日本養豚学会誌
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42 巻 , 1 号
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原著
  • 今枝 紀明, 吉岡 豪, 鳥本 安男
    2005 年 42 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    豚の胎子娩出所要時間 (娩出時間) と産子数, 分娩月, 産歴, 妊娠期間, 死産数, 子豚の初期発育や育成率との関係について, 8頭以上分娩した大ヨークシャー種154頭を用いて検討した。
    娩出時間は産子数の影響を受け (P<0.05), 両者の間には正の相関関係 (r=0.19, P<0.05) が認められた。
    分娩月, 産歴および妊娠期間は娩出時間に影響を与えなかった。
    死産数は, 娩出時間が4時間を超えると有意 (P<0.05) に増加した。
    子豚の1週齢時体重は, 娩出時間の違いにより一部で差が認められたが, 両者の間には明確な関連性はみられなかった。
    離乳時における子豚の育成率は, 娩出時間の影響を受けなかった。
    今回の調査から, 娩出時間は産子数の影響を受けることと, 死産数に影響を及ぼすことが明らかになり, 娩出時間が4時間を超える場合には, 娩出促進処置を検討することも必要であることが示唆された。
  • 池田 周平, 祐森 誠司, 鈴木 伸一, 栗原 良雄
    2005 年 42 巻 1 号 p. 8-19
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    肥育豚 (75~110kg) に低CP・低TDN飼料を給与し, 成長および肉質に及ぼす影響について検討した。供試豚は三元交雑の去勢肥育豚8頭を用いた。試験区分は低CP (9.5%) で不足するリジンを補充し, TDNを日本飼養標準の値 (75%) に合わせた対照区と低CP (9.5%) でTDNを日本飼養標準の値から5%単位で低減した試験区 (70%) とした。供試飼料は配合原料の種類が同一となるようにし, TDNの低減には飼料組成中のコーンコブミールの割合を高めた。供試豚は2区に平均体重が等しくなるように配分した。試験は単飼, 不断給餌, 自由飲水の条件で, 室温25±2℃の空調室内で行った。測定項目は体重 (増体量), 飼料摂取量, 飲水量, 体各部位の発育値, 超音波画像診断による胸最長筋の断面積と背脂肪厚, 消化率 (試験終了直前), 屠体成績, 胸最長筋の化学成分と背脂肪の化学性状, 糞尿量と糞尿中の窒素および窒素化合物量ならびにアンモニア揮散濃度とした。
    対照区113.7±7.8kg, 試験区112.0±3.5kgとなった42日目で試験は終了とした。1日当たりの増体量, 飼料摂取量, 飲水量, 飼料効率, 体各部位の伸長, 超音波画像診断による胸最長筋の断面積と背脂肪厚に有意差は認められなかったが, 飼料摂取量と排泄糞量は試験区が多くなる傾向にあった。消化試験の成績ではCP, 粗脂肪, ADF, 熱量の消化率は試験区が有意 (P<0.05) に低かった。屠体成績の各項目に有意差は認められなかったが, 背脂肪厚は試験区で薄くなる傾向にあった。また, 胸最長筋の粗脂肪含量も試験区で低くなる傾向にあった。糞中の窒素含量は試験区で低くなる傾向にあったが, 尿中の窒素含量には差がなかった。糞尿からのアンモニア揮散濃度は対照区に比べ, 試験区が高い値で推移した。
    本試験成績では, 低CP・低TDN飼料は肥育豚の成長, 枝肉成績に影響することなく, 糞尿中の窒素濃度を低めたが, 対照区に比べ飼料摂取量が多くなる傾向にあり, それに伴い排泄糞量が増加して窒素排泄量が多くなった。
  • 山口 昇一郎, 山本 朱美, 村上 徹哉, 伊藤 稔, 古谷 修
    2005 年 42 巻 1 号 p. 20-26
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    乾燥ミカンジュース粕を配合したアミノ酸添加低タンパク質 (低CP) 飼料を肥育後期豚 (80-105kg) に給与した場合の発育, 背脂肪厚, 肉色および窒素排せつ量の低減効果について検討した。飼料は標準CP飼料 (標準CP, CP 15.6%), アミノ酸添加低CP飼料 (低CP, CP 11.9%), ミカンジュース粕を10%および20%配合したアミノ酸添加低CP飼料 (低ミカン10%, CP 11.7%および低ミカン20%, CP 11.5%) を調製し, 給与した。飼養条件は, 群飼, 不断給餌, 自由飲水とした。試験期間中に, 酸不溶性灰分を指標物質とする消化試験を実施して糞中への窒素排せつ量を推定するとともに, 日本飼養標準・豚にもとづき尿中への窒素排せつ量を算出した。
    試験の結果, 1日増体量は標準CP区, 低CP区, 低ミカン10%区および低ミカン20%区でそれぞれ923, 959, 960, および674gとなり, 低ミカン20%区で有意に低かった (p<0.05)。背脂肪厚および肉色には差は認められなかった。糞中窒素排せつ量は標準CP区, 低CP区, 低ミカン10%区および低ミカン20%区でそれぞれ14.8, 15.8, 18.1および18.0g, 尿中への窒素排せつ量はそれぞれ54.8, 38.2, 26.3および21.1g, 総窒素排せつ量はそれぞれ69.6, 53.7, 44.3および39.2gであり, 両ミカン区の糞中窒素排せつ量は標準CP区に比べてやや増加したが, 尿中および総窒素排せつ量は大きく低下した。以上のことから, 豚へミカンジュース粕を10%配合したアミノ酸添加低CP飼料を給与した場合に, 標準CP区と比較して発育成績, 背脂肪厚および肉色は同等で, 尿中および総窒素排せつ量が大幅に低減できることが明らかとなった。
  • 鈴木 啓一, 清水 ゆう子, 鹿野 裕志, 門脇 宏
    2005 年 42 巻 1 号 p. 27-33
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    超音波探傷機を使って測定した生豚のロースの深さからロース断面積を推定する方法を確立するため, 枝肉横切断写真から測定したロースの深さと枝肉ロース実面積との関連を検討した。はじめに体長1/2部位ロース面積 (REM1/2) と背正中線から2cm, 4cm, 6cmおよび8cm脇にずれた部位のロース深さ (P2, P4, P6, P8) の関連について, 次いで, 最後胸椎部位ロース面積 (REMLAST) と背正中線から4cm, 6cmおよび8cm脇にずれたロースの深さ (LP4, LP6, LP8) の関連を検討した。体長1/2部位測定にはデュロック種149頭 (去勢103頭, 雌46頭) を, 最後胸椎部位測定にはデュロック種220頭 (去勢162頭, 雌58頭) を用いた。体長1/2部位についてはロースの深さから6種類の台形面積を計算した。((1) S1=(P2+P4)×2/2, (2) S2=(P4+P6)×2/2, (3) S3=(P6+P8)×2/2, (4) S4=S1+S2=P2+2P4+P6, (5) S5=S2+S3=P4+2P6+P8, (6) S6=S1+S2+S3=P2+2P4+2P6+P8)。実測ロース断面積 (REM1/2) とカラースキャニングスコープで測定したロース断面積 (SEM1/2) との相関は0.728 (P<0.001) だった。実面積 (REM1/2) はロース断面積の深さのP6と最も相関が高く (0.817, P<0.001), 台形面積ではS5との相関 (0.855, P<0.001) が最も高かった。ロース断面積の深さと台形面積を独立変数とした重回帰分析の結果, REM1/2=2.125S5-0.730P8-4.883の回帰式が最も高い自由度調整済み寄与率 (R2=0.764) だった。実測最後胸椎部位ロース断面積 (REMLAST) はLP8と0.830 (P<0.001) の最も高い相関を示し, LP4, LP6との相関はそれぞれ0.604 (P<0.001), 0.795 (P<0.001) だった。三部位を従属変量とし, REMLAST=1.104LP4+1.551LP6+3.757LP8+1.1184の回帰式と0.724の自由度調整済み寄与率が得られた。生体での測定を考慮しLP6を独立変量とした場合, REMLAST=6.012P6+0.913の回帰式と0.631の自由度調整済み寄与率が得られた。
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