日本養豚学会誌
Online ISSN : 1881-655X
Print ISSN : 0913-882X
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48 巻 , 4 号
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総説
  • 上本 吉伸, 小林 栄治, 鈴木 啓一
    48 巻 (2011) 4 号 p. 147-163
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル フリー
    豚集団では,主として品種間交雑集団を用いた量的形質遺伝子座(QTL)解析が行われ,いくつかの形質については,その責任遺伝子が特定されるに至っている。しかしながら,豚の育種改良について考えた場合,改良の対象は一般的には純粋種であるため,交雑集団で得られたQTL情報を純粋種の改良に直接利用できるとは限らない。そのため,QTL情報を純粋種の改良に利用するためには,純粋種内で分離しているQTLを検出する必要がある。日本では,目的形質に関して複数世代育種価を指標とした選抜を行うことで品種ごとに系統豚を造成しており,これらの集団がQTL探索の対象集団として有用であることが期待される。そのため,我々は,宮城県で実施されたデュロック種系統造成集団を用いてQTL解析を行った。用いた集団は宮城県畜産試験場で7年間総合育種価により選抜したデュロック純粋種集団である。選抜形質は一日平均増体量,ロース断面積,背脂肪厚および筋肉内脂肪含量である。本研究では,選抜形質だけでなく,成長形質,体尺形質,枝肉形質,生理的形質および肉質形質などの相関形質についても同時にQTL解析を行った。系統造成集団を用いたQTL解析により,多くの形質で有意なQTLが検出できた。特に,脂肪蓄積関連形質および脂肪酸組成に関しては,効果の大きなQTLが検出されたことから,近傍領域についてファインマッピングを行った。その結果,レプチン受容体(LEPR)遺伝子および脂肪酸不飽和化酵素(SCD)遺伝子が各形質の候補遺伝子として検出された。これらのことから,純粋種内でQTLを探索するにあたっては,系統造成集団が効果的であることが示唆される。また得られたQTLは,純粋種内で分離していることから,直接家畜改良に応用可能であることが期待される。
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原著
  • 岡﨑 哲司, 秋好 禎一, 菅 正和, 手島 久智, 島田 昌之
    48 巻 (2011) 4 号 p. 164-168
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル フリー
    最近,私たちは凍結精液を人工授精するための融解液に精漿を添加することで,人工授精後の胚の着床率が向上することを報告した。そこで,本研究では,精漿含有融解液を用いて,受胎率および一腹産子数などの繁殖成績を明らかとする目的で生産現場を含めた大規模な人工授精試験を試みた。人工授精に用いた雌豚は自然発情のものを使用し,一発情に対して3回の頸管注入による人工授精を実施した。その結果,凍結精液の人工授精で受胎率80.2%,一腹産子数10.1頭,および生存産子数9.2頭と液状精液のそれ(受胎率 ; 73.9%,一腹産子数 ; 10.3頭,生存産子数 ; 9.5頭)と比較していずれも有意な差は認められなかった。また,生産現場での人工授精試験においても受胎率は82.4%,一腹産子数は11.8頭および生存産子数は11.1頭と凍結精液を用いた人工授精は液状精液による人工授精の繁殖成績と同程度であった。以上のことから,精漿を添加した融解液を用いることで凍結精液による人工授精の繁殖成績は実用化レベルにまで改善され,凍結精液技術の普及に有効であることが明らかとなった。
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  • 立川 健治, 大森 英之, 田島 清, 立川 洋, 井尻 哲, 川島 知之
    48 巻 (2011) 4 号 p. 169-176
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,濃厚洗米排水の保存性を改善し,その飼料特性を評価することである。飼料添加物として認められているギ酸もしくはプロピオン酸を用いて濃厚洗米排水の保存方法を検討した。濃厚洗米排水に対して重量比でギ酸を0.3%,0.6%,1.5%,プロピオン酸を0.5%,1.5%,2.7%添加し,25℃で7日間保存して一般生菌,酵母,大腸菌群数を調査した。一般生菌数はギ酸を0.6%以上添加することにより回収直後の菌数を下回った。酵母数はギ酸を0.3%以上あるいはプロピオン酸を0.5%以上添加することにより,回収直後の菌数を下回った。大腸菌群はギ酸,プロピオン酸ともに全ての添加レベルにおいて検出されなかった。以上の結果から,ギ酸を0.6%添加する方法が濃厚洗米排水の鮮度保持方法として最適であると判断した。また,全国5ヵ所の精米工場から濃厚洗米排水を5検体ずつ回収し,化学成分を検査した。工場によって水分は91.6%から94.6%まで変動し,化学成分の含有量にも差がみられた。そのため,濃厚洗米排水を飼料原料として利用する場合は,留意する必要があることが分かった。続いて,消化試験を行い,濃厚洗米排水の消化率を調査した。平均体重25kgのLWD交雑種の去勢豚6頭を供試し,クロスオーバーモデルにあてはめた。試験区は基礎飼料22.2%に水77.8%を配合した対照区,基礎飼料12.5%に濃厚洗米排水87.5%を配合した濃厚洗米排水区とし,両区の飼料の乾物率が20%になるように設計した。濃厚洗米排水の成分ごとの消化率は,粗蛋白質85.7%,粗脂肪85.9%,NFE95.4%,粗繊維35.0%,ADFom42.8%,NDFom86.4%であり,成分と消化率から算出した可消化養分総量(TDN)は原物として6.9%,乾物換算で97.2%だった。この結果より,濃厚洗米排水が飼料原料として十分な栄養価をもつことが明らかとなった。
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