本稿では, はじめに, 「女性にみる結婚の意味を問う」うえでの検討課題を整理する。たとえば, 結婚の意味を問う「女性」とは誰のことか?女性たちの多様な結婚観をどのように類型化するか?現代日本は, 晩婚化・未婚化と言えるのか?など。そのうえで, 既存の官庁統計, インターネットからの情報, 学生たちへのアンケートやシングル・マザーの友人たちからの聞き取りデータをふまえて, 未婚女性にみる結婚の意味について考察する。明らかになった興味深い点をいくつか列挙すると, 以下のとおりである。 (1) 結婚情報におけるジェンダー格差が顕著であること。 (2) 女性の場合, 独身生活の利点が男性よりも高く, 理想の結婚相手へのこだわりが男性よりも高い分, 独身生活から結婚生活へ乗り換えるという選択が男性以上に難しいこと。 (3) 現代女性の結婚イメージの中には, 前近代的な結婚イメージ, 近代的な結婚イメージ, ポスト近代的な結婚イメージが混在していること, など。
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