照区の1.82kgを上回った。いずれの時期においても有意差は見られなかったが, 1日平均増体量 (出生直後から1週齢まで) は試験区が102gとなり, 対照区の81.4gに比べて有意に高い値を示した (P<0.05)。
    以上のことから, ペプチドは新生子豚の体蛋白質合成に効率よく利用され, 初期発育を円滑にすることが示唆された。
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