日本養豚学会誌
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50 巻 , 4 号
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原著
  • 脇屋 裕一郎, 大曲 秀明, 卜部 大輔, 河原 弘文, 宮崎 秀雄, 明石 真幸, 永渕 成樹, 井上 寛暁, 松本 光史
    50 巻 (2013) 4 号 p. 147-156
    公開日: 2014/05/01
    ジャーナル フリー
    本研究では,自給飼料原料として大麦の配合割合を15%,製茶加工残さを1%に固定し,玄米の配合割合の違いが暑熱条件下における肥育後期豚の枝肉,肉質等に及ぼす影響を調査した。供試豚は,LWD 去勢豚を用いて,コンクリート平床豚房で各試験区6頭(3頭群飼,2反復)を暑熱期に肥育した。トウモロコシの代替として 2 mm 以下に粉砕した玄米を利用し,玄米を0,10,20,40%にそれぞれ配合した米0%区,米10%区,米20%区,米40%区の4区を設置した。供試豚の肥育後期開始時体重は平均70.9 kg(117日齢)で,110 kgに達した時点でと畜して,枝肉調査,肉質の理化学特性の分析を行った。発育成績について,有意差はみられなかったものの,玄米の配合割合が多いほど飼料要求率は低い値となった。枝肉成績について,枝肉歩留りは米10%区が米0%区と比較して有意に少なく,米20%区,米40%区においても低値を示した。背脂肪厚(背)は米0%区と比較して米10%区で有意に薄くなり(P<0.05),米20%区,米40%区においても低い値となった。肉質成績について,剪断力価は米40%区が米20%区と比較して有意に小さくなった(P<0.05)。保水力,脂肪融点などに顕著な差は確認されなかった。また,背脂肪内層の脂肪酸組成について,パルミチン酸は米40%区が他の試験区と比較して有意に高く,オレイン酸も米40%区が米0%区および米10%区と比較して有意に高くなった(P<0.05)。ロース肉中の遊離アミノ酸含量に顕著な差は確認されなかった。肥育豚の酸化ストレス指標について,玄米を20%以上配合することで,有意差はみられなかったものの暑熱環境下での血漿抗酸化能の低下は抑制され,ロース肉中の過酸化脂質(TBARS)は低値を示した。以上の結果から,肥育後期飼料で,大麦を15%,製茶加工残さを1%に固定し,玄米の配合割合を40%まで増やしても飼養成績,肉質成績に悪影響を及ぼさず,脂肪内層中の脂肪酸組成が変化することが確認された。
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  • 岡﨑 哲司, 知念 司, 當眞 嗣平, 秋好 禎一, 佐藤 邦雄, 生駒 エレナ, 川部 太一
    50 巻 (2013) 4 号 p. 157-163
    公開日: 2014/05/01
    ジャーナル フリー
    ブタの凍結精液による人工授精(AI;artificial insemination)技術は,融解後の運動性の低さが問題となっている。融解精子の低運動性の原因の一つとして,凍結融解刺激に起因する精子の酸化ストレスが挙げられる。そこで,本研究では,抗酸化作用を有する N-acetyl L-cysteine(NAC)に着目し,その融解液への添加が融解後の精子運動性を改善しうるか否かについて検討した。融解液へ 0(control),0.5,5.0 mM の NAC を添加し,融解後 0,1 ならびに3時間後に運動パラメーターである精子運動率,直進速度を測定し,培養3時間後に精子原形質膜および先体膜の正常性を観察した。さらに,NAC が精子 ROS(reactive oxygen species)活性に及ぼす影響を検討するため,Total ROS/Superoxide Detection Kit を用いてフローサイトメーターにて解析した。融解後の精子運動率は,培養3時間において5.0 mM NAC 添加区が control と比較して有意に向上し(P<0.05,24.2 vs. 42.9%),また,この濃度の直進速度は,培養1時間以降で control より有意に高い値を示した(P<0.05,1 hr;22.5 vs. 39.0 μm/s,3hr;16.7 vs. 35.0 μm/s)。両運動パラメーターにおいて,経時的な値の低下が観察されたのはcontrolのみであった(P<0.05)。一方,原形質膜および先体膜の正常性には NAC の添加効果は見られなかった(P>0.05)。5.0 mM の NAC 添加が融解後の精子運動パラメーターを向上させたことから,実際にこの濃度の NAC が精子ROS活性を抑制しているかをフローサイトメーターにて解析した。その結果,control 区においては,ROS の強いシグナルが検出されたのに対し,NAC 添加によりそれは有意に抑制されていた(P<0.05)。これは NAC による直接的な抗酸化作用あるいはグルタチオン合成が刺激された間接的な影響のためと示唆された。以上の結果から,融解液への 5.0 mM NAC 添加は,融解後の精子 ROS 活性を抑制し,運動パラメーターを改善することが明らかとなった。
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  • 勝俣 昌也, 石田 藍子, 豊田 裕子
    50 巻 (2013) 4 号 p. 164-172
    公開日: 2014/05/01
    ジャーナル フリー
    生産現場で栽培した飼料用米の化学組成の情報をえるために,国産飼料資源活用総合対策事業に参加した17協議会から,平成20年と平成21年産の飼料用米(玄米が14品種25サンプル,籾米が10品種17サンプル)を入手して分析した。さらに,保管条件による酸化劣化の程度を明らかにするために,玄米と籾米を28°C相対湿度80%の条件で保管して脂肪酸度の変化を調査し,4°Cで保管したときと比較した。測定したすべての玄米の化学組成と籾米の化学組成のあいだに差があった(P<0.01)。総エネルギー,粗蛋白質,粗脂肪,総リンの含量は玄米のほうが高く,粗灰分,カルシウム,NDF の含量は籾米のほうが高かった。さらに,玄米の必須アミノ酸含量のほうが,籾米の必須アミノ酸含量よりも高かった(P<0.05)。また,調査した玄米と籾米の粗蛋白質含量と総リン含量には正の相関があった(P<0.05)。28°C相対湿度80%で保管すると4°Cで保管するよりも脂肪酸度が高く(P<0.01),玄米として保管するほうが籾米として保管するよりも脂肪酸度が高かった(P<0.01)。28°C相対湿度80%で保管しても,籾米であれば脂肪酸度は変化しなかった。玄米と籾米の粗蛋白質含量と総リン含量の正の相関は,施肥量が多いと粗蛋白質含量が高くなったことを示唆している。保管中の酸化劣化の結果は,常温で保管するなら,籾米で保管するのが望ましいことを示唆している。
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