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79件中 1-20の結果を表示しています
  • 中山 穂孝, 尾崎 瑞穂
    地理学論集
    2019年 94 巻 1 号 1-10
    発行日: 2019/01/29
    公開日: 2019/04/30
    ジャーナル フリー

     本稿の目的は,和歌山県新宮市を事例に,地域の歴史文化にまつわる観光資源の特徴とその活用方法,及び課題などを,観光に関わる人々への聞き取り調査と,観光施設・観光客へのアンケート調査等によって明らかにし,新しい観光の可能性について考察することにある。

     日本のマスツーリズムは高度経済成長期に拡大したが,その後,マスツーリズムへの反省からニューツーリズムが生まれ,1990 年代以降徐々に拡大している。このニューツーリズムの中に,本稿で取り上げる文化観光がある。文化観光とは,日本の歴史,伝統といった文化的な要素に対する知的欲求を満たすことを目的とする観光形態をさし,本稿の事例地である和歌山県新宮市はこの文化観光を官民により実践している都市である。新宮市には,文化観光の振興に資する歴史文化的な観光資源が豊富である。しかし,これらの観光資源の中には,大逆事件など地域の暗い歴史に関するものもあり,他の観光地では必ずしも観光資源として捉えられていないものも多い。本稿では,こうした観光資源の活用方法に注目する。

     具体的には,西村記念館や佐藤春夫記念館,中上健次資料収集室といった施設の管理担当者への聞き取り調査と,これら施設を訪問した観光客へのアンケート調査を実施し,新宮市に縁のある文化人の作品などを通じて新宮市や熊野地域の歴史文化を学ぼうとする観光客が一定数訪れていることがわかった。また,大逆事件などの暗い過去についても,その歴史を検証することにより,観光資源として活用していこうとする地域の実践があることも明らかになった。これらの観光資源との関係で,講演会や学習ツアー,あるいは観光者自身によるフィールドワークなども企画されており,新しい文化観光の形態を創出している。

     一方,いくつかの問題点も指摘できる。新宮市の観光に関わる多くの人は,新宮市民が地域の歴史文化により興味を持つことが重要であり,学校や家庭,地域における若い世代への教育を充実させる必要性を指摘している。市民が新宮市の持つ歴史文化的な魅力に気付かないことには,観光客にもその魅力を広めることは難しいという認識は共通している。文化観光という新しい観光形態と地域の歴史文化の教育・伝承をいかにリンクさせるかが,今後の課題となるであろう。

  • 岡本 健
    日本情報経営学会誌
    2012年 32 巻 3 号 59-71
    発行日: 2012/05/18
    公開日: 2017/08/07
    ジャーナル フリー
    This paper present how to manage Tourism Resource (TR) in Tourist Leading Contents Tourism (TLCT). This research adopts analysis of two cases of Anime Pilgrimage, in particular, dealing with Town Washimiya as Sacred Place for "Lucky☆Star" and Town Toyosato as Sacred Place for "K-ON!". As a result, Area Expansion Model (AEM) and Area Concentration Model (ACM) as TR in TLCT are proposed.
  • 特集ー京アニ事件の深層
    土居 豊
    こころの科学とエピステモロジー
    2021年 3 巻 1 号 105-116
    発行日: 2021/05/08
    公開日: 2021/05/25
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
  • ~アニメ聖地巡礼行動の事例分析から~
    *岡本 健
    日本社会情報学会全国大会研究発表論文集
    2009年 24 巻
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/02/26
    会議録・要旨集 フリー
    This paper shows impact of informatization on tourist behavior in Japan. This research adopts analysis of "Anime Pilgrimage" in order to accomplish the above mentioned objective. Recently, in Japan, some of anime fans make "Anime Pilgrimage" which is a kind of tourist behavior. It would appear that this behavior was affected by informatization strongly. As a result, it was found that "Anime Pilgrim" was affected by informatization not only before "Anime Pilgrimage" but also throughout "Anime Pilgrimage".
  • —鎌倉市を事例に—
    劉 聡聡, 武 正憲, 伊藤 弘
    観光研究
    2021年 33 巻 3 号 125-133
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/06/04
    ジャーナル フリー

    本研究は,鎌倉市を事例に,中国人観光者の観光行動と行政による観光推奨ルートを比較し,共通点と相違点からそれぞれの特徴を把握した。中国人観光者の観光行動は旅行口コミサイトの旅行記をもとに,聖地訪問者は「鎌倉高校前」に集中すると同時に,海側へ偏る傾向が示された。非聖地訪問者は山側と海側の両方を観光している傾向が示された。鎌倉市行政推奨ルートは公式モデルコースとパンフレットをもとに,山側へ偏る傾向があることと,山側と海側の観光資源を別々に取り扱っていることが確認できた。山側と海側を結ぶ観光ルートの新設が,鎌倉市の地理的な特徴を活かしつつ,聖地訪問者による集中の回避策として期待される。

  • *根本 忠明
    経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
    2013年 2013f 巻 A1-2
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/03
    会議録・要旨集 フリー
    これまで地域活性化に貢献するメディアとして注目されてきたのが、映画やテレビのロケ地を訪問するロケ巡りであった。それが、アニメの舞台になった地区を訪問する聖地巡礼が、こここ数年大きな注目を集めている。本研究では、地域活性化の手段として、アナログ時代からロケ地巡りとデジタル・ネット時代の聖地巡礼までのメディア効果の特徴について報告する。
  • 雪村 まゆみ
    アニメーション研究
    2023年 23 巻 1 号 89-100
    発行日: 2023/01/31
    公開日: 2023/02/11
    ジャーナル フリー

    アニメ聖地巡礼の世界的な人気を背景に、その経済効果を期待している地域社会も多い。本研究の目的は、アニメ聖地巡礼がアニメーションをめぐるアート・ワールドをいかにして地域社会のなかで拡張していくのか、検証することである。まず、ロケハンや遠近法の開発を事例に、キャラクターだけでなく背景美術への着目度が高まったことを明らかにした。つぎに、能動的オーディエンスは、聖地巡礼の興隆以前からアニメーションの視聴にとどまらない消費を雑誌上で行ってきたことを指摘した。背景美術が着目されることで、聖地巡礼が盛んにおこなわれるようになったが、それは日常のありふれた場所であることも多い。現実空間と作品を結びつけることで、そこに新たな文化的価値が創出される。アニメーションをめぐるアート・ワールドが地域社会と重なり合いながら醸成していくことで、開発によって失われていた地域社会における中心が取り戻されようとしている。

  • 毛利 康秀
    コンテンツツーリズム学会論文集
    2015年 2 巻 24-36
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/05/28
    ジャーナル フリー
    本稿は、コンテンツツーリズム領域における実証的データの一層の積み増しを目指して、アニメーション映画「耳をすませば 1 」のモデル 地とされる東京都多摩市聖蹟桜ヶ丘 2 を事例とし、同地を訪れたファンを対象 に行った アンケート調査を通して、モデル地訪問行動の実態ならびに他 の 作品の受容についての把握を試みた。 調査の結果、多 摩市を訪れる「耳をすませば」ファンは年間1万人以上に達すると推定される。女性が約 6 割、 30 歳以下の若い世代が 9 割近くを占めており、居住地は全国にまたがっている。全体の約 3 割が(特に男性の約 4 割が)複数回訪問するリピーターであり、異性のパートナーやグループを組んでの複数名での訪問も多い。 他の作品のモデル地も訪れてみた いと回答したのは 7 割ほどいるが、実際に訪問したことがあるのは約 3 割にとどまっており、発展の余地がある。他の作品に対する好感度では、世界観が似ていると考えられる作品への親和性が高く、作品によってファン層が大きく異なる傾向が認められる。地域振興を目指してモデル地同士が提携する場合、作品の方向性やファンの選好性に留意した取り組みの必要性を示唆している。 インターネット上のブログ や SNS 等で習慣的に情報を発信している層は、モデル地巡り、いわゆる「聖地巡礼」に対する関心も高い傾向が出た。関心が高まるほどモデル地への 訪問意欲や実際の訪問率が上昇しており、他のジャンルへの関心も高くなっている。 一層の データの蓄積が求められるところであるが、彼らのような積極的な情報発信者がコンテンツツーリズムの主要な体現者になっていくであろうと予測される。
  • 増本 貴士
    日本情報経営学会誌
    2009年 30 巻 1 号 46-51
    発行日: 2009/08/17
    公開日: 2017/08/07
    ジャーナル フリー
    Considering mode and popularization on the web2.0, it makes no sense to increase stock of information. It's absolutely essential that it is not "you know in your mind", but "you are sentient". Use the analogy of that process to need the c to c communication in e-community in four levels by NECA model. With a background like that, this theory is developed as follows. First of all, this theory is focus on the c to c communication distributed fan digital contents easily as typical Japanese media "nico nico douga" and blog deployed on e-community. Secondly, that type of digital contents, you also see watching a lot of fanvid, user-generated video as playing fan game, and making comments about that user-posted video. Finally, this theory considers how e-community is created.
  • 公野 勉
    マス・コミュニケーション研究
    2018年 92 巻 23-39
    発行日: 2018/01/31
    公開日: 2018/05/10
    ジャーナル フリー

    The author is a researcher and a person in charge of content production.

    In recent years, there has been an increase in content that intentionally serves

    regional development and an increase in content that contemplates the establishment

    of local sacred sites. By taking the content that the author was in charge

    of directly as subjects for fieldwork, the structure and the achievement of the

    four types of content work are reported, and the merits and demerits of all four

    are analysed. The four types include the centre-to-region delivery type, the selfhelp

    support type established through investment, the region-centre linked

    type, and the central production plus regional capital type. Moreover, as conclusions

    are drawn from the field data, the basic model for regional development is

    presented with the following components: a) tourist attractions to be provided

    as regional contributions, b) human resources to be supplied regionally (e.g., a

    creator such as a cartoonist located in a regional area whose talent was discovered

    through a contest, and the business producer who set up the contest), c)

    capital to be offered by regional areas, and d) a central area that spreads

    regional information, using central media and production capabilities as filters

    (e.g., to produce content such as movies based on regional information, and to incorporate them in central media). As a result, this paper discusses and concludes

    that the ultimate potential of regional communities lies in their role as

    ‘the place to locate talent and to deliver and supply them to the central community’.

  • ―人吉球磨地域とアニメ「夏目友人帳」を事例に―
    *黒田 凌雅
    日本地理学会発表要旨集
    2023年 2023a 巻 231
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/28
    会議録・要旨集 フリー

    1.はじめに

     アニメ聖地巡礼では,アニメ聖地巡礼観光客がアニメの舞台となった地において知り合った同じ作品を愛する仲間や地域の人とのコミュニケーションを通し,作品および地域に強い愛着を覚えることでその地へのリピート訪問行動を引き起こしていると指摘されている(岩崎ほか 2018ab).そこで本研究では,アニメ「夏目友人帳」のモデル地である熊本県の人吉球磨地域を対象として,地域への愛着を醸成するアニメ聖地巡礼観光客同士,地域住民とアニメ聖地巡礼観光客との交流の実態を明らかにする.また,地域への愛着によってリピーターとなったアニメ聖地巡礼観光客による関係人口創出の可能性について考察する.

    2.アニメ「聖地」における交流の実態

     本研究で対象としたアニメ「夏目友人帳」は,人間と妖との心温まる交流を描く作品であり,2008~2017 年の間に第6期まで放映された.対象とした人吉球磨地域では,アニメ「夏目友人帳」に関連した様々なイベントが行われており,聖地巡礼観光客が継続的に訪れている. 本研究ではまず,人吉球磨地域におけるアニメ「夏目友人帳」の「聖地」と,「

    らき
    すた
    」(現在の埼玉県久喜市)と「ガールズ&パンツァー」(茨城県大洗町)の「聖地」について比較検討した.その結果,人吉球磨地域のアニメ「聖地」は,人吉市の中心部に集積しているものの,「
    らき
    すた
    」や「ガールズ&パンツァー」のモデル地と比べて地域の中心部にある「聖地」の散らばりが大きく,「聖地」がより集積している中心部においてその散らばりが大きいということが明らかになった. 人吉中心部に分布する「聖地」では,交流の度合いによって①一般の聖地,②主要な聖地,③交流の拠点の3つの「聖地」に分類できる.①一般の聖地には日常的な風景としての側面を持つ「聖地」などがあるが,交流はほとんど行われていない.②主要な聖地は,アニメグッズや「聖地巡礼ノート」が設置されており,ノートへの記述などを通してアニメファンの交流が行われている場所であり,人吉市中心部には5ヵ所確認された.③交流の拠点は,アニメ聖地巡礼観光客が集まる飲食店が該当する.店内にはアニメグッズの集積などがみられ,作品にまつわる独特の空間が形成されている.ここでは,アニメ聖地巡礼観光客同士やアニメ聖地巡礼観光客と店主との直接的な交流が行われている. アンケート調査においては,「主要な聖地」や「交流の拠点」を訪れるアニメ聖地巡礼観光客が多いことや,彼らの訪問での移動手段のほとんどが車であると明らかになった.「主要な聖地」は,アニメ内に何度も登場し,「聖地」が集中する市中心部に位置するために訪問数が多いと考えられ,「主要な聖地」となったととらえられる.一方で「交流の拠点」については,アニメに直接に登場したわけではないものの,店主が作者と親戚関係にあり,アニメに対する理解がはじめからあったことに加え,訪問しやすい市中心部に位置しているため,アニメ聖地巡礼観光客にとっての「聖地」となっている. 以上のことから,アニメ「聖地」においては交流の度合いによって階層空間が形成されていると考察される.しかしながら,人吉球磨地域においては,他のアニメモデル地と比較して中心部における「聖地」の散らばりが大きく,公共交通の利便性が低いことから,車での移動が主となるため「交流の拠点」が広まりにくいと考えられる.

    3.関係人口創出の可能性

     人吉球磨地域を何度も訪れる聖地巡礼観光客に対して行った聞き取りによると,彼らはSNSでの繋がりのみならず,人吉を訪れた際に必ず「交流の拠点」を訪れ,店主との交流や聖地巡礼観光客同士のコミュニケーションを楽しんでいることが明らかになった.したがって,岩崎ほか(2018ab)の先行研究で地域への愛着につながるとされていた交流は,具体的には「交流の拠点」にて行われていると考えられる.また,リピーターの中には人吉球磨地域における観光の取り組みの一環としてアニメ「聖地」を記載したマップの制作に携わる一例もみられ,「交流の拠点」での交流が生み出した地域への愛着が,地域とより密接にかかわるアニメ聖地巡礼観光客を生み出すという一連の流れがあると考えられる.これらは,「関係人口」の一例であるといえるだろう.

    文献

    岩崎達也・大方優子・津村将章 2018a. アニメ聖地巡礼におけるリピート行動分析―「夏目友人帳」熊本県人吉市における巡礼行動を事例としてー. コンテンツツーリズム学会論文集5: 12-24. 岩崎達也・津村将章 2018b. 高関与旅行者の行動分析:「夏目友人帳」における聖地巡礼行動を事例として. 産業経営研究所報50: 63-81.

  • 谷村 要
    日本情報経営学会誌
    2012年 32 巻 3 号 72-83
    発行日: 2012/05/18
    公開日: 2017/08/07
    ジャーナル フリー
    This paper considers construction of new relationship between people and the local community from case of "sacred place for anime fans". "Sacred place for anime fans" is a setting for an animation, and a place where anime fans recognized their value. In these places, there are communications between local people and anime fans from outside the region. Through these communications, Anime fans are deeply involved in community. In "sacred place for anime fans", it is the "Jimoto-type community" that is built up by local community and online community.
  • 臺 純子, 韓 志昊, 崔 錦珍
    観光研究
    2015年 27 巻 1 号 79-89
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/01
    ジャーナル フリー
    Korean Drama “IRIS” induced inbound tourism from Korea to Akita in 2009. This phenomenon is called “IRIS” impacts. This research attempts to clarify how “IRIS” film tourism in Akita occurred and the structure of the phenomenon, by analyzing local newspaper articles reported on “IRIS”, interviews with Japanese fans who visited Akita, and the data obtained by visitors at Iris Museum. It was found that “IRIS” film tourism in Akita started in March 2009 by 300 over Japanese fans of the actor ”Lee Byung-Hun”. Immediately after the “IRIS” was aired on KBS in Korea from October 2009, Korean tourists began visiting Akita. Then CS channel and TBS aired it from spring 2010 in Japan, which triggered Japanese fans and tourists to travel to Akita. “IRIS” film tourism in Akita produced three stages of its impacts.
  • 小山 友介, 堀内 和哉
    社会・経済システム
    2015年 36 巻 107-114
    発行日: 2015/10/25
    公開日: 2020/10/08
    ジャーナル フリー

     Anime pilgrimages (anime seichi-junrei) is one of the today’s hot issues for impoverished local areas. We inquired the actual conditions of anime pilgrims and their influences to the actual locale. Anime pilgrims at first visit the locale for seeing the same place imaged in anime, however, some pil- grims change their reason to visit into the communication with inhabitants or other pilgrims. Although it seems to benefits the locale, it has the risk that active repeaters behave exclusively for others. As all anime products have their life to keep popular interests, every locale has to prepare how and when anime pilgrim campaign to stop. Recent trend is to extend its local festival to anime pilgrims.

  • 今井 信治
    宗教研究
    2009年 82 巻 4 号 1296-1297
    発行日: 2009/03/30
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル フリー
  • *加藤 健太, 加納 政芳, 山田 晃嗣, 中村 剛士
    会議録・要旨集 フリー
    解決すべきヒューマン・ロボット・インタラクションの問題の1 つに,ロボットの外観をどのようにデザインするのかという問題が挙げられる.ロボットの外観はインタラクションしているユーザの感情に影響を及ぼすことが先行研究によって示されており,その1 つが,森によって提唱された「不気味の谷」である.この「不気味の谷」に陥るのを回避しつつ好感の持てるロボットをデザインするため,本研究では"萌え"の要素を取り入れることを提案する.しかし"萌え"という概念が曖昧なため,対話型進化計算(Interactive Genetic Algorithm: IGA) を用いた3Dのデザインシステムを構築し,それを用いて"萌え"の概念を調査した.
  • 千葉県館山市と南房総市を事例として
    丸上 雄哉, 出口 敦
    都市計画論文集
    2018年 53 巻 3 号 1259-1266
    発行日: 2018/10/25
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル オープンアクセス
    ロケツーリズムは、新たな資源創出と観光振興を可能にする観光形態であるが、効果が一過性であることが課題となっている。本研究では、過去のロケツーリズムの事例について、観光客数の変動をもとに分類を行った。結果、ロケツーリズムによる観光客数の増加と維持のためには、継続的なロケ誘致と受入環境の整備(ロケ地マップ等)が必要であることを明らかにした。また、千葉県館山市と南房総市の比較を通じて、ロケ地としての「使い易さ」や「コネクション」が次のロケ誘致に繋がっていることと、フィルムコミッションが担う役割の重要さを示した。しかしながら、「使い易さ」を追求するあまり、撮影環境を整えることばかりが優先され、フィルムコミッションの本来の役割であるはずの地域のプロモーションが後回しになる実態を明らかにした。
  • 映画「耳をすませば」にちなんだ観光まちづくり活動ならびに訪問者の意識について
    毛利 康秀
    コンテンツツーリズム学会論文集
    2014年 1 巻 15-25
    発行日: 2014年
    公開日: 2021/05/28
    ジャーナル フリー
    本稿は、コンテンツツーリズム領域における事例研究の一層の積み増しを目指して、スタジオジブリのアニメーション作品「耳をすませば」1のモデル地とされる東京都多摩市聖蹟桜ヶ丘2における取り組みを取り上げ、地元における活動の推移の紹介ならびに訪問者の意識について分析する方法で活動コンセプトの検証を行った。 スタジオジブリは、地域振興に関して地元との連携にあまり積極的ではない。そのため作品にちなんだ活動だけでは限界があり、同地では作品世界から派生したテーマ(訪問者の青春を応援する)を打ち出したコンセプトを掲げて活動が行われている。これは、いわば苦肉の策から生まれたものであるが、「コンテンツの利用や二次的利用とは別に、コンテンツから派生したテーマを軸に新たな物語性が創造され、受容されるツーリズム」という方向性が明確であり、本稿ではこの概念を暫定的に「テーマ派生型コンテンツツーリズム」と表記する。 派生したテーマに基づいて「青春のポスト」が設置され、そこに投函された訪問者のメッセージを分析した結果、このコンセプトは受け入れられているものと判断される。そして、この概念はコンテンツツーリズムの発展的・持続的な展開を実現する要素の一つとして有効であるとする仮説を提示した。
  • ~埼玉県久喜市を事例に~
    *若林 福成
    日本地理学会発表要旨集
    2022年 2022a 巻 S105
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/05
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録

    1.はじめに  近年,地域活性化を図る方法としてアニメの活用が注目されている.2008年8月筆者が発起人となって,埼玉県久喜市(旧:栗橋町)において株式会社トミーテックが展開している鉄道むすめ栗橋みなみを活用した地域振興事業を発案した.また,アニメ「

    らき
    すた
    」を活用した地域振興事業では主要メンバーのひとりとして携わった(図).埼玉県久喜市(旧:鷲宮町)はアニメ聖地巡礼の先駆けとして知られ,山村(2008)がファンの旅行行動に関する研究を行っているが,アニメ作品とのコラボレーション商品の開発過程やアニメ聖地における新たなビジネスの展開方法に関しては,まだ明らかになっていない.本研究は,アニメ聖地で新たなコラボレーション商品やビジネスが生まれるプロセスを埼玉県久喜市を事例に主体に焦点をあてて明らかにすることを目的とする(Markusen, 2003).2.研究方法  本研究では,中村(2008)が整理したアクションリサーチの6つの研究者ポジションのうちの,内部者(研究者が自分自身/自分の実践を研究する)の方法によって研究を行った.埼玉県久喜市を対象地域として,アニメ聖地における新たなコラボレーション商品開発やビジネス開発の主体であった筆者自身を研究対象に,アニメを活用した地域活性化の取り組みにおける自身の現場経験をデータ化し,そのプロセスを検討した.また,コラボ商品開発や新規ビジネスに関わった各種プレーヤーのマッピングを行い,時系列でどのようにプレーヤー間の関係性が進化したかを分析した. 3.結果  第一に商品開発として,純米酒みなみを取り上げた.純米酒みなみの商品化の目的は埼玉県栗橋町の地域振興で,鉄道むすめや栗橋みなみのファンがターゲットであり,そのため東武鉄道株式会社と株式会社トミーテックとの協力関係を結び,作品の中の物語と地域を繋げるといった工夫がなされた.主体としての筆者の役割は,埼玉県栗橋町の井上酒店と連携し,商品コンセプトの提案,純米酒みなみの酒蔵の選定,ラベルデザインの校正確認と,商品開発の中心的役割を果たした. 第二に新規ビジネスとして,オタ婚活を取り上げた.オタ婚活の開催の目的は埼玉県鷲宮町の地域振興および婚活支援で,アニメ・漫画・ゲームのファンが主なターゲットであり,そのため埼玉県やアニメコンテンツとのコラボを実現し,異性のファン同士が安心して,共通の話題で盛り上がれるよう工夫がなされた.筆者は,オタ婚活という名前の発案,オタ婚活の企画,プレーヤーの巻き込み,イベント運営,当日の司会,マスコミやSNSの対応をし,プロジェクトの中心的役割を果たした. 4.考察  埼玉県久喜市のアニメ聖地において,主体であった筆者自身が深く関与することで,アニメファンと地域の良い関係が醸成されて行ったとともに,新たなコラボレーション商品開発やビジネス開発が行われたことが示された. 参考文献 Markusen, A. 2003. An Actor-Centered Approach to Regional Economic Change. Annals of the Association of Economic Geographers, 49, 415-428. 中村和彦 2008. アクションリサーチとは何か. 人間関係研究, 7, 1-25. 山村高淑 2008. アニメ聖地の成立とその展開に関する研究 アニメ作品 「
    らき
    すた
    」 による埼玉県鷲宮町の旅客誘致に関する一考察. 国際広報メディア・観光学ジャーナル, 7, 145-164.

  • *坂本 ひとみ, 坂本 大地
    映像情報メディア学会技術報告
    2017年 41.13 巻 ENT2017-1
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/07/14
    会議録・要旨集 フリー
    近年、観光学において観光振興の新しい方法としてコンテンツツーリズムという形態が注目を浴びてきている。ここ数年においては特に、アニメ・漫画・ゲーム作品といったサブカルチャーと関わりのあるツーリズムが増加しており、イラスト等を利用した振興や舞台探訪により観光客が増加した例も多い。その中でも、アニメと関わりのある観光客誘致のいくつかのケースは、大きな経済効果をもたらした成功事例としてメディアにも大きく取り上げられた。成功した地域では次へのステップとして、地元のネットワークを巻き込んだ人材育成にも成功している。そのため、コンテンツ自体が古くなっても継続して新しいコンテンツの投入をはかり、集客等が維持されているケースもある。 本研究においては、地域の活性化により一層貢献できるビジネスモデルを探るため、事例をタイプ別に分け、全国の事例を研究しアニメツーリズムの地域への影響を考察したものである。
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