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クエリ検索: "アオカメムシ"
616件中 1-20の結果を表示しています
  • 長田 庸平
    都市有害生物管理
    2021年 11 巻 1 号 35-37
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/06/20
    ジャーナル フリー
    カメムシ科のミナミ
    アオカメムシ
    は,ナス科,マメ科,イネ科といった作物の重要害虫である.本種は暖地性で,近年は温暖化によって北上しつつある.現在は関東地方でも分布を拡大させた.ここでは東京都区部における本種の分布の現状をまとめた.
  • 小滝 豊美, 畑 公夫, 軍司 守俊, 八木 繁実
    日本応用動物昆虫学会誌
    1983年 27 巻 1 号 63-68
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) チャバネ
    アオカメムシ
    を実験室内で簡易・大量・累代飼育することを目的として果実・毬果・種子・新鮮植物・人工飼料による飼育を行った。
    2) 果実・毬果・新鮮植物は均質な食餌が得難く,食餌によっては羽化個体が現われない場合があり,変性しやすいなどの点から本研究の目的に適合しないと結論された。
    3) 種子による飼育では生ピーナツを与えた区が最もすぐれており,幼虫期間が短く,羽化体重は重く,高い羽化率,長寿命で産卵数も多かった。
    4) ダイズによる第3世代までの累代飼育では羽化率等が極端に悪くなることはなかった。
    5) 生ピーナツおよび生ピーナツにネズミの固型飼料を加え作成した人工飼料による飼育で30%をこえる羽化率が得られた。
  • I. エゾアオカメムシ雌成虫の産卵選択,若虫の歩行能力,および各種植物上での生育について
    和田 綾子, 堀 浩二
    日本応用動物昆虫学会誌
    1997年 41 巻 4 号 209-216
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    野外より採集したエゾ
    アオカメムシ
    の雌成虫の産卵場所の選択性を実験室内のケージと野外の網室において調べたところ,野外で寄生が確認されている数種の植物上に選択的に産卵することはなく,飼育ケージの網などにも多数の産卵が認められた。産卵が認められた5種の植物とインゲンマメ(対照区)で若虫を飼育したところ,ヤナギを与えた若虫は若齢のうちにすべて死亡した。成虫羽化までの生育期間は最も短かったナナカマドと最も長かったクローバの間に約60日の差があった。成虫羽化時の体重はナナカマドで約100mg,クローバ約90mgであった。2齢から5齢の若虫の歩行能力について調べたところ,若齢若虫ほど活発に歩く傾向が認められた。以上より,エゾ
    アオカメムシ
    の雌成虫は,若虫の生育に好適な場所へ必ずしも選択的に産卵をせず,生育に不適な場所で孵化した若虫は歩行によって寄主植物へ移動する戦略を取ることが示唆された。
  • 山田 健一, 宮原 実
    九州病害虫研究会報
    1974年 20 巻 53-56
    発行日: 1974/09/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    1)カメムシ類の予察灯による誘殺状況をとりまとめ,併せてカキとミカンにおける最近の被害の実態を調査した。
    2)チャバネ
    アオカメムシとツヤアオカメムシ
    の予察灯による誘殺状況によれば,誘殺量と誘殺のピークは年によって著しく異なり一定の傾向は認められなかった。例年,チャバネ
    アオカメムシ
    が優占種であるが,1973年はツヤ
    アオカメムシ
    の異常発生を記録した。
    3)高圧水銀灯と白熱電灯によるカメムシ類の誘殺消長はほぼ同じ傾向を示したが,誘殺能力は前者が著しく優れていた。
    4)カキ果実のカメムシによる被害は予察灯の誘殺量と関係が大きく,特に1973年はチャバネ
    アオカメムシとツヤアオカメムシ
    の両種による被害が激発した。
    5)1973年にミカンを加害したカメムシはチャバネ
    アオカメムシとツヤアオカメムシ
    の2種が優占し,特に後者は記録的な発生をした。
    6)カメムシ類の発生は年により変動が大きく,そのため発生予察を最も必要とする害虫である。予察法を確立するには発生生態を早急に解明する必要がある。
  • 上門 隆洋, 都外川 聡明, 水島 真一
    九州病害虫研究会報
    1997年 43 巻 117-121
    発行日: 1997/11/15
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    鹿児島県における果樹カメムシ予察灯の23年間にわたる調査データを分析し,以下の結果を得た。
    1.本県の主要な果樹カメムシ類は,チャバネ
    アオカメムシとツヤアオカメムシ
    で,ライトトラップによる年間総誘殺数は増加傾向にあった。
    2.2種カメムシの誘殺パターンは年によって異なったが,誘殺ピークは両種とも春と秋に集中した。また,ツヤ
    アオカメムシ
    の秋の誘殺ピークは,チャバネ
    アオカメムシ
    より約1カ月遅かった。
    3.チャバネ
    アオカメムシ
    では,秋の誘殺数と翌年の春の誘殺数との間に高い相関が認められた。しかし,ツヤ
    アオカメムシ
    では相関は認められなかった。
  • 小滝 豊美, 八木 繁実
    日本応用動物昆虫学会誌
    1987年 31 巻 4 号 285-290
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    チャバネアオカメムシ
    Plautia stali SCOTT成虫の休眠発育がどのように進行するかを明らかにするため,20°Cの恒温条件下で日長転換を行い産卵の開始および体色の変化を観察した。成虫期に日長を長日(15L-9D)から短日(12L-12D)へ転換すると産卵の抑制および体色の褐色化が認められ,逆の転換により産卵の誘起および体色の緑色化が観察されたことから,本種は成虫期にも光周期に対する感受性を有することが示された。短日から長日への転換では長い期間短日条件下に置かれた区ほど転換後早く産卵する傾向が示され,羽化後日齢の経過に伴ってしだいに休眠発育が進行することが明らかになった。また,褐色個体の緑色化は休眠発育がある程度進行した段階で引き起こされる現象であると推察された。
  • 齊藤 紀子, 足立 龍弥, 手柴 真弓
    九州病害虫研究会報
    2019年 65 巻 42-45
    発行日: 2019/11/30
    公開日: 2020/06/10
    ジャーナル フリー
    果樹の重要害虫であるチャバネ
    アオカメムシ
    Plautia stali SCOTT)累代飼育虫(23℃, 16L8D)を用いて産卵およびふ化に対する高温の影響を調査した。羽化後35℃で飼育した雌成虫は,25℃で飼育した場合に比べ生涯産卵数は少なく,その卵はふ化しなかった。また,5齢幼虫の期間のみ35℃におくと全期間23℃で飼育した場合に比べ生涯産卵数は少なく,そのふ化数も少なかった。以上のことから35℃の高温は,チャバネ
    アオカメムシ
    の産卵およびふ化に悪影響を及ぼすと考えられた。
  • 大野 和朗
    日本応用動物昆虫学会誌
    1985年 29 巻 4 号 304-308
    発行日: 1985/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    チャバネ
    アオカメムシ
    の越冬後成虫を室内で生ピーナツを用いて飼育し,その繁殖能力ならびに産卵特性について以下の結果を得た。
    1) 成虫は雌雄ともに,飼育開始後50日を経過した頃より生存率が急激に低下した。成虫の平均生存期間は雄で85.9±34.8日,雌で90.6±31.5日であった。
    2) 雌あたり日あたり産下卵数は,飼育開始から最初20日間は増加し,その後50日間では6∼11卵の幅で変動し,さらに70日以降は減少した。飼育期間を通しての雌あたり総産下卵数は461.6卵,総産下卵塊数は36.4個であった。これらの結果より,本種の純繁殖率は231.7と推定された。
    3) 卵塊サイズ(卵塊あたり卵粒数)は14が基本的なサイズと考えられたが,飼育後の日数が経過するにつれて小さくなる傾向が認められた。また,卵塊サイズは産卵部位でも異なり,とくにろ紙上には平均サイズ以上の卵塊が産下される傾向が認められた。
    4) 卵塊はおもに飼育容器の側面と二つ折りにしたろ紙上に産下されたが,飼育開始から51日目以降では飼育容器への産卵は減少し,ろ紙上への産卵が多くなった。
    5) 産卵時刻の調査より,産卵が暗期開始前後に集中することが明らかとなった。
  • 守屋 成一, 志賀 正和
    日本応用動物昆虫学会誌
    1986年 30 巻 2 号 106-110
    発行日: 1986/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) 茨城県土浦市郊外の丘陵林地で1978∼1979年冬季より7年間にわたりチャバネ
    アオカメムシ
    成虫の越冬状態を調査した。
    2) 林床の落葉両手10つかみを調査単位とし,ハンド・ソーティングにより落葉中より越冬成虫を分離した。
    3) 越冬地の方位,林内の状態の差による越冬個体数の差は明確でなく,調査単位当たり個体数の分布集中度,Iδも1に近い値を示した。また,林内で場所的に顕著な越冬個体の分布の偏りも認められなかった。
    4) 越冬中の本種に特有な越冬色を呈した死体が落葉中より発見されていないので,越冬期間中の死亡率は低いものと見なされた。
    5) 越冬密度は年次変動が大きく,調査期間中,調査単位当たりの平均値で40倍以上の変動幅を示した。
    6) 越冬密度の上昇に対して越冬後個体群密度(指標として茨城県筑波郡谷田部町のクワへの飛来個体数および予察灯への誘殺数を用いた)の増加は頭打ち傾向にあると考えられた。
  • 村井 智子, 小笠原 博幸
    北日本病害虫研究会報
    2003年 2003 巻 54 号 177-181
    発行日: 2003/11/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    果樹カメムシ類による被害は青森県ではこれまで問題にならなかった. しかし, 2001年に太平洋側の地域で
    チャバネアオカメムシ
    Plautiu crossota staliやクサギカメムシHalyomorapha halysによる果実被害がセイヨウナシに発生した. 果実の変形, 果実表面における吸汁部位の褐変, 果肉の褐変および追熟後に果肉被害部位が硬化する等の症状がみられた. 2001年のチャバネ
    アオカメムシ
    合成集合フェロモンによるフェロモントラップの誘引消長から, チャバネ
    アオカメムシ
    の大量飛来は7月上旬からはじまり中旬をピークに下旬まであったと推察された.このチャバネ
    アオカメムシ
    の発生時期における薬剤散布開始時期と使用薬剤により被害果の発生率や症状が異なった.
  • 池田 二三高, 福代 和久
    関西病虫害研究会報
    1977年 19 巻 39-46
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    カメムシ類によるカキの被害が多いので, カキの被害実態, 加害種の種類と加害量の調査, 誘殺消長調査, 寄主植物における発育各態の発生消長調査, 室内飼育などを行ない, 要加害とその発生生態を明らかにした.
    カキの被害は, 越冬後の成虫による被害も発生したが, 9月以降, 成熟期にかけて, 主として新成虫が越冬前に栄養摂取をするために生ずる被害の方が著しかった. 加害種は7種が記録され, そのうち主要加害種はチャバネ
    アオカメムシ
    , ツヤ
    アオカメムシ
    の2種で, その他の種類による実害は軽微と推察された. 主要種の2種は, 野外ではともにスギ, ヒノキを主な寄主植物として発生していることが明らかになり, チャバネ
    アオカメムシ
    では年2世代, ツヤ
    アオカメムシ
    では年1~2世代の発生と推察された.
  • 森下 正彦, 榎本 雅夫, 南方 高志, 小松 英雄, 津田 浩伸, 和田 康秀, 田嶋 良純
    日本応用動物昆虫学会誌
    2007年 51 巻 1 号 21-27
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/03/03
    ジャーナル フリー
    We investigated the number of airborne pollen of Japanese cypress, Chamaecyparis obtusa Endl., the density of stink bugs, Plautia crossota stali Scott, on the cones of Japanese cypress, and the damage to persimmon fruit by stink bugs in Wakayama Prefecture. In years when the density of overwintering adult bugs was high and the airborne pollen count was low, the peak density of the bug population on Japanese cypress cones was observed as early as July–August and the percentage of damaged persimmon fruit was high. In contrast, the bug population reached peak density in September–October and a low percentage of damaged fruit was observed in years when the density of overwintering adult was low and the airborne pollen count was high. The decrease in bug density on cones, which indicates cone deterioration, was followed by bugs leaving the cypress for persimmon orchards. There was a highly positive relationship between the density of overwintering adults and the number of airborne Japanese cypress pollen, which is closely related to cone production. Thus, the ratio of airborne pollen counts in the current year to that in the previous year (the c/p pollen ratio) is considered an indicator of the stink bug population for the current year. A highly positive relationship was found between the c/p pollen ratio and the time when the percentage of damaged fruit increased, suggesting that the c/p pollen ratio is very useful for forecasting the damage rate of persimmon fruit.
  • 三代 浩二, 大平 喜男
    九州病害虫研究会報
    2002年 48 巻 76-80
    発行日: 2002/11/20
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    チャバネ
    アオカメムシ
    集合フェロモントラップを発生源である針葉樹林と発生源から離れたカンキツ園内に設置し,天敵のマルボシヒラタヤドリバエとチャバネクロタマゴバチの誘引特性を2000年と2001年の2年間調査した。両年とも,マルボシヒラタヤドリバエは5月から7月にかけて発生源で多く誘引され,チャバネクロタマゴバチは8月から10月にかけて発生源よりもカンキツ園で多く誘引された。このことから,両者間でチャバネ
    アオカメムシ
    集合フェロモンに対する誘引特性に違いがあることが示唆された。
  • 舟山 健
    日本応用動物昆虫学会誌
    2002年 46 巻 1 号 1-6
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/04/25
    ジャーナル フリー
    The oviposition site and development of Halyomorpha halys and Homalogonia obtuse were examined in apple orchards from 1997 to 2000. Many egg batches of both species were found on the apple leaves. When adults of both species were released on the apple trees in late May, progeny adults emerged the middle of August. Larvae fed on the current shoots, leaves and fruit. Half of the overwintering female adults of Ha. halys that immigrated to the apple orchards had mature eggs. Ha. halys adults right after overwintering that were released on the apple tree in early May began to oviposit on the apple leaves starting in early June. These observations suggest that apple trees can be one of the early host plants for both Ha. halys and Ho. obtusa.
  • 綱島 彩香, 本田 知大, 小沢 有輝, 口木 文孝, 糸山 享
    九州病害虫研究会報
    2017年 63 巻 102-107
    発行日: 2017/11/28
    公開日: 2019/02/13
    ジャーナル フリー

    ツヤ

    アオカメムシ
    は主要な果樹カメムシ類の1種であるが,その生活史には不明な点が多い。本研究では,佐賀県における年間の世代経過を推定するため,温度別の発育期間と野外採集個体の卵巣発育段階を調査した。3つの温度条件下で発育ステージ別の平均発育期間を調査し,飼育温度と発達速度の回帰直線から発育零点および有効積算温度を算出した。雌においては,卵から羽化までの期間ではそれぞれ14.0℃および363.2日度であった。2012年および2013年に予察灯に誘殺された個体と植物上から採集した個体について,卵巣の発達段階を調査したところ,野外では繁殖可能な雌成虫が6月中旬頃から現れ,2012年には最大2世代,2013年には最大3世代を経過できると推察された。鹿児島県においても年別の発生世代数の違いに関する報告があり,本種の世代経過には変動幅があると考えられた。発生予察の精度を高めるためには,本種の世代経過を決定する様々な要因の解析が必要であろう。

  • 早川 博文, 筒井 等
    北日本病害虫研究会報
    1989年 1989 巻 40 号 121-122
    発行日: 1989/11/10
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    エゾ
    アオカメムシ
    の放虫によるダイズの子実被害量は, 子実肥大期に比べ英伸長期で大きかった。子実肥大中期放虫区での無放虫区に対する健全粒減少率は, エゾ
    アオカメムシ
    1頭当り10%前後であった。無防除ダイズ3品種におけるカメムシ類による被害粒率は, 0.2-0.7%と低かった。
  • 降幡 駿介, 岸本 英成, 三代 浩二, 外山 晶敏, 井原 史雄
    北日本病害虫研究会報
    2020年 2020 巻 71 号 182-187
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2021/12/15
    ジャーナル フリー
    電子付録

    To investigate seasonal capturing prevalence of fruit-spotting bugs in northern Japan and to examine capturing characteristics of pheromone-baited waterless pyramidal traps, we carried out a seven-year field study at Morioka City, Iwate Prefecture, in northern Japan. We also carried out an eight-year study at Tsukuba City, Ibaraki Prefecture, in central Japan. At Morioka, Plautia stali showed prevalence with two peaks of adults and one peak of nymphs, Halyomorpha halys showed almost no capture except for one peak of adults in autumn, whereas Glaucias subpunctatus was not captured at all. At Tsukuba, P. stali was captured throughout the seasons but especially in summer. H. halys showed prevalence with two peaks in spring and autumn, and G. subpanctatus was captured only in late autumn. These results reflect the environment of each site, including weather and food distribution at local and/or landscape levels.

  • 村岡 実, 鶴 範三, 中村 秀芳, 山津 憲二
    九州病害虫研究会報
    1987年 33 巻 181-188
    発行日: 1987/10/30
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    1.チャバネ
    アオカメムシ
    ,ツヤ
    アオカメムシ
    のヒノキ毬果での寄生密度,常緑広葉樹林の落葉層での越冬密度および予察灯による誘殺数について,佐賀県内を11調査地区に分けて調査した。
    2.ヒノキ毬果での寄生密度調査は1974年から1986年まで毎年7月下旬~8月(一部は9月中旬)に行った。その結果,採集された全カメムシに対する割合は,チャバネ
    アオカメムシ
    の成虫が約24%,幼虫が66%,ツヤ
    アオカメムシ
    の成虫が約2%,幼虫が約7%でチャバネ
    アオカメムシ
    が約90%を占めていた。寄生密度は年次による差が大きく,調査した13ケ年のうち多発生は5ケ年,中発生は3ケ年,少発生は5ケ年であった。同一年での寄生密度の地区間差は小さかったが,鹿島・太良,小城,相知・厳木,神埼では発生が多く,伊万里,上場では少なかった。
    3.チャバネ
    アオカメムシ
    の越冬密度調査は1981年から1986年まで毎年2月に行った。越冬密度は1984年は低かったが,他の年はほぼ同じであった。同一年の密度の地区間のバラツキは平均密度が高かった年に大きくなった。地区別では唐津・浜玉,大和で越冬密度が高かった。毎年越冬がみられた地区は鹿島・太良,大和で,逆に多久,相知・厳木では1985年のみ越冬がみられ,越冬密度は地区による差が大きかった。
    4.予察灯(ブラックライト,20W)による調査は1981年から1986年まで4~5地区で行った。各地区ともチャバネ
    アオカメムシ
    が大半を占め,とくに基山,伊万里では95%以上であった。誘殺数は1981年,1982年が少なく,1983年,1985年,1986年は多く,1984年は中程度であったが,1985年は基山,神埼では著しく多かった。誘殺数の時期別割合は年により,地区によってちがいがみられたが,大まかには8月以後の誘殺数が多く,その割合はチャバネ
    アオカメムシ
    では約90%,ツヤ
    アオカメムシ
    では約70%であった。
    1985年,1986年の2ケ年の誘殺結果では,基山,神埼での誘殺数が他の地区にくらべて著しく多く,逆に大和,伊万里では少なかった。
    5.越冬密度,予察灯での誘殺数 果樹園周囲のヒノキ毬果での寄生密度,ヒノキ人工林での毬果量,次年の越冬密度について相互の相関係数を求めた。このうち,当年の越冬密度と予察による5~7月および5~10月の誘殺数,5~7月の誘殺数とヒノキでの寄生密度との間には比較的高い正の相関が得られ,逆にヒノキ毬果量と5~7月の誘殺数およびヒノキでの寄生密度,5~7月の誘殺数と次年の越冬密度との間には比較的高い負の相関が得られた。他方,予察灯での5~7月と8~10月の誘殺数の間の相関はほとんどなかった。
  • 寺本 敏, 山本 栄一, 野中 耕次, 黒木 修一
    九州病害虫研究会報
    1992年 38 巻 170-175
    発行日: 1992/10/30
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    1.果樹を加害するツヤ
    アオカメムシおよびチャバネアオカメムシ
    の後期(8~11月)発生量の長期予察を目的として,各種気象データ,4~7月の予察灯誘数データから8~11月の予察灯誘殺数を求める予察式を重回帰分析により作成した。
    2.得られた重回帰式のうち,過去のデータに対する適合性が優れ,早期に予測値を得ることができる最良モデルの説明変数には,両種カメムシとも前年夏期および当年春~夏期の気象要因(平均気温,日照時間)が含まれ,さらにツヤ
    アオカメムシ
    には4~7月の予察灯誘殺数が含まれた。
    3.最良モデルの予測性を両種で比較した場合,チャバネ
    アオカメムシ
    の適合度がやや劣ったが,ツヤ
    アオカメムシ
    では,6月末の比較的早い時期での予期予察の可能性が示唆された。
    4.重回帰分析の結果から,2種カメムシの多発被害をもたらす気象要因として,前年夏期(6一一8月)が高温で日照時間が多く,当年春~夏期(3~6月)が高温
    で日照時間の少ないこと,さらに当年7月下旬以降10月中旬頃までに台風の影響を強く受けることが想定され,前者は本種個体群の増殖に好影響を与え,後者は成虫の飛翔行動を誘起するものと推察された。
  • 白石 和弥, 石森 裕康, 奥村 一, 下薗 健志, 糸山 享
    関東東山病害虫研究会報
    2017年 2017 巻 64 号 122-125
    発行日: 2017/12/01
    公開日: 2019/03/01
    ジャーナル フリー

    神奈川県におけるミナミ

    アオカメムシ
    の分布状況を明らかにするため,2015年から2016年の2年間にわたり,同県内の複数地点の圃場における発生を調査した。2015年の調査では,川崎市において神奈川県内では初めてとなるミナミ
    アオカメムシ
    の発生を確認した。2016年の調査では,川崎市に加えて藤沢市,横浜市でも発生を確認し,小田原市に設置された予察灯への誘殺も確認した。以上の結果から,日本国内での分布域を拡大しているミナミ
    アオカメムシ
    が神奈川県においても定着している可能性があるため,今後の継続的なモニタリングが必要と考えられた。

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