つる被害の実態と被害発生の機構を解明するため, 7年生から71年生までのヒノキ人工林7林分について,つる被害の割合と形態,さらにその被害木の材解析を行った。植栽木のつる被害は,観察時に
つる植物
によって被害を受けているもの(現在の被書)と,過去に
つる植物
によって被害を受け,今なおその影響を受け続けているもの(過去の被害)に大別され,林冠閉鎖後は,後者が主体であった。巻き付き型
つる植物
による被害発生の過程は,幹への食い込み,幹への巻き込み,肥大,そして,これらのことが原因となって植栽木の幹折れ,幹曲がりあるいは二股形成と進む。食い込み段階以降では
つる植物
が取り除かれても,幹材部に異常成長が生じ,外観的には肥大などとして,長期にわたりその影響が続き,木材の材質あるいは利用価値の低下をまねく。とりわけ,梢端部の食い込みの影響は大きく,それによる被害は顕著であるから,早期につる切りにより取り除く必要がある。
抄録全体を表示