一辺寸法
d=1~8mmの○△□◇の穴あけを行なつて,推奨条件を設定するとともに,すみ存在の影響について調べた.はく離,亀裂については第2報の切欠きのばあいとほとんど同じ結果がえられた.すみの推奨条件も同報と同じである.
1)すみに生じるはく離長さは12
t以下である.辺に生じるものはこれより大きく,ほぼ辺の中央で最大となり,
dと
tが大きくなるに伴つて増す.小穴でははく離部分の外形は円に近似できる.
2)1)の結果から必要なさん幅が求まる.近接する穴は同時に穴あけしなければならぬ.
3)丸みをつけないすみには亀裂を発生する.
tと
dが増し,θが小さくなるほど亀裂が発達し,長さは3mmにもなる.Rを0.3mm以上にとると発生率はへり,とくに
t=0.25mm以下では5%以下となる.亀裂発生はポンチかどのくさび作用による.
4)穴寸法は
tが増すほど小さくなる.よく用いられる
t=0.2~0.3mmでは,直辺部ではポンチ寸法より小さい.すみ部分はポンチ寸法より大きく,丸みをもつて入り込んだ形となる.
5)
せん断
抵抗
ksは
tおよびtが小さくなると,寸法効果とすみ存在の影響が大きくなるために増す.
6)すみの局部的な
せん断
抵抗は非常に大きいので,
dが小さいときには,打抜き荷重
Pはすみの数が影響して多角形ほどやや大きい.○もRなしの多角形に近いので,小円弧は直線部分よりも
ksは大きいといえる.しかし,丸みのないすみ局部のものよりも小さいので,すみにRをつけると全周平均の
ksは下る.その低下は10~20%であった.
7)スリットでは短形の長さが支配的で,また辺の細長比を増すと,同じ周囲長さの口よりも
ksは増す.
8)ポンチ食込み深さ(%)は
tが増すと減少する.
dが増すと増し,すみの数が増すとややふえる.
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