日本養豚学会誌
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39 巻 , 3 号
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  • 丹羽 美次, 中西 五十
    2002 年 39 巻 3 号 p. 157-165
    発行日: 2002/09/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    食品製造副産物の有効利用を促進するため, パスタ屑を加えた飼料およびパン屑, 豆腐粕を主体とするサイレージを調製し, これを肉豚に給与して発育増体や肉質等への影響について検討した。試験は体重約30kgのLD交雑種 (肥育試験I) および42kgのLWD交雑種 (肥育試験II) を使用し, 平均体重105kg到達までとした。供試飼料はトウモロコシ主体の対照区, パスタ屑を約40%含有するパスタ区, パン屑および豆腐粕を乾物中約76% (肥育試験I), または約90% (肥育試験II) 含有するパン屑・豆腐粕区の3区を設けた。その結果, パン屑・豆腐粕区は両試験とも対照区を超える日増体量を示し, パスタ区についても肥育試験Iでは対照区と比較して若干低い値を示したものの, 肥育試験IIではむしろ良好な発育となった。屠殺解体後の枝肉の状況では, 枝肉歩留, 背脂肪の厚さ, 肉および脂肪色等において各試験区間に有意差は認められなかった。体脂肪への影響について, パスタ区の背脂肪は飽和脂肪酸を多く含有し融点の高い脂肪となったが, パン屑・豆腐粕区では融点が低下するものの, 軟脂とされる状況ではなかった。以上のことから, 供試した副産物を主体とする飼料において, 通常の配合飼料と同等の肉豚生産が可能と考えられる。
  • 山田 未知, 平山 紀子, 山田 幸二, 杉田 昭栄, 山内 克彦
    2002 年 39 巻 3 号 p. 166-174
    発行日: 2002/09/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    照明の色が豚の発育性・産肉性および脂肪組織と筋肉の脂肪酸組成に及ぼす影響について検討した。肥育前期・後期・試験期間全体の一日平均増体量および飼料要求率は, 無灯火区, 赤色照明区, 青色照明区, 白熱灯照明区の各区間に有意な差は見られなかった。枝肉歩留および背脂肪の厚さにおいても各区間に有意な差は見られなかった。背脂肪の脂肪酸組成ではC18:0が青色照明区で低い値を示し, 無灯火区と青色照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。また, C18:2では無灯火区が低い値を示し, 無灯火区と赤色照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。胸最長筋内脂質の脂肪酸組成ではC14:0が無灯火区で高い値を示し, 無灯火区と白熱灯照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。またC18:0では赤色照明区が高い値を示し, 無灯火区と赤色照明区間, 赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。その飽和脂肪酸は赤色照明区が高い値を示し, 赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間, 青色照明区と白熱灯照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。また不飽和脂肪酸は赤色照明区が低い値を示し, 赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。さらに不飽和脂肪酸に対する飽和脂肪酸の比では赤色照明区が高い値を示し, 赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。血中脂質成分では, 中性脂肪, 総コレステロールおよびHDL-コレステロール量は各区間に有意な差は見られなかった。しかし, 総コレステロールに対するHDL-コレステロール比では青色照明区が低い値を示し, 青色照明区と赤色照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。
  • 桝田 博司, 良方 めぐみ, 金 哲, 菅 和寛, 藤原 哲雄
    2002 年 39 巻 3 号 p. 175-182
    発行日: 2002/09/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    曝磁 (以下, 磁場印加と記述する) 凍結がブタ精子の融解後の生存指数, 先体正常率およびGOT漏出量に及ぼす影響を調べた。濃厚部精液を前処理液で希釈して3時間室温に放置後, 遠心分離により上澄みを除去した。沈澱精子は凍結用希釈液に浮遊後, 90分を要して5℃まで冷却した。第二次希釈液を添加後ストローに封入し, 液体窒素蒸気中で20分放置して凍結した。磁場印加凍結では, 10,000 Gauss (以下Gと略記) および4,000Gの永久磁石を用いて形成された7,450G, 1,550Gおよび240Gの静磁場内で凍結を行った。
    得られた成果は, 次の通りであった。
    1. いずれの磁場強度においても融解後の精子生存指数は高められたが, 正常先体率およびGOT漏出量は対照区と著差はみられなかった。
    2. 磁場印加の効果は, 太型ストロー (φ5mm) による凍結で明確に認められたが, 細型ストロー (φ2mm) では認められなかった。
    3. 精子濃度10億/mlでも磁場印加による融解後の精子生存指数の改善効果が認められた。また, 1,550Gは240Gよりも精子の生存指数が高くなる傾向がみられた。
    4. 1,550Gで磁場印加凍結した精子の授精により正常な産子が得られた。
    以上の結果から, 磁場印加凍結が融解後のブタ精子の生存性の維持, 改善に有効であることが確認された。
  • 河原崎 達雄, 赤松 裕久, 知久 幹夫, 堀内 篤, 番場 公雄
    2002 年 39 巻 3 号 p. 183-190
    発行日: 2002/09/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    系統造成豚や希少品種などの遺伝資源を効率的に保存することを目的とし, 発泡スチロール容器を用いた, 少容量ストローによるブタ精液簡易凍結法のための温度コントロール, グリセリン平衡時間について検討した。生殖能力の確認されている大ヨークシャー種2頭, デュロック種2頭, ランドレース種2頭の6射出精液を用い, 5℃で, 2.5%グリセリン添加BF5で希釈し, 0.5mlプラスチックストローに封入した。表面が硬質ゴム製のラックにストローを載せ, 発泡スチロール容器内の液体窒素面から4, 10, 15, 20cmの高さで凍結, あるいは, 凍結容器内で予め冷却された金属製ラック (液面から4cm) の上にストローを直接載せ凍結させてから20分後にストローを液体窒素内に浸漬した。-15℃~-30℃温度域のサンプルの冷却速度は3.5~90.5℃/minであった。凍結精液の融解は50℃の恒温水槽内で8秒間加温することによって行った。融解後の最終温度は27℃, -196~27℃までの加温速度は1,672℃/minであった。融解後の精液は30℃のBTSで10倍希釈した後, 37℃恒温水槽内で6時間培養し, 精子活力, 頭帽正常精子率を調べた。精子活力はゴム製ラックを利用して液体窒素液面から4cmの部位で凍結したときが最も優れていた。頭帽正常精子率は金属製ラックあるいはゴム製ラックを用いて, 液体窒素液面から4cmの位置で凍結したときが優れていた。これらの結果から, 0.5mlストローでのブタ精液凍結保存時の至適冷却速度 (-15~-30℃の温度域) は, 35~90℃/minであると推察された。グリセリン添加後, 希釈精液を5℃で, 0~6時間処理したが, グリセリン平衡時間は凍結, 融解後の精子の生存性にほとんど影響しなかった。本研究で用いた0.5mlの少量ストローの簡易凍結法は体外受精や卵管内授精での利用が可能であり, 遺伝資源の保存等に応用できるものと思われる。
  • 千国 幸一, 佐々木 啓介, 江森 格, 岩木 史之, 谷 史雄, 中島 郁世, 室谷 進, 三津本 充
    2002 年 39 巻 3 号 p. 191-199
    発行日: 2002/09/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚肉の風味 (味・香り) 形成に関連する成分について, 加熱処理がそれらの含量に与える影響を検討した。デュロック種 (D), ランドレース種 (L), 梅山豚種 (M) 各8頭の胸最長筋から小片を採取し, 真空包装後70℃1時間の加熱を行った。加熱前と加熱後に含量を測定し, それらの相関や品種間差について解析した。総遊離アミノ酸含量は生肉で8.72μmole/g, 加熱後はやや減少して6.92μmole/gとなった。遊離グルタミン酸も同様に減少し, 生肉の0.44μmole/gが加熱によって0.36μmole/gとなった。有意な品種間差は総遊離アミノ酸含量で認められ, 生肉でD>L>M, 加熱肉でD>L, M (P<0.05) であった。一方, 遊離グルタミン酸含量に有意な品種間差は認められなかった。生肉と加熱肉で測定値間の相関係数を見ると, アミノ酸総量はr=0.76, グルタミン酸含量はr=0.59と有意な相関関係 (P<0.01) が認められた。約28%の加熱損失があったこと, および大部分のアミノ酸は水可溶性であることを考え合わせると, 含量の減少はドリップへの溶出によるものであり, 豚肉の遊離アミノ酸はこの程度の加熱によってほとんど変化していないと考えられた。オリゴペプチドは加熱によってやや増加し, 2.31μmole/gが2.55μmole/gとなった。オリゴペプチド含量の品種間差は加熱肉にのみ認められ (L, M>D:P<0.05), 相関係数は r=0.79と比較的高い値 (P<0.01) であった。イノシン一りん酸 (IMP) は生肉で3.94μmole/g, 加熱肉でやや減少し, 3.35μmole/gとなった。IMP含量に有意な品種間差はなく, 生肉と加熱肉の相関係数は低いもののr=0.43と有意 (P<0.05) であった。チオバルビツール酸反応物質 (TBARS) は加熱によって大きく増加し, 生肉の0.48n mole/gが加熱肉では10.02n mole/gとなった。TBARS値の有意な品種間差は加熱肉にのみあり (D>L, M:P<0.05), その値は品種の平均値で15.17 (D), 9.54 (L), 5.35 (M) n mole/gとかなり大きな差異を示した。TBARS値の生肉と加熱肉の相関係数はr=0.04と全く関連が認められなかった。以上のことは, TBARSで示される脂質の分解産物が加熱による風味形成の主体であり, また, 品種や個体による風味の違いの原因となることを示唆している。また, このTBARS値の加熱変化は生肉のTABRS値から予測することができないものであった。
  • 堀内 篤, 知久 幹夫, 河原崎 達雄, 赤松 裕久, 鈴木 清一, 樫尾 進
    2002 年 39 巻 3 号 p. 200-208
    発行日: 2002/09/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚肉の鮮度を予測するため, 保存期間における各種核酸関連物質の推移を調査検討した。次にその予測式を用いて履歴の不明な市販の国産肉および輸入肉の核酸関連物質含量による鮮度判定を試みた。核酸関連物質としてはアデノシン三リン酸 (ATP), アデノシンニリン酸 (ADP), アデノシン一リン酸 (AMP), イノシン酸 (IMP), イノシン (HxR), ヒポキサンチン (Hx) についてその含量を測定した。保存期間中における核酸関連物質の調査は, 三元交雑豚12頭, デュロック種8頭を用いて行った。保存期間中におけるATP, ADPおよびAMP含量は0.2μmoles/g前後で推移し, と殺後1日から18日目で変化が少なかった。一方, IMP含量は, と殺1日目で最高濃度を示し保存日数とともに減少し, HxRおよびHx含量は経過時間とともに増加した。魚肉の鮮度指標としてK値が用いられるが, 豚肉においてはATP, ADPおよびAMPの変化が少なく, IMP, HxRおよびHxの和に対するHxRとHxの百分率で算出した修正K値 (mK値) の方が鮮度の指標として好ましいと考えられた。保存日数とmK値に正の相関 (P<0.001) が認められ, mK値と保存日数の関係から次式を得た。y(d)=-0.811+0.033mk(%)+0.003mk(%)2(R2=0.881)…((1)式) 市販肉のIMP含量は国産豚肉で4.20μmoles/g, アメリカ産輸入豚肉で1.55μmoles/gと国産豚肉で高く, HxR, Hx含量およびmK値は輸入豚肉で高かった (P<0.001)。試みに, 購入した国産豚肉と輸入豚肉が4℃に保存されていたと仮定し, それらの肉の保存日数を回帰式 (式 (1)) により推定すると, 国産豚肉で3~14日, 輸入豚肉で18~25日であった。
  • 今田 哲雄, 齋藤 常幸, 佐藤 仁, 川村 信雄
    2002 年 39 巻 3 号 p. 209-212
    発行日: 2002/09/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
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