と畜後約24時間経過した豚もも挽肉にNaCl 2%およびNaNO
2 100ppmを添加して混合後, 人工ケーシングと豚腸にそれぞれ充填し, 加温処理を恒温槽および燻煙加機内で実施した。燻煙室内では相対湿度を80%まで設定した。40℃に試料内部温度が達したら, 75℃で1時間加熱した後, 発色度, 光照射による退色の程度, 残存亜硝酸塩量を測定した。この試作ソーセージの配合を行う際に発色助剤としてエリソルビン酸ナトリウム (NaEry) を0.055%添加し, 比較のためにアスコルビン酸ナトリウム (NaAsc) 0.05%を含む試料を調製した。無添加対照区で, 加温処理効果は認められなかったが, NaEry または NaAsc を添加し加温処理を行うと, いずれも発色を増強する傾向が認められた。昇温に要する時間が長くなると発色は対照区と変らなかった。ケーシングとして豚腸を用いた実験で, 設定湿度が70%より80%の方が目標温度に早く達し, ソーセージ試料の発色は高くなる結果を示した。2,500 Luxの蛍光灯下で90分間保持した結果, 加温処理をしても退色は進行したが, 発色助剤の添加による対照区との発色の初めの差がそのまま保持された。本実験条件下では加温処理の有無による残存亜硝酸塩量に差異は認められず, NaEry と NaAsc と同程度にその残存量を減少させ, 両発色助剤の亜硝酸塩分解効果はほぼ同一と考えられた。
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