ボウ
アオノリ
, リボンアオサ, およびアナアオサに対するアマクサアメフラシの摂餌生態や餌料効果を比較するために, それら3種の緑藻を給餌した場合のアマクサアメフラシの摂餌率, 生長, および産卵量等を調べた。飼育は湿重量で0.07~0.089のものを用いて開始し, 室温下で成体まで130日間継続した。全飼育期間中の摂餌率は, ボウ
アオノリ
, リボンアオサ, およびアナアオサの順に乾重量換算の体重比でそれぞれ8.5, 14.6, および22.4%/dayと高い値を示し, アマクサアメフラシの摂餌量が極めて多いこと, 特に, アナアオサが多く, 次いでリボンアオサ, ボウ
アオノリ
の順であった。一方, 日間生長率はボウ
アオノリ
, リボンアオサ, アナアオサの順にそれぞれ0.14, 0.12, 0.10dry-g/day, 飼育期間中に生産された卵塊は積算乾重量としてそれぞれ25.1, 20.8, 10.8dry-g/indiv.であった。なお, 最初の産卵はボウ
アオノリ
では飼育開始後15日目に, リボンアオサでは18日目に, アナアオサでは29日目に行われた。以上の結果から次のような事項が明らかになった。 (1) アマクサアメフラシの摂餌量は極めて多い。なかでもアナアオサが多く, 次いでリボンアオサ, ボウ
アオノリ
の順であった。 (2) アマクサアメフラシの飼料転換効率は, 体重増加に産卵量を加えたものを生長量とみなして算定した場合, ボウ
アオノリ
, リボンアオサ, アナアオサの順に, それぞれ31.6, 18.9, 10.1%を示した。 (3) アマクサアメフラシはこのように, 良く食べ, 速く成長するので, 養殖水槽中に繁茂しやすい上記3種の緑藻の制御に利用できる可能性が伺えた。
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