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クエリ検索: "こめ油"
88件中 1-20の結果を表示しています
  • 食品成分添加の影響について
    吉松 藤子, 浜野 美代子, 松元 文子
    家政学雑誌
    1967年 18 巻 3 号 163-166
    発行日: 1967/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    添加成分及び揚げ種の揚げ油の比粘度及び色の変化に及ぼす影響は次の通りである。
    (1) 比粘度の変化は
    こめ油
    よりやし油が大きく、
    こめ油
    では澱粉、MSG、醤油、砂糖の影響が大きく、やし油では醤油、食塩、澱粉、5'-IMPの影響が他の成分より大きいことが明らかとなった。揚げ種による変化は
    こめ油
    、やし油共馬鈴薯の方が卵白豆腐より影響が大きかった。
    (2) 色の変化は比粘度とは逆にやし油より
    こめ油
    の方が大きく成分としては、
    こめ油
    では澱粉、MSG、砂糖、やし油では醤油、食塩、澱粉の影響が大であった。揚げ種による変化は、
    こめ油
    では馬鈴薯の方が、やし油では卵白豆腐の方がそれぞれ甚だしかった。この結果から色に及ぼす影響は単独成分よりも揚げ種の方が大であることが明らかになった。
    (3) 揚げ油の官能テストについては、添加食品成分、加熱時間の如何に拘らず、
    こめ油
    、やし油いずれも前報の結果と一致した。又いずれの油についてもTBA値と比粘度の間に比例的な関係のある事を認めた。
  • *早川 文代, 風見 由香利, 神保 聡子, 浦田 貴之
    日本調理科学会大会研究発表要旨集
    2015年 27 巻 2D-a2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/08/24
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    こめ油
    は米糠を原料とし,稲の有効利用という利点に加え,風味のよさや健康に対する有益性から,市場では高価格で取引されている.さらに,加熱による酸化重合物の生成が少なく,また,油酔いしにくいことも知られている.すでに演者らは,未加熱の
    こめ油
    は後味が残りにくく,甘い香りやまろやかさが特徴的であることを示した(文献1).本研究では,加熱した
    こめ油
    の油脂風味の特徴を官能評価によって明らかにした.
    【方法】
    こめ油
    ,とうもろこし油,なたね油,パームオレイン油,大豆油の市販あるいは業務用同等品を用いた.各油を180℃で0,60,120分間加熱し,試料油とした.試料油の性状として,脂肪酸組成,カルボニル価(CV),極性化合物(PC) 量等を測定した.油脂風味の強度の評価にはTime-Intensity(TI)法を用いた.訓練されたパネリスト8人が,試料0.3gを口に入れ,180秒後まで可動域10cmのTIスイッチで継続して評価した.波形から,最大強度,最大強度の時間,曲線下面積,全応答時間,30,60,90,120,150秒における強度を算出した.油脂風味の質の評価は,定性的なプロファイリング法を用いた.120分加熱の5種の試料油をテイスティングし,44語の候補用語から多肢選択で評価させた.
    【結果】加熱時間に伴って試料油のCVは増加し,
    こめ油
    以外の試料油4種のPC量は増加したが
    こめ油
    は増加しなかった.
    こめ油
    は,いずれの加熱時間の試料でも,口に入れてから60秒以降の油脂風味の強度が低く,後味の残りにくい油であることが示された.また加熱時間に伴う最大強度の増加はみられず,加熱に対する安定性の高さが示唆された.さらに,油脂風味の質の評価から,加熱した
    こめ油
    の特徴は、甘い香りや香ばしさであることが示された.(1)早川他,調理科学,47,333-340 (2014)
  • 竹下 安日児
    生活衛生
    1969年 13 巻 1 号 20-23
    発行日: 1969/02/20
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
  • 村上 誠, 竹永 博, 細川 明, 志賀 徹
    農業機械学会誌
    1992年 54 巻 5 号 103-106
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 早川 文代, 風見 由香利, 神保 聡子, 浦田 貴之
    日本調理科学会誌
    2014年 47 巻 6 号 333-340
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/01/09
    ジャーナル フリー
    官能評価によって,大豆油,なたね油,とうもろこし油,パームオレインとの比較で,未加熱
    こめ油
    の風味のプロファイリングを得た。8人の訓練パネルが,大豆油を最大値のリファレンスとして,残り4種の試料油のTI評価を行った。得られたTI曲線とTIパラメータから,食べている間の風味の時間変化の特徴が示された。
    こめ油
    の風味強度は中程度であったが,強度の低下が早く,長く残らないという特徴を示した。さらに,9人の訓練パネルが,35候補用語から各試料油に該当する風味用語を選択するという方法で風味の質について評価した。データをコレスポンデンス分析に適用し,試料油の風味マップが得られた。ここから
    こめ油
    の風味の特徴は,甘い香りとまろやかさであることが示された。
  • *神保 聡子, 浦田 貴之, 風見 由香利, 早川 文代
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
    2014年 66 巻 3P-30
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/10
    会議録・要旨集 フリー
    目的 
    こめ油
    は米糠を原料とする油脂で,加熱による酸化重合物の生成が少なく,また,油酔いしにくいことが知られている.加熱後の風味のよさからも市場では高価格で取引されているが,その官能特性は定量的には明らかにされていない.本研究では,前報告に続き,官能評価の一手法であるTime-Intensity法によって,加熱した
    こめ油
    の風味強度の特徴を調べた.
    方法 180℃まで加熱した
    こめ油
    ,とうもろこし油,なたね油,パームオレイン油を試料とし,訓練された8人のパネリストに油の風味強度を評価させた.試料0.3gを口に入れ,180秒後まで,油の風味強度を可動域10cmのTIスイッチで継続して評価させた.波形から,最大強度(Imax),最大強度の時間(Tmax),TI曲線下面積(AUC),全応答時間(Ttot),30,60,90,120,150秒における強度(I30,I60,I90,I120,I150)を算出した.
    結果
     強度に関するパラメータは,いずれの時間においても,なたね油が高く,未加熱油とは異なる傾向であった.
    こめ油
    は,Imaxは中程度で,60秒以降の強度が低く,後味の残りにくい油であることが示唆されたが,その傾向は未加熱油ほど顕著ではなかった.また,各TIパラメータを変量として主成分分析を行ったところ,未加熱油と同様に,第1主成分は「風味の強さ」,第2主成分は「風味の早さ」と解釈するマップが得られ,加熱
    こめ油
    の風味の摂食中の時間的な特徴を示すことができた.
  • *早川 文代, 風見 由香利, 神保 聡子, 浦田 貴之
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
    2014年 66 巻 3P-29
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/10
    会議録・要旨集 フリー
    目的 
    こめ油
    は米糠を原料とする油脂で,稲の有効利用という利点に加え,酸化安定性の高さや,さらっとした風味から,市場ではプレミアムオイルとして高価格で取引されている.しかし,その官能特性は定量的には示されていない.そこで本研究では,官能評価の一手法であるTime-Intensity法によって,未加熱の
    こめ油
    の風味強度の特徴を明らかにすることを目的とした.
    方法 製造直後の
    こめ油
    ,とうもろこし油,なたね油,パームオレイン油を試料とし,訓練された8人のパネリストに油の風味強度を評価させた.試料3.3gを口に入れて10秒間口に含んだ後吐き出し,180秒後まで,油の風味強度を可動域10cmのTIスイッチで継続して評価させた.波形から,最大強度(Imax),最大強度の時間(Tmax),TI曲線下面積(AUC),全応答時間(Ttot),30,60,90,120,150秒における強度(I30,I60,I90,I120,I150)を算出した.
    結果 強度に関するパラメータは,いずれの時間においても,とうもろこし油が高かった.また,Imaxはパームオレイン油が最も低かった.
    こめ油
    は,Imaxは中程度であるが,Imax後の強度の低下が早い傾向にあり,後味の残りにくい油であることが示唆された.また,各TIパラメータを変量として主成分分析を行ったところ,第1主成分は「風味の強さ」,第2主成分は「風味の早さ」と解釈できるマップが得られ,
    こめ油
    の風味強度の摂食中の時間的な特徴を示すことができた.
  • 食品成分添加の影響について
    吉松 藤子, 浜野 美代子, 張 恵英, 松元 文子
    家政学雑誌
    1965年 16 巻 3 号 123-126
    発行日: 1965/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    こめ油
    とやし油を用い、これに各種食品成分を添加して加熱した場合の油に及ぼす影響を、酸価及びTBA値の測定により検討した結果を要約すると、次のようである。
    (1) やし油は
    こめ油
    に比較し、いずれの試料を添加、加熱した場合も油の変化が甚しい。この事が従来やし油が長時間の加熱料理である揚げ物に適さないと云われる理由のようである。
    (2) 加熱油に水25%加えた場合の酸価、TBA値に及ぼす影響は最も小さく、同量の水を伴う各種添加食品成分の影響はいずれも大きい。
  • こめ油とサフラワオイルの混合
    鈴木 慎次郎, 大島 寿美子
    栄養学雑誌
    1970年 28 巻 1 号 3-6
    発行日: 1970年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    過去の実験成績から, 脱コレステロール作用の強い植物油の中で, 不鹸化物の有効な油の代表として
    こめ油
    を, リノール酸の有効な油の代表としてサフラワオイルをとりあげ, 両者を比を変えて混合し人体試験を行なった結果, 次のような成績をえた。
    混合油の有効性は混合比により著しく異なり, 混合比によっては両原油それぞれの有効性より著しく高くもなるし, 逆に低くもなることがわかった。即ち,
    こめ油
    及びサフラワオイルそれぞれ単独の場合の脱コレステロール作用は-15%及び-13%であったが, 両者の混合比7:3の混合油では-26%というかつてない著しい有効性を示し, 5:5の混合油では-11%と有効性はかえって低下した。
    この現象は極めて興味深いので今後更に追試する予定である。
  • こめ油の影響
    鈴木 慎次郎, 手塚 朋通, 梶原 寿美子, 久我 達郎, 三谷 光雄
    栄養学雑誌
    1962年 20 巻 4 号 139-141
    発行日: 1962年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    The previous papers have reported that the vegetable oils generally have no rising effect of serum cholesterol level, moreover safflower, corn, sunflower oils lowered distinctly its level.
    In this report the rice oil which expression is specially conducted abundantly in Japan is put to the test.
    The rice oil showed a remarkable lowering effect supposed much more than three kinds of oils above mentioned.
    This effect may be attributed to its unsaponifiable matters, because its linoleic acid content is only 36% that is much less than the other oils' and the cholesterol lowering effect of the rice oil is different by the refine methods.
  • 永塚 貴弘, 西田 浩志, 仲川 清隆, 宮澤 陽夫
    オレオサイエンス
    2017年 17 巻 6 号 261-268
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/08/05
    ジャーナル フリー

    こめ油
    には不飽和ビタミンEトコトリエノール (T3),フェルラ酸(FA),γ-オリザノール, 植物ステロールなどの食品成分が豊富に含まれていることから,
    こめ油
    の健康機能性が注目を集めている。 我々はT3の抗血管新生やテロメラーゼ阻害を報告し,T3が高い抗がん作用を有することを明らかにしてきた。T3は4種の異性体の間で生理活性の強さが異なり,δ-T3が最も高い抗がん効果を示す。T3は通常のビタミンEであるトコフェロールと比較してバイオアベイラビリティが低いため,T3の生理活性を相乗的に高める化合物が精力的に探索されている。本総説では,
    こめ油
    成分であるT3とFAを活用した相乗的ながん抑制作用について紹介する。

  • 上村 光男
    油化学
    1966年 15 巻 5 号 193-198
    発行日: 1966/05/20
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
  • 竹永 博, 河又 虎好, 細川 明, 森嶋 博, 瀬尾 康久
    農業機械学会誌
    1991年 53 巻 6 号 83-91
    発行日: 1991年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    未利用資源の有効利用を考え, 精米加工プロセスで副産物として発生する糠を選び,
    こめ油
    の精製に必要なエネルギ評価を行った。エネルギ解析の方法として,
    こめ油
    精製工場現場の必要エネルギを聞き取り調査し, この値を目標に実験を行い, かつ実験装置でのエネルギをパーソナルコンピュータを用いて計測し, 評価した。
    実験の結果, 原油1トンを精製するのに必要なエネルギは3944MJであった。精製油の回収率は53.66%であったので, 精製油1トンを得るのに7350MJのエネルギを必要とした。精製工場現場では原油1トン当りのエネルギ消費量は3152MJで, 回収率は70%であった。規模の違い, 省エネ対策, 回収率の違いから考えて妥当な値と思われた。
  • 試作マーガリンの影響 (4) パントテン酸およびB6添加の影響
    鈴木 慎次郎, 大島 寿美子, 寺田 喜己男
    栄養学雑誌
    1964年 22 巻 1 号 3-4
    発行日: 1964/01/30
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    The serum cholesterol lowering effect of trial margarines made of rice-bran oil enriched with vitamin B6 and calcium pantonate was observed.
    The compositions of five kinds of the trial margarines were as follows:
    No. 1. Rice-bran oil 75% & hydrogenated rice-bran oil (38°C).
    No. 2. The same enriched with B6 1.5mg as daily dose.
    No. 3. The same enriched with B6 3.0mg as daily dose.
    No. 4. The same enriched with calcium pantonate 10mg as daily dose.
    No. 5. The same enriched with calcium pantonate 20mg as daily dose.
    Both No. 3 and No. 5 margarines enriched with B6 3.0mg or calcium pantonate 20mg were more effective than the other margarines.
  • 油量、加熱時間、加熱温度について (その2)
    吉松 藤子, 浜野 美代子
    家政学雑誌
    1968年 19 巻 4 号 279-282
    発行日: 1968/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    加熱容器を一定にし油量、加熱時間、加熱温度を変えた場合、
    こめ油
    の比粘度と色におよぼす影響は次ぎのとおりである。
    (1) 比粘度の変化は加熱温度、油量、加熱時間の順に影響が大きく、加熱温度は160℃~180℃及び220℃~240℃の間で著しい変化を示した。
    (2) 色の変化は比粘度と同じ傾向を示した。
  • 小麦胚芽油と落花生油の影響
    鈴木 慎次郎, 手塚 朋通, 久我 達郎, 大島 寿美子
    栄養学雑誌
    1964年 22 巻 6 号 179-181
    発行日: 1964年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    Sixty grams per day of wheat-germ oil, or peanut oil were fed to 17 healthy young girls for a week. Bloods were sampled before, after and during the oil feeding period for a total of 4 times, and the blood samples thus obtained were analyzed for cholesterol content.
    The fatty acid compositions of both oils were investigated by Gas-Liquid-Chromatography.
    The serum cholesterol level decreased by 16% in case of the wheat-germ oil and 1% in the peanut oil.
    Considering the linoleic acid contents of these oils and other oils which effects had been observed in the previous reports, the cause of serum cholesterol lowering effect may be attributed not only to their linoleic acid content, but also to their unsaponifiable matters.
    Especially the unsaponifiable matters of germ oil for instance, of rice bran oil, corn oil and wheat-germ oil, seem to have a marked cholesterol lowering effect. Further investigation on unsaponifiable matter will be of importance.
  • 私の選んだ3大機能性農産物
    松山 善之助
    美味技術研究会誌
    2002年 2002 巻 1 号 19-22
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • *高橋 由希
    日本調理科学会大会研究発表要旨集
    2016年 28 巻 1B-a2
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/08/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】「コク」とは厚み、広がり、芳醇性、奥深さ、増幅感、重量感、持続性後味、まろやかさが口腔内で感じる感覚と言われている1)。従来、ゼラチン2)や酵母エキス3)等を添加した際にコクが増強されることが知られている。本研究では、ゼラチンの分子量に着目し、ゼラチンを酵素分解し、分子量の違いによるコク増強効果について鰹だしやチキンスープ、牛乳等で確認した。その中でも、牛乳への効果が高く、牛乳のコクは乳脂肪分に関係4)することから、乳脂肪感に着目し比較検証をした。
    【方法】1.ゼラチン及び分子量の異なるコラーゲンペプチドを牛乳に添加し、「乳脂肪感」について官能評価をした。2.全脂粉乳と脱脂粉乳から作成した乳脂肪分0、1、2、3%溶液を指標とし、乳脂肪分1%の溶液に、コラーゲンペプチド、ゼラチン、酵母エキスを添加し味覚センサーと官能評価により比較した。
    【結果】1.官能評価の結果から、平均分子量2,000~3,000のコラーゲンペプチドを添加した試料に、厚みや乳脂肪感といったコクを感じることができた。2.味覚センサーの結果では、平均分子量2,000~3,000のコラーゲンペプチドには、乳脂肪分の配合量を増やしたときと同様の乳脂肪感の増加効果があり、官能評価と同様の結果となった。以上のことから、ゼラチンを酵素分解した平均分子量2,000~3,000のコラーゲンペプチドには、乳脂肪感に対するコク増強効果が示唆された。
    1)日本調理科学会誌,43,327-332(2010) 2)日本調理科学会誌 ,36,55-62(2003)
    3)日本醸造協会誌,102,520-526(2007)  4)農業機会学会誌,75(1),37-44(2013)
  • 糸山 隆一, 石原 克之, 杉原 直子, 佐久間 塁, 羽藤 公一, 古賀 秀徳
    日本食品科学工学会誌
    2015年 62 巻 9 号 454-460
    発行日: 2015/09/15
    公開日: 2015/10/31
    ジャーナル フリー
    植物油脂を原料として使用する食品加工企業においてその品質評価は重要であり,AV,POV,カルボニル価などの測定法が確立されている.一方,味に関しては,揚げ加工された製品の官能評価が一般的であり,植物油脂自体の味を少量で,人に頼らず,客観的に評価できる方法が求められている.そこで本研究では植物油脂から味覚センサーに反応する成分をエタノールで抽出する方法を検討し,味認識装置を用いた植物油脂の識別と分類を試みた.
    まず,サフラワー油,ナタネ油,パームオレイン油,米サラダ油,圧搾米油,大豆油の6種類の植物油脂を用いて100% (v/v)エタノール抽出法,70% (v/v)エタノール抽出法,2段階希釈エタノール抽出法により抽出液を調製し,味認識装置で測定した.8つの味覚項目の測定誤差率(m2)が50%以下の場合に「識別できた味覚項目」とした.その結果,2段階希釈エタノール抽出法において6項目と最も良好な結果が得られた.さらに,同じ植物原料由来でより近縁な油種として3種の米油(米サラダ油,米胚芽油,圧搾米油)の識別方法を検討したところ,2段階希釈エタノール抽出法の後半にろ過工程を追加することにより再現性が向上することが分かった.
    この2段階希釈エタノール抽出ろ過法により,前述の6種類にゴマ油,オリーブ油を加えた8種の植物油脂の分類を試みた.測定した8つの味覚項目の味評価値をクラスター分析した結果,官能に基づく油脂の風味のポジショニングイメージとよく一致した.一方,実験に供した油脂のAV,POVをクラスター分析した結果は味認識装置での結果と全く一致しなかった.
    以上のことから今後,製油企業や食品加工企業などで味認識装置を官能検査に代わる新たな植物油脂の評価法として利用できる可能性が示された.
  • 秋谷 年見
    食品衛生学雑誌
    1969年 10 巻 5 号 307-311
    発行日: 1969/10/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
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