日本養豚学会誌
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35 巻 , 3 号
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  • 永井 勝, 中村 好一
    1998 年 35 巻 3 号 p. 93-97
    発行日: 1998/09/25
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    合成抗菌剤飲水投与による哺乳子豚の増体効果を明らかにする目的で, スルファモノメトキシンとオルメトプリム (SO) 合剤の0.2%水溶液 (6腹54頭) と対照液 (水: 3腹27頭) を子豚用飲水器を用いて1日齢から28日齢の子豚に自由飲水させ, 臨床症状, 63日齢までの増体量およびトキソプラズマ原虫, Boldetella bronchiseptica および Actinobacillus pleuropneumoniae 血清型2 (APP II) の血清抗体価を調査し比較検討した。その結果, SO合剤投与子豚では下痢, アイパッチは発現せず, 有意な増体が認められること, APP IIの陽転率が低いことが明らかとなった。それゆえ, 哺乳中の子豚への自由な合成抗菌剤飲水投与法は, 母豚由来の細菌による下痢症等を予防し, 増体させるには有用な投与法と考えられた。
  • 小川 ゆう子, 鈴木 啓一, 阿部 博行, 鹿野 裕志, 伊藤 勝
    1998 年 35 巻 3 号 p. 98-106
    発行日: 1998/09/25
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    魚油および酒米添加飼料を豚に給与した際の肉質と発育, 産肉能力に及ぼす影響を検討した. また, ロースの部位の違いにより肉質が異なるかどうかも比較した. 三元交雑豚 (LW・D) 去勢32頭, 雌34頭の合計66頭を用い3度の試験を実施した. すなわち, 飼料に魚油を添加する魚油添加試験1と2および酒米を添加する酒米添加試験である. これらの試験ではいずれも肥育後期, 飼料にそれぞれ魚油や酒米を添加し105kgまで肥育した. と殺24時間後に枝肉の第5から8胸椎までと第13から16胸椎までの2部位のロース肉を採材した. 色差計によるa*値・b*値・L*値と豚肉色標準模型 (PCS) による肉色, 保水性 (ナイロンバッグ法による24時間と48時間の水分損失率と加熱損失率), テンシプレッサーによる肉の硬さ (Tenderness), 柔軟性 (Pliability) などの物理的特性値および筋肉内の水分と脂肪含量を測定した. 飼料内容の違いは肉質, 発育, 産肉能力に影響しなかった. ロース前部と後部では肉色のa*・b*・L*値, 水分損失率および筋肉内脂肪含量が異なった. 肉質形質と産肉形質間の相関のうちロース前, 後部位で共通に有意な相関が認められた. すなわち, 肉色のb値と105kg日齢, 一日平均増体量および飼料要求率との間, 保水性と飼料要求率との間, 筋肉内脂肪と平均皮下脂肪厚との間, Tenderness と105kg到達日齢および皮下脂肪厚との間の相関である. 肉質形質間の相関では, ロース前部と後部とでその程度が異なる場合が多かった. ロース前部では Tenderness と筋肉内脂肪は有意な負の相関を示したが, ロース後部での相関はほぼ0であった. しかし, 水分損失率と肉色のL値およびPCSはいずれも高い相関を示した. 以上のことから, 発育形質と肉色および肉の軟らかさ, 皮下脂肪厚と肉の軟らかさがそれぞれ関連していることが示された.
  • 門脇 宏, 鈴木 啓一, 小川 ゆう子, 伊藤 勝
    1998 年 35 巻 3 号 p. 107-113
    発行日: 1998/09/25
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    外観形状による肢蹄の5段階評価と管囲を肢蹄形質とし, 肢蹄形質と産肉能力の関連を検討するとともに, 肢蹄形質の遺伝率を推定した。デュロック種, 雄50頭, 雌149頭, 去勢59頭の計258頭を供試した。体重が30kgから105kgまで雄は単飼, 雌と去勢は9頭群飼とし, いずれも不断給餌とした。体重105kg到達後, 全頭について体尺測定と産肉能力の測定および前肢・後肢の評価を行った。前肢得点と背脂肪厚との表型相関は全ての性で負の値を示し, 特に体長1/2部位より前の部位の背脂肪厚と高い負の相関を示した。後肢得点と背脂肪厚との表型相関は性によって異なる傾向を示し, 雄では正, 雌と去勢では負の相関を示した。前・後肢得点と体の幅, 特に胸幅との表型相関は雄では低いが, 雌と去勢では負の相関が認められた。肢蹄得点, 管囲と産肉能力, 体尺測定値の遺伝相関についても表型相関と同様の傾向が認められた。肢蹄得点について, 分散分析法で推定した遺伝率は前肢得点0.306, 後肢得点0.231で中程度の値を示した。管囲については前管囲0.429, 後管囲0.414でほぼ同程度の高い遺伝率を示し, 改良の可能性が示唆された。
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