以上述べた筆者らの高分子固体膜による光学分割の主な結果を図18にまとめた。それぞれの膜の特徴を以下にまとめる。
(+) -ポリ (DPSP) : 幅広い化合物を分割でき, 水以外にメタノール溶媒を使用することで速度を向上できる。特に初期では完全分割が行われる。この膜はΔPには耐えられないがPVやEVに利用でき, 速度を大きく向上できる。拡散性の差で分離される。緻密な膜であることが重要である。
(-) -ポリ (PNBD) : TrpのCPで (+) -ポリ (DPSP) よりも高い透過速度が得られたが, 分割対象が限られ, またΔP, PV, EVでは分離能を示さない。
(-) -OMPS/PMMA : 幅広い化合物を分割でき, 基材が丈夫なPMMAであるので, ΔPやPVに利用でき, 速度を大きく向上できる。ただし, 耐久性にやや不安があり, メタノール溶媒は使用できない。溶解性の差で分離される。
(-) OMPS-グラフト-ポリフェニルアセチレン : たいへん膜の強度が良好で (-) -OMPS/PMMA膜以上の性能が期待できる。
(-) -ポリ (MtCPA) : 主鎖が高度に規則的な高分子であり, 主鎖のキラリティーの有効な利用が望まれる。
(+) -ポリ (Si
2LG) : 主鎖のキラリテイーの影響を受けながら透過できるドメインの構築により選択性が得られたが限界がある。
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