日本養豚学会誌
検索
OR
閲覧
検索
52 巻 , 4 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
原著
  • 尾上 武, 下川 智子, 日下 芳友, 前田 稔, 齋藤 浩之, 浅田 研一
    52 巻 (2015) 4 号 p. 143-152
    公開日: 2016/03/08
    ジャーナル フリー
    養豚における悪臭の改善には豚舎で顕著に発生する低級脂肪酸の対策が重要である。そこで,保有する515株のバチルス属菌から優れた低級脂肪酸低減能力を有する微生物を選抜し,豚に給与した場合に豚房から発生する臭気の低減効果を検討した。低級脂肪酸添加培地に菌を接種し,各菌株の増殖能を判別して1次選抜したのち,1次選抜株の低級脂肪酸の低減能を測定し,低級脂肪酸を完全に分解できる能力を示した微生物Bacillus thuringiensis D45株を最終選抜した。豚ぷん懸濁液にD45株を接種して好気条件下で培養したところ,低級脂肪酸を低減できた。D45株を飼料に混合して豚に給与しても健康状態に影響はなく,臓器への菌の浸潤は見られず,菌株の給与を停止して1週間経過した豚の直腸ふんからも菌は検出されなかった。採食量や増体重に影響を及ぼすことはなかった。飼料中のD45株菌数を105 CFU/g(生重あたり,以下同)として肥育豚に給与すると豚房で発生する低級脂肪酸の濃度を60%低減できた。飼料中の菌数を106 CFU/gに増加しても低減効果は上がらず,菌数が103 CFU/gでは低減効果が認められなかった。これらのことから,D45株混合飼料の豚への給与は安全性に影響を及ぼすことなく豚房で発生する低級脂肪酸を低減でき,その際の飼料中の最適菌数は105 CFU/gであると判断された。
    抄録全体を表示
  • 纐纈 雄三, 飯田 涼介, Dale POLSON, Gary DIAL
    52 巻 (2015) 4 号 p. 153-160
    公開日: 2016/03/08
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,生産農場における分娩スペース(FS)の使用効率の特徴を明らかにし,FSの使用効率の指標とその因子との関係を調べることである。同一生産ソフトを使用している115農場に,FSの使用についての質問票を送付し, 回答のあった94農場のFSとその農場の繁殖データを統合し分析に用いた。年間FS当たり離乳子豚数の上位25パーセンタイル値を用いて,94農場をFS使用効率による高生産農場と普通農場に分類した。農場繁殖データに加えて,1年間を4週間ごと13期間としたデータを農場ごとに抽出した。さらに農場内バラツキの測定値として,4週間の総種付け数の13期間の平均とその変動係数(CV, %)を求めた。統計分析には相関分析と回帰分析を使用した。平均(±SEM)の年間FS当たり離乳子豚数は97.33±2.70頭,年間FS当たり分娩腹数9.86±1.28腹,そして総種付け頭数CVは12.82±0.79%であった。FS使用効率による高生産農場は,普通農場よりFS当たり42.91頭離乳頭数が多く,FS当たり3.89分娩腹数が多く,4.83%総種付け頭数CVが少なかった。FS当たりの多い離乳頭数は,低い総種付け頭数CV%と高い年間分娩率に関連していた(P≤0.01)。本研究により高いFSの使用効率は,ピッグフローの農場内バラツキにおける交配マネジメントと関係していることが示唆された。
    抄録全体を表示
  • 小林 栄治, 西尾 元秀, 古川 力
    52 巻 (2015) 4 号 p. 161-169
    公開日: 2016/03/08
    ジャーナル フリー
    単純な家系構造を持つ実験家系を分析材料として,DNAマーカーの数がマーカーを用いた近交度評価に与える影響をシミュレーションにより検討した。個体ごとのマーカー近交度は,マーカー数の検討のための反復回数を増加させても,個体ごとのばらつきはほとんど変化しなかった。マーカー数を増加させると,マーカー近交度のばらつきは抽出ごとおよび個体ごとのいずれにおいても小さくなった。また,マーカー近交度による個体間の順序の逆転も少なくなった。一方,多型の程度が異なるマーカーから抽出したマーカー近交度と分析した全てのマーカーから算出したマーカー近交度との相関を検討したところ,一塩基多型マーカーを想定した対立遺伝子数が2個のマーカーからの抽出では,相関係数の平均が0.7を超えたのは70マーカーのときであり,0.8を超えたのは150マーカーのときであった。これに対し,マイクロサテライトマーカーを想定した対立遺伝子数が3個以上のマーカーでは,相関係数が0.7を超えたのは40マーカーのときであり,0.8を超えたのは70マーカーのときであった。さらに,対立遺伝子が4個のマーカーでは,0.7を超えたのは20マーカーのときであり,0.8を超えたのは40マーカーのときであった。以上ことから,マーカー情報を用いて個体ごとの近交度を比較的正確に評価するには,高多型のマイクロサテライトマーカーであれば少なくとも20個のマーカーが必要であり,一塩基多型マーカーであれば70個以上のマーカーが必要であることが示された。
    抄録全体を表示
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top