肝機能検査の一つであるBSP色素排泄試験について豚での報告はきわめて少ない。そこで,肥育豚における1ケ月齢から6ケ月齢の加齢にともなうBSP30分停滞率を検討するとともに,肝機能検査の指標とされる血清酵素活性値およびAlb含量との関係についても検討し,以下のような結果を得た。
1. BSP停滞率の月齢別推移
1ケ月齢2.5%から3ケ月齢4.0%にかけて上昇し,3ケ月齢をピークとし,以降は下降し,6ケ月齢では2.5%となった。
2. BSP停滞率と血清酵素活性値およびAlb含量との関係
GPT, ALP, GOTでは,BSP停滞率と異なったパターンの推移を示し,相関関係は認められなかった。しかし,GGTとAlbに関しては,BSP停滞率と同様なパターンの推移を示し,有意な相関が認められた。なお,回帰式と相関係数はそれぞれy=4.55x+15.7(r=0.643,p<0.01),y=0.25x+2.94(r=0.747,p<0.01)となった。
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