日本養豚学会誌
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42 巻 , 4 号
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総説
原著
  • 坂井 隆宏, 脇屋 裕一郎, 則武 圭輔, 四牟田 修蔵, 式町 秀明
    2005 年 42 巻 4 号 p. 157-164
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    豚ふん堆肥化施設から発生する悪臭対策を目的として, 豚ふん堆肥化時に発生するガスを活性汚泥液槽に送風, 曝気して臭気の除去を図る活性汚泥曝気方式脱臭の実証規模試験を行った。豚舎の既存貯尿槽を外部から汚水の流入がないように改造し, 散気管を貯尿槽底部に設置して脱臭槽とした。脱臭槽には曝気水深が2mとなるように約31.5m3の活性汚泥液を投入し, 豚ふん堆肥原料1m3当たりの活性汚泥液量は2.03m3となった。また, 通気型堆肥舎に送風機と配管を設置して, 堆肥発酵時の臭気を吸引し, 活性汚泥液に送風して曝気できるようにした。豚ふん発酵時の臭気を活性汚泥液に15週間に渡って送風し脱臭前, 脱臭後, 排気口上の3ケ所でアンモニアと硫黄化合物の測定を行った。測定の結果, アンモニアは平均99.8%, メチルメルカプタンについては平均で83.1%の高い除去率が得られた。硫化メチルの平均除去率は41.1%, 二硫化メチルの平均除去率は59.4%であった。活性汚泥液には臭気中のアンモニアに起因するNH4-N, NOx-Nなどが増加し, T-N濃度は最終的には試験開始時の約4.3倍に達した。ECは日数の経過につれて上昇し, pHは6.5~6.0の範囲でほぼ安定していた。BODとMLSSは変動しながら日数の経過につれて徐々に低下する傾向が見られた。試験期間中, 活性汚泥液の成分変化によって脱臭能力が低下することはなかった。以上の結果から, 活性汚泥曝気方式脱臭が豚ふん堆肥化時に発生する臭気の対策に利用できることが示唆された。
  • 北澤 多喜雄, 宮崎 怜子, 磯江 源太郎, 曹 金山, 種池 哲朗
    2005 年 42 巻 4 号 p. 165-177
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    子宮の運動および薬物反応性が, 卵巣ステージで変化する性ステロイドホルモンにより調節を受けていることは実験小動物を用いた解析から明らかになっているが, 豚において卵巣ステージによる子宮筋薬物反応性の変化をin vitroの摘出標本レベルで解析した報告は見当たらない。
    本研究では, 卵巣の肉眼的所見から, 卵胞期, 黄体初期, 黄体開花期に分類した経産豚の子宮筋 (縦走筋, 輪走筋) を用い, 卵巣ステージにより子宮筋の自発収縮活性と薬物反応性が影響を受けるか否かを検討した。
    供試した摘出子宮輪走筋標本は, いずれの卵巣ステージでも自発収縮活性を有していたが, 縦走筋では, 自発収縮を示す標本の割合は, 黄体期で低下した。自発収縮が発現した標本で収縮の波形下面積 (活性) を比較すると, 輪走筋では卵巣ステージによる変化は認められなかった。縦走筋においても収縮活性は黄体初期に一過性に増加するものの全体としては卵胞期から黄体期に移行してもあまり変わらなかった。子宮筋収縮作用のあるcarbachol, prostaglandin F受容体作動薬fluprostenolおよびoxytocinは, 子宮筋の収縮活性を筋層依存性 (縦走筋>輪走筋) に増大させたが, その反応性 (50%効果濃度) には卵胞期と黄体初期, 黄体開花期間で差は認められなかった。しかし, 最大収縮は卵胞期の方が黄体期よりも有意に大きくなっていた。一方, 子宮筋弛緩作用のあるisoproterenolおよびprostaglandin D2受容体作動薬BW245Cによる自発収縮抑制反応は, 卵巣ステージによっても殆ど影響されないか, 黄体初期に一過性の増大が認められたのみであった。
    以上の成績から, 子宮筋 (特に縦走筋) の自発収縮活性は卵巣ステージにより影響を受けること, 収縮性薬物に対する反応は卵胞期に比べ黄体期で低下すること, 弛緩性薬物の反応は種々のステージでも殆ど変化しないことが明らかになった。
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