畜産排水における汚水処理システムは,活性汚泥微生物利用による酸化処理が主体であるため,難分解性の色素成分の除去に関しては必ずしも期待通りの処理性能が得られていない。色素成分の除去としてオゾン等を利用した高度処理技術が利用されているが,汚濁成分濃度の高い畜産排水に適用した高度処理技術が求められている。
そこで,処理効率が高い微細気泡オゾンを利用した畜産排水処理水の脱色効果について検討した。試験は,微細気泡と通常の気泡とのオゾン脱色能力の比較と併せて亜硝酸性窒素(以下NO
2-N)による脱色に及ぼす影響をバッチ式の室内規模装置で試験を行った後,豚舎及び乳牛舎汚水を1日当たり12 m
3 処理する連続式の実規模施設において,年間を通じた脱色効果の試験を行った。
バッチ式の室内規模試験において,微細気泡オゾンは通常の気泡より脱色速度が早くなったが,NO
2-N濃度が高い場合に開始時の色度に関係なく脱色速度が低下した。また,連続式の実規模施設試験において,色度平均80.9,BOD3.0 mg/
l,NO
2-N濃度平均29.5 mg/
lで推移した活性汚泥処理水を微細気泡オゾンにより処理した結果,オゾン脱色後の色度は平均5.8まで低下し,年間を通じて安定した脱色効果が確認された。
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