日本養豚学会誌
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50 巻, 1 号
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原著
  • 脇屋 裕一郎, 松尾 俊徳, 高柳 典弘, 卜部 大輔, 河原 弘文, 永渕 成樹
    2013 年 50 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2013/03/11
    公開日: 2013/07/01
    ジャーナル フリー
    畜産排水における汚水処理システムは,活性汚泥微生物利用による酸化処理が主体であるため,難分解性の色素成分の除去に関しては必ずしも期待通りの処理性能が得られていない。色素成分の除去としてオゾン等を利用した高度処理技術が利用されているが,汚濁成分濃度の高い畜産排水に適用した高度処理技術が求められている。
     そこで,処理効率が高い微細気泡オゾンを利用した畜産排水処理水の脱色効果について検討した。試験は,微細気泡と通常の気泡とのオゾン脱色能力の比較と併せて亜硝酸性窒素(以下NO2-N)による脱色に及ぼす影響をバッチ式の室内規模装置で試験を行った後,豚舎及び乳牛舎汚水を1日当たり12 m3 処理する連続式の実規模施設において,年間を通じた脱色効果の試験を行った。
     バッチ式の室内規模試験において,微細気泡オゾンは通常の気泡より脱色速度が早くなったが,NO2-N濃度が高い場合に開始時の色度に関係なく脱色速度が低下した。また,連続式の実規模施設試験において,色度平均80.9,BOD3.0 mg/l,NO2-N濃度平均29.5 mg/lで推移した活性汚泥処理水を微細気泡オゾンにより処理した結果,オゾン脱色後の色度は平均5.8まで低下し,年間を通じて安定した脱色効果が確認された。
  • 千国 幸一, 佐々木 啓介, 本山 三知代, 中島 郁世, 尾嶋 孝一, 大江 美香, 室谷 進
    2013 年 50 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 2013/03/11
    公開日: 2013/07/01
    ジャーナル フリー
    核酸関連物質は食肉のフレーバー形成において重要な役割を果たしている。速筋や遅筋といった筋肉型の違いが食肉中に存在する核酸関連物質の量と構成に影響を与えているかを明らかにするため,筋肉型の異なるブタ筋肉で核酸関連物質の含量を測定した。生体重 80 kg および 110 kg のブタ各 4頭より,と畜後7日目の咬筋(遅筋),横隔膜(遅筋),半棘筋(遅筋),大腰筋(速筋),胸最長筋(速筋),半腱様筋(速筋)の一部を採取し,凍結保存後に分析を行った。ELISA によって測定した遅筋型ミオシン重鎖アイソフォームの割合は体重間で有意差がなく,その値は横隔膜,半棘筋,咬筋,大腰筋,胸最長筋,半腱様筋の順で 56.1,51.5,39.7,24.0,10.2,7.8%であった。イノシン酸(IMP)の含量は速筋型筋肉で有意に高く,その含量は胸最長筋,大腰筋,半腱様筋,半棘筋,咬筋,横隔膜の順で5.28,4.99,4.83,3.28,2.28,2.07 μmol/g であった。また,ATP 分解物質の総量も速筋型筋肉で多く,最終pH は遅筋型筋肉が高い値を示した。これらのことは,死後硬直時に起きる生化学的な ATP 分解反応が筋肉型によって異なり,結果として IMP の含量に違いが生じたことを示唆している。
技術ノート
資料
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