ゲームをプレイすることで楽しいと感じ, その後の記憶成績は上昇するのだろうか. ホラーゲームをプレイ, またはプレイ動画を視聴させた後にゲーム画面に関する記憶テストを行うと, 実際にプレイした群の方が成績が悪かった. また脳の活性度合いに関しては, ゲームのジャンル間で差異があることが知られている.
ホラーゲームでは不快感情が喚起され記憶成績が低下した可能性があるため, 快感情が喚起されれば成績が上昇する可能性がある. またプレイ中の脳活性を測定する研究は多くあるものの, プレイ後の記憶成績について調べた研究は少ない. そこで本研究では, 快感情を喚起するゲームをプレイする群を, プレイ動画をただ視聴する群と比較し(スタイル要因), ゲームのプレイが直後の単語の記憶に影響を与えるかを検討した. さらにレースゲームとアクションゲームの 2 種類で比較(ジャンル要因)し, プレイ中, 視聴中の快感情の程度も併せて測定した(感情要因).
その結果, ジャンル要因と感情要因の交互作用がみられ, アクションゲーム群では楽しいと感じた人の方が有意に記憶成績が悪かった.
抄録全体を表示