■研究背景:近年、日本各地で広まる「
こども
のまち
」というイベントは、2002年千葉県佐倉市の「ミニさくら」に始まり、今や全国で約30地域ほどで継続実施されている地域行事である。各主催団体は、NPOや行政など様々であるため、その開催条件は異なる。しかしながら、そこには様々な地域の人々が関わり、「
こども
のまち
」を共につくりあげている。
■研究目的と方法:本研究では、「
こども
のまち
」を手伝うスタッフがどのような意識を持って関わっているのかを探ることを目的とする。そこで、全国各地の「
こども
のまち
」のイベント当日に行った、スタッフへのアンケート調査を基に、その意識を分析した。
■結果:その結果、大きく3つのことが明らかになった。まず1つ目は、関わるスタッフ自身も「
こども
のまち
」というイベントを楽しんでいたことである。2つ目として、関わるスタッフは、子どもの意志を尊重する関わり方を理解しつつも、模索しながら実践する様子がうかがえた。そして3つ目は、「
こども
のまち
」の手伝いは大変ではありながらも、そこに各自なりの意義を見出しており、来年もスタッフとして参加したいという意志も見られた。以上3点より、遊びに来る子どもだけでなく、関わるスタッフも「
こども
のまち
」を「遊ぶ」姿勢が見られるのではないかと考察した。
抄録全体を表示