本研究では、スポーツやギャンブルの場面において知覚される“流れ”概念を対象とし、その知覚要因を検討するための因子分析を行った。様々な場面における“流れ”について、多くの人がその存在を信じている。また、この“流れ”は、状況の体験、観測などによって知覚され、人物の意思決定に影響を与えると考えられた。しかしながら、このような“流れ”については、明確な定義が与えられていなかった。また、運や“ツキ”、ランダム系列の誤認知などとの関連についても明らかではなかった。そこで、本研究においては、“流れ”がどのような要因によって知覚されるのかについてアンケート調査を行い、“流れ”の知覚度を7段階で評価させた。分析の結果、「個人の受動的な運」、「協調的集団内の相互作用」、「麻雀」の3つが因子として抽出された。また、“流れ”については、個人的な“流れ”と社会的な“流れ”に分類できる可能性が示唆された。
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