日本養豚学会誌
Online ISSN : 1881-655X
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42 巻 , 3 号
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原著
  • 池田 周平, 鈴木 伸一, 祐森 誠司, 栗原 良雄
    2005 年 42 巻 3 号 p. 113-120
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    本試験は肥育豚への歩行運動の負荷が一般生理反応および枝肉性状に及ぼす影響を知る目的で行った。供試豚は肥育後期 (150日齢, 平均体重72.2±1.9kg) の三元交雑種 (LWD種) 去勢4頭, 雌2頭の計6頭を用いた。試験区分として, 対照区 (自由運動区) と運動区 (歩行運動を負荷する区) の2区を設け, それぞれの区に平均体重, 性別が等しくなるように3頭ずつ配分した。飼料は対照区, 運動区ともに同量給与した。飲水は自由とした。試験期間は40日間とし, 対照区の豚は豚房内で自由に過ごさせ, 運動区の豚は1日1回豚舎内に設けた1周60mのコースを所定の速度で25周 (1,500m) 歩行させた。生理反応の測定項目として心拍数, 呼吸数, 直腸温度および体表面温度を測定した。測定は試験開始時から10日間隔で190日齢まで5回行い, 対照区では安静時, 運動区では運動前の安静時と運動後とした。体尺は生理反応測定日に行い, 枝肉性状の項目である枝肉重量, 屠体幅, 屠体長, 背脂肪厚については試験終了後24時間絶食し, 屠殺して測定した。心拍数以外の生理反応は歩行運動の負荷により高くなる傾向を示したが, 心拍数は歩行運動期間が長くなるにつれて, 低くなる傾向を示した。試験の開始時と終了時の体尺成績から求められる各部位の伸長において, 体長は対照区に比べ運動区が有意 (P<0.05) に小さかった。他の部位では有意差はなかったが, 胸深, 胸囲, 胸幅, 後幅は運動区が小さく, 管囲, 体高, 前幅は運動区が大きかった。枝肉重量, 屠体幅, 屠体長, 背脂肪厚に有意差はなかったが, 背脂肪厚は運動区で薄くなる傾向にあった。
  • 高田-及川 直子, 押田 敏雄, 堂ヶ崎 知格, 櫻井 真澄
    2005 年 42 巻 3 号 p. 121-129
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    母豚の妊娠ステージおよび子豚の生育ステージの全血中セレン (以下Se) 濃度, さらに乳汁中のSe濃度を測定した。妊娠母豚の全血中Se濃度は, 妊娠初期 (3週目) の186ng/ml に比較して, 妊娠中期や後期にはそれぞれ, 89ng/ml (8週目), 96ng/ml (16週目) と著しく低下したが, 分娩後 (18週目) には207ng/ml に回復した。一方, 子豚全血中Se濃度は, 新生時および離乳時にはそれぞれ149ng/ml, 141ng/ml とやや低い値を示したが, 4ケ月齢で225ng/ml, 6ケ月齢で223ng/ml と成長後期には安定して高値を示した。また, 乳汁中のSe含有量は, 初乳で高値 (248ng/ml ) を, 2日目にも比較的高値 (175ng/ml ) を示したが, 離乳期 (21日目) では89ng/ml と減少した。また, 母豚血液中のSe濃度と初乳中Se濃度との間には相関が見られた。これらの結果から, 母豚および子豚の血中Se濃度レベルの改善維持のために, 妊娠中期以後に速やかなSe補給の必要性が示唆された。
  • 井手 華子, 堀内 篤, 知久 幹夫, 寺田 圭, 奥村 直彦
    2005 年 42 巻 3 号 p. 130-138
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    農畜産物の偽装表示が問題視される中, ブタやコメなどにおいてはDNA識別技術による品種判別法が確立されている。本研究では, 静岡県の大ヨークシャー種系統豚「フジヨーク」を母系に利用した三元交雑豚である「静岡型銘柄豚」の識別法の開発を目指し, フジヨークの母系解析を実施した。現在, 当試験場で飼養しているフジヨークおよび他県 (岐阜県, 徳島県, 富山県) で造成された3系統を含む大ヨークシャー種系統豚についてミトコンドリアDNA・非コード領域 (約710bp) の塩基配列を決定し, 多型を調べた。26ケ所の塩基置換部位が存在し, ハプロタイプとしては10タイプに分けられた。そのうちフジヨークの中の2タイプ (Ide5, Ide8) で, 特異的な塩基置換部位が存在した。この部位を検出するためプライマーを設計しPCR-RFLP法により解析した結果, この2つのハプロタイプとその他8つのハプロタイプとの判別が可能であった。またこれら2つのタイプの塩基置換が, 食肉市場のブタにどの程度の頻度で存在するかを調べるため, 静岡県の食肉センターでと畜されたブタ198頭について調査を行ったところ, Ide5と同じものは0%, Ide8と同じものは1.5%と, 静岡県内の市場では稀なタイプであることが確認された。以上のことから本法は静岡型銘柄豚の識別法として有効な手段となりうることが示唆された。
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