日本養豚学会誌
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原著
  • 山崎 信, 井上 寛暁, 松本 光史, 高田 良三
    2019 年 56 巻 3 号 p. 97-105
    発行日: 2019/09/30
    公開日: 2019/12/19
    ジャーナル フリー

    暑熱環境下の肥育豚の飼養成績改善の可能性を検討するために,2つの試験を行った。試験1では飼料中リジン含量を要求量の100%および200%に調製した2種類の飼料を,常温(22°C)および暑熱(32°C)環境下の肥育豚に4週間給与した。試験2では暑熱(32°C)環境下の肥育豚に,飼料中リジン含量が要求量の100% (32°C-L100区)および200%の飼料(32°C-L200区),リジン含量が200%の飼料にトレオニンとメチオニンをリジンに対する比率が理想パターンになるように添加した飼料(32°C-LTM区)の計3種類の飼料をそれぞれ4週間給与するとともに,リジン含量が100%の飼料を常温(22°C)環境下の肥育豚に同様に給与した(22°C-L100区)。いずれの試験とも,試験開始前,試験開始2および4週間後に血漿中の遊離アミノ酸濃度を測定した。試験1の結果,飼料摂取量は32°C区が22°C区よりも少なくなる傾向がみられたが,日増体量および飼料効率に飼料中リジン含量および環境温度の影響は認められなかった。血漿中遊離リジン濃度は,試験開始2および4週後においてリジン200%飼料給与区が100%飼料給与区よりも有意に高い濃度となった。試験開始4週後の血漿中遊離リジン,トレオニンおよびメチオニン濃度は,32°C区が22°C区よりも有意に低くなった。試験2の結果,日増体量は32°C-L200区が22°C-L100区よりも有意に低くなった。飼料摂取量および飼料効率は各区間に差は認められなかった。試験開始2および4週後の血漿中の遊離リジン濃度は,32°C-L200区および32°C-LTM区で有意に高くなった。血漿中の遊離トレオニンおよびメチオニン濃度は,試験開始2および4週後において,32°C-LTM区が他区よりも有意に高くなった。

  • 河原崎 達雄, 片岡 岳志
    2019 年 56 巻 3 号 p. 106-118
    発行日: 2019/09/30
    公開日: 2019/12/19
    ジャーナル フリー

    我が国のブタ人工授精の現状を把握するため,人工授精技術の利用率,精液手配の方法,精液の採取,保存,注入方法等について調査した。調査は日本養豚協会が提供する国産豚肉に関する生産情報·豚トレーサビリティサイト(豚トレ)に連絡先を公開している農場に対して,電子メールあるいはファックスにより実施した。母豚を飼育している834農場に対してアンケートを依頼し,19.5% (163農場)の回答を得た。回答農場のうち42.9% (70/163)が人工授精のみ,49.7% (81/163)が人工授精と自然交配を併用して交配を行っていた。人工授精の利用率は母豚の飼育頭数が増加するに従い増加した(P<0.05)。雄ブタ1頭に対する母豚飼育頭数は32.9頭(73,218/2,223頭,162農場)に留まっていた。56.6% (56/99農場)では,精子の運動性や生存性に有害であることが指摘されているニトリルゴム製あるいは生ゴム製の手袋を使用していた。44.8% (64/143農場)では,深部注入器を利用しており深部注入器の使用が進んでいることが確認されたが,従来法と同じ注入精子数,精液量で人工授精が実施されていた。36.7% (55/150農場)で離乳時の定時的なホルモン処理が行われており,そのほとんどはウマ絨毛性性腺刺激ホルモンの単独投与であった。本調査から,ブタ人工授精の普及は大規模農場を中心として進んでいること,深部注入法など新技術を取り入れる傾向はあるが,その利点は十分に生かされていないことが明らかになった。これらのことから,我が国におけるブタ人工授精は,新技術等を有効に活用することにより今後さらに進展させる必要があるものと示唆された。

技術ノート
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