日本惑星科学会誌遊星人
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最新号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
特集「新・惑星形成論」
  • 奥住 聡
    2022 年 31 巻 1 号 p. 4-5
    発行日: 2022/03/25
    公開日: 2022/04/15
    ジャーナル フリー
  • 塚本 裕介
    2022 年 31 巻 1 号 p. 6-17
    発行日: 2022/03/25
    公開日: 2022/04/15
    ジャーナル フリー

    2010年代において原始惑星系円盤の形成と初期進化の理解は急速に進展した.ALMA 望遠 鏡を中心としたサブミリ波帯での観測が大きく進展し,形成段階にある円盤やその周囲のエンベロープの詳細な構造が明らかになった.この観測の急速な発展に触発され,観測事実を整合的に説明する理論として弱電離ガスと磁場の適切なスケールでの結合,脱結合,再結合過程の重要性が近年認識されてきた.本稿では,この磁場と弱電離ガスが織りなす原始惑星系円盤の形成と初期進化について基礎的な部分から記述する.

  • 脇田 茂
    2022 年 31 巻 1 号 p. 18-30
    発行日: 2022/03/25
    公開日: 2022/04/15
    ジャーナル フリー

    始原的な隕石に含まれるコンドリュールと呼ばれる粒径物質がある.この形成には初期太陽系星 雲内での瞬間的な加熱現象が必須である.これとは異なる加熱現象が同時期に存在した小天体,微惑星内部では長期間に渡って続く.本稿では初期太陽系内の二つの加熱現象に関するこれまでの研究を簡単に紹介することを試みた.微惑星の熱進化にはその形成年代が非常に重要である一方で,コンドリュールを形成するような加熱現象には微惑星が関わる説が主流となりつつある.コンドリュールを含んだ微惑星の進化過程の解明には,小惑星からのリターンサンプルの分析やより幅広い視点を取り込んだ研究が望まれる.

  • 荻原 正博
    2022 年 31 巻 1 号 p. 31-41
    発行日: 2022/03/25
    公開日: 2022/04/15
    ジャーナル フリー

    系外惑星観測や原始惑星系円盤観測の進展に後押しされ,惑星形成理論は大きな進展を果たし,また地球型惑星形成の理論研究も重要な進歩を遂げた.本稿ではまず,太陽系地球型惑星形成理論モデルの構築にあたり,太陽系のどのような特徴を説明する必要があるのかを簡単に整理する.次に,これまでの地球型惑星形成モデルでは何が説明できているのか,そして新たな惑星形成モデル(主にグランドタックモデルおよび円盤風を考慮した円盤進化モデル)で何が説明できるようになったのかを概括する.更に,太陽系地球型惑星と太陽系外惑星の特徴を比較し,相違点を含めた特徴を説明可能な汎惑星形成理論の構築に向けた今後の展望についても議論する.

  • 堀 安範
    2022 年 31 巻 1 号 p. 42-49
    発行日: 2022/03/25
    公開日: 2022/04/15
    ジャーナル フリー

    探査機CassiniおよびJunoのその場観測によって,木星および土星の大気構造や組成,内部 構造に関する理解が深化した.短周期ガス惑星の存在や直接撮像による遠方ガス惑星の発見とともに,TypeII型惑星移動,そして円盤不安定シナリオの再考と小石集積モデルの台頭に見られるように,木星および土星の形成および軌道進化に対する理論も急速に進展している.そこで,本稿では,最新の観測結果から明らかになった木星および土星の姿を紹介しながら,太陽系のガス惑星形成の現状および未解決な諸問題を整理する.

  • 荒川 創太, 深井 稜汰, 本間 和明
    2022 年 31 巻 1 号 p. 50-67
    発行日: 2022/03/25
    公開日: 2022/04/15
    ジャーナル フリー

    惑星形成論に物質的な制約を与えるという点で,隕石学の情報は特別かつ重要である.近年,質量分析技術の飛躍的な向上によって,原始太陽系星雲に同位体不均質性・二分性が存在していたことが明らかになった.これは太陽系誕生後およそ100万年以内に微惑星形成領域が空間的に二分されていたことの証拠であると解釈されている.本稿では,太陽系の同位体不均質性・二分性の起源について,現在どのようなシナリオが考えられているのか紹介する.また,それらを理解するために必要となるダスト粒子の輸送プロセスおよび微惑星形成メカニズムについても議論する.

  • 植田 高啓
    2022 年 31 巻 1 号 p. 68-77
    発行日: 2022/03/25
    公開日: 2022/04/15
    ジャーナル フリー

    ALMA望遠鏡によって,ミリ波帯での原始惑星系円盤観測が飛躍的に発展した.2014年の長基 線観測運用開始の直後は,数auスケールの高空間分解能を生かし,多数の円盤詳細構造を発見し,個々の天体の特徴付けが行われた.ここ数年は,これに加え,高感度を生かした大規模サーベイ観測によって,円盤の統計データも得られてきている.特に,比較的大きな円盤では,ダスト円盤のリング・ギャップ構造が普遍的に存在することが明らかとなり,詳細構造と惑星形成論を結びつけられるようになってきた.また,ダスト円盤と系外惑星系の統計的比較が可能となったことで,これまで注目されてきた進化中後期(≳ 100万年)の円盤の質量が系外惑星系の典型的質量を下回ることが明らかとなり,惑星形成のスタート地点の理解に疑問を投げかけている.本稿では,ALMAによって得られたダスト円盤の統計データを中心に,円盤観測と惑星形成論の繋がりを概観し,今後のミリ波円盤観測の展望を述べる.

  • 樋口 あや
    2022 年 31 巻 1 号 p. 78-87
    発行日: 2022/03/25
    公開日: 2022/04/15
    ジャーナル フリー

    彗星や隕石の起源であるカイパーベルト天体は,太陽系内で惑星が形成された名残であると考えられており,太陽系の成り立ちを調べる上で重要な研究対象である.このため,隕石の分析や彗星のガス成分の観測,近年では,はやぶさ2 によるリュウグウやOSIRIS-RExによるベンヌの調査,ロゼッタによる67P彗星の直接調査など様々な研究が行われてきた.この塵・岩石で形成される天体群の起源は「デブリ(残骸)円盤」として知られている.デブリ円盤は,太陽系外の若い恒星周りで発見された,主に塵(サイズがマイクロメートルからミリメートル程度の固体微粒子)や岩石(サイズがメートルからキロメートル程度の大きな固体で,塵が集積し形成されたもの)から構成される円盤である.数10-数100天文単位(au)の半径を持つリング状構造をしたものが多く見つかっており,塵の空間分布や既に円盤内で形成された惑星の探査などの研究がなされてきた.しかし近年,デブリ円盤にはほとんどないと考えられてきた「ガス成分」が多くのデブリ円盤で検出され,その起源が注目されている.2013年からは,Atacama Large Millimeter/submillimeter Array(ALMA)望遠鏡による観測結果が続々と出版され,ガスの検出が報告されたデブリ円盤はこれまでに20天体にのぼる.本稿は,近年のデブリ円盤の観測研究の進展について,これまでの研究を振り返り,解説する.

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