高純度テルルおよび関連精製過程産物を対象とした,微少量セレンの光度法およびケイ光X線法による定量分析を検討した.要点は次のとおりである.
(1)光度法:金属テルルをクエン酸の共存のもとで硝酸に溶解し,EDTAで銅および鉄などをいんペいして,pH2.5でセレンのジアミノベンジジン錯塩を生成させ,この錯塩をpH6でトルエンに抽出し,吸光度またはケイ光輝度によって光度定量する分析法を確立した.本法の定量下限は吸光度法では1ppm,ケイ光法では0.2ppmである.
(2)ケイ光X線法:対比型検量線法によって,0.01~5%範囲のセレンのケイ光X線粉末法を検討し,光度法の分析結果と比較したが,適用可能範囲ではX線法が迅速性と再現性の点で有利であった.セレン濃度が0.05,0.5および2.5%の場合の分析値の変動係数は,それぞれ6,3および1%の程度である.
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