始原的な隕石などの地球外物質には多様な有機物が含まれている.これらの大部分は複雑な分子構造を持つ固体有機物である.バルク的な分析の結果,隕石母天体における水質変質や熱変成により,有機物の分子構造が系統的に変化することが知られている.一方で局所分析からは,このような母天体変成のトレンドから外れるような有機物や,1つの隕石の中でも有機物の分子構造や形状に多様性があること,特定の鉱物との共存関係などが明らかになってきた.このようなnm~µmスケールでの局所分析から,m~km,ひいてはAUスケールでの物質の混合を伴う複雑な有機物の進化過程があることが伺われる.本稿では,このような局所分析・イメージング分析から得られた太陽系形成過程に伴う有機物の起源と進化の知見を,筆者らの研究を中心に紹介する.
火星起源と考えられる隕石の数は170個を超え,それらの多くは13億年前よりも若い結晶化年代を示すが,1984年に南極で発見されたAllan Hills 84001(ALH 84001)は約45億年前という太陽系形成時期に近い結晶化年代を示す.炭酸塩鉱物や有機物を含む斜方輝石岩であるこの隕石は,古い時代の火成活動・水質変成・天体衝突の痕跡,それらの時期や規模に関する情報を与える貴重な隕石である.
あかつき1 mmカメラで昼夜の画像が撮れ始めています.さて,何がみえているのか?ご案内.1 mmカメラは昼夜両方に的があり,昼は0.90 mmで雲による太陽散乱光から雲底高度51 kmの風を狙い,夜は1.01 mm熱放射で活火山探し.さらに0.90-0.97-1.01 mmで水蒸気・表面物性を狙います.
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