日本養豚学会誌
Online ISSN : 1881-655X
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原著
  • 山口 昇一郎, 金子 和典, 川島 幸子, 竹村 陽, 増本 憲考, 笠正 二郎, 舟橋 弘晃, 吉岡 耕治
    54 巻 (2017) 4 号 p. 155-160
    公開日: 2018/03/14
    ジャーナル フリー

    我々は,豚凍結精液に用いる精液希釈液にカフェインを添加して人工授精(AI)を行うと子宮内に出現する白血球数を抑制し,子宮内の生存精子数を増加させることで繁殖性が向上することを明らかにしている。この技術を応用して,本研究では,カフェイン添加モデナ液を用いて豚液状精液のAIを行うことで一般農場における暑熱期の繁殖性が向上するかについて検討した。供試精液は,約2年間にわたって月に1回,農場の飼養する種雄豚から採取した。適温期(11〜5月)および暑熱期(6〜10月)における平均異常精子割合は,それぞれ20.4%および38.4%であった。AIは,子宮頸管注入式カテーテルを用いて液状精液100ml(注入精子数として平均43億)のみを注入するControl(適温期n=23,暑熱期n=23),精液注入前に50mlのモデナ液を注入するModena区(適温期n=32,暑熱期n=25),同様に50mlのモデナ液に30mMのカフェインを添加したCaffeine区(適温期n=28,暑熱期n=27)とした。暑熱期におけるControlおよびModena区のAI後の分娩率は,適温期に比べて有意に低下した(P<0.05)。Caffeine区では,暑熱期においても適温期と分娩率に差は認められなかった。以上のことから,暑熱期においてカフェイン添加希釈液をAI時に注入することにより精液性状悪化に伴う分娩率の低下を改善できることが明らかとなった。

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  • 山口 昇一郎, 岡本 愛弓, 岡田 徹
    54 巻 (2017) 4 号 p. 161-167
    公開日: 2018/03/14
    ジャーナル フリー

    暑熱期において,種雄豚では精液性状の悪化が問題となっている。本研究では,抗酸化作用を有するアスタキサンチン含有飼料を暑熱期(6〜8月)の種雄豚に給与して,精液性状に及ぼす影響について検討した。試験区は,市販の種豚用飼料を給与した対照区(n=3)と種豚用飼料にアスタキサンチン含有混合飼料を50〜100g添加したアスタキサンチン区(n=4)とした。採取した精液は,モデナ液で希釈し,15℃で保存した。希釈精液は,1,3,5および7日保存後に38℃で培養して継時的な精子運動率を観察した。2か月間アスタキサンチン含有飼料を給与したところ,精子運動率,精液量,精子濃度,総精子数および精子奇形率について対照区と有意差は認められなかった(P>0.05)。また,希釈精液を1,3,5および7日間保存後に5時間まで培養した時には,保存1,3および5日間には試験区間で有意差は認められなかった。しかし,7日間保存後に5時間培養した場合において,アスタキサンチン区の精子運動率が対照区に比べて有意に高かった(P<0.05)。以上のことから,暑熱期の種雄豚へアスタキサンチン含有飼料を給与することにより,液状保存後の希釈精液の品質が維持できることが明らかとなった。

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  • 大小田 勉, 喜田 克憲, 大塚 彰
    54 巻 (2017) 4 号 p. 168-176
    公開日: 2018/03/14
    ジャーナル フリー

    かごしま黒豚の背脂肪厚改善による上物率向上の検討を行うために,まず鹿児島県内の2カ所の食肉処理場における枝肉成績に関する調査を行い,バークシャー種(黒豚,調査対象46,724頭)はバークシャー種以外(白豚,調査対象342,787頭)に比べ,背脂肪厚(厚脂)による格落割合が高く(黒豚28%,白豚13%),上物率は低い(黒豚52%,白豚60%)ことを明らかにした。次に,かごしま黒豚の去勢雄と雌を,単飼−制限給餌下で肥育した場合,あるいは雌雄別群飼−間欠給餌下で肥育した場合でも,去勢雄の方が雌より背脂肪が厚くなることを確認した。次に,肥育後期のかごしま黒豚の背脂肪厚を改善する飼養管理方法の確立を目的とした実証試験を生産農場において行った。TDN76%の黒豚用肥育後期用飼料を体重80kgから間欠給餌した間欠区,同飼料を体重70kgから制限給餌したT76区,TDN70%の黒豚用肥育後期用飼料を体重70kgから制限給餌したT70区の3つの飼養区(30頭/区)を設け,さらに各飼養区にそれぞれ去勢雄群(10頭),雌群(10頭),混飼群(去勢雄5頭+雌5頭)を設けて肥育試験を行った。その結果,厚脂による格落率は去勢雄群で間欠区,T76区,T70区でそれぞれ80%,67%,50%であったが,混飼群では20%,10%,10%となった。上物率も,去勢雄群で間欠区,T76区,T70区でそれぞれ20%,33%,50%であったが,混飼群では80%,80%,70%となった。また,全飼養区において,雌雄別飼条件では去勢雄群が雌群よりも背脂肪が厚かったが(P<0.05),混飼条件では有意差はなかった。これらの結果から,かごしま黒豚の去勢雄は雌よりも背脂肪厚による格落ちが多いが,雌雄混飼にすること,後期用飼料への切替時期を早めること,後期用飼料のTDNを低減させることで,背脂肪厚を改善して上物率を向上させることができる可能性が示された。

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