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クエリ検索: "アクチン"
12,544件中 1-20の結果を表示しています
  • 花村 健次, 白尾 智明
    日本薬理学雑誌
    2007年 130 巻 5 号 352-357
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/14
    ジャーナル フリー
    樹状突起スパインは脳内の主要な興奮性シナプス後部であり,その形態および構成タンパク質の可塑的変化は学習記憶などの高次機能に重要である.スパイン内の構造体としては,シナプス後部肥厚(PSD)と
    アクチン
    細胞骨格があり,スパインの形態変化は主に
    アクチン
    細胞骨格により制御されている.スパイン内ではその頭部と頸部で
    アクチン
    線維の構造が異なることに加えて,頭部の中でもシナプス直下のPSD近傍と細胞質の中心領域で
    アクチン
    結合タンパク質の分布が異なる.したがって,スパインは3種類の性質の異なる
    アクチン
    細胞骨格によって構成されていると考えられる.
    アクチン
    を脱重合させると,多くのスパイン構成タンパク質の局在が不安定化し,スパイン形態もフィロポディア様に変化する.従って,
    アクチン
    細胞骨格がスパイン形態の形成,安定化に必須であることがわかる.発達過程における
    アクチン
    細胞骨格の変化に関しては,スパインの前駆体であるフィロポディア内で,
    アクチン結合タンパク質ドレブリン依存的にアクチン
    線維が集積することがわかっている.この集積はその後のPSD95の集積やスパインの形態形成の制御に促進的に働く.成熟スパイン内においても
    アクチン
    線維やドレブリン,プロフィリンをはじめとする
    アクチン
    結合タンパク質の量が神経活動依存的に増減することが知られており,
    アクチン
    結合タンパク質の構成変化がスパインの形態やその可塑的変化を制御する基盤と考えられる.実際,
    アクチン
    結合タンパク質に変異を導入した遺伝子変換動物では,シナプス伝達効率の可塑的変化に異常をきたすことが報告されている.スパインの形態形成と
    アクチン
    細胞骨格の異常は認知機能の異常を伴うヒト脳の疾患でも数多く知られており,その制御機構の解明は急務である.
  • 長崎 晃, 上田 太郎
    生物物理
    2022年 62 巻 5 号 288-290
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー HTML

    アクチン
    は細胞骨格の構成因子として一般的に認識されているが,近年,核内での役割についても注目されている.しかし,その機能解析に必要な核内
    アクチン
    線維の可視技術については未だ課題が残っている.そこで本稿では核内
    アクチン研究の経緯と私たちが偶然発見した新しいタイプの核内アクチン
    線維について解説したい.

  • 小田 俊郎
    生物物理
    2023年 63 巻 3 号 138-142
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/25
    ジャーナル フリー HTML

    アクチン
    は,真核細胞において多様な役割を担う.
    アクチン
    の役割とその作動機構を分子レベルで理解するためには,
    アクチン
    の構造を知ることが不可欠である.現在までに,200以上の
    アクチン
    の構造が解明されている.これらの構造を用いて,
    アクチン
    分子がとりうるコンフォメーションを議論した.
    アクチン
    のコンフォメーションは,4つのグループG型,F型,C型,O型に分類される.G型は安定なコンフォメーションで,G型の
    アクチン
    はC型やF型に変換されることはほとんどない.C型は不安定でG型に容易に変換され,F型はG型との間に障壁があり,準安定なコンフォメーションである.

  • 中川 裕之, 西原 恵利
    日本薬理学雑誌
    2007年 130 巻 5 号 362-366
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/14
    ジャーナル フリー
    神経細胞が細胞体から伸長した神経突起の先端は成長円錐と呼ばれ,葉状仮足と糸状仮足が存在する.
    アクチン
    繊維は,葉状仮足内部で網目状構造を形成しているが,糸状仮足内部では束状の構造を形成している.成長円錐では,葉状仮足から糸状仮足が伸長することから,糸状仮足は葉状仮足の
    アクチン繊維がアクチン
    繊維結合タンパク質によって束化されると伸長されると考えられている.しかし,蛍光タンパク質を融合した複数種の
    アクチン
    繊維結合タンパク質の動態の解析から,それらのタンパク質は糸状仮足の
    アクチン
    繊維束において,
    アクチン
    繊維に結合した状態と解離した状態の間で速い交換(ターンオーバー)がされていることが,最近示された.この結果から,糸状仮足の
    アクチン
    繊維束は,葉状仮足内の繊維が束ねられたものではなく,葉状仮足内で独立に伸長している可能性を示唆している.
  • *山岡 英孝, 安達 泰治
    理論応用力学講演会 講演論文集
    2007年 56 巻 1H10
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/07/18
    会議録・要旨集 フリー
    アクチン
    フィラメントは,細胞の形態変化や運動において重要な役割を果たす細胞骨格の1つである.単量体
    アクチンの重合によって形成されるアクチン
    フィラメントは,ネットワークや束を形成するため,それらを連続体力学の枠組みでモデル化が望まれる.
    アクチン
    フィラメントには,
    アクチン
    分子の重合反応が繰返されるプラス端と,脱重合反応が繰返されるマイナス端が存在する.この
    アクチン
    フィラメントの指向性を表現するために,近年提出された連続体のdirect fieldモデルを利用した.本講演では,direct fieldを用いた
    アクチン
    フィラメントの連続場モデリングについて発表する.
  • 田中 和子
    日本皮膚科学会雑誌
    1990年 100 巻 5 号 561-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    DACM-HMM染色を用いて正常表皮および角化異常を特徴とする尋常性乾癬(以下,乾癬)表皮の
    アクチン
    フィラメント(F-
    アクチン
    )の分布を検討した.正常表皮のliving cell layerでは細胞周縁に強い蛍光が認められた.顆粒層では蛍光の幅が細くなり,角層に至るとその蛍光は失われた.乾癬では細胞周縁の蛍光は有棘層下層から中層では正常表皮に比べて,蛍光の幅が均一でないものが多く認められた.顕著な不全角化を呈す部位においては,有棘層最上層での細胞周縁の蛍光は減弱した.また,一部角層下にびまん性の減弱した蛍光を呈する部位も観察された.正常表皮および乾癬表皮のF-
    アクチン
    の観察より,有棘層から顆粒層そして角層へと細胞が移行するにしたがい,F-
    アクチン
    の分布は変化すると考えた.乾癬表皮の有棘層下層から中層での蛍光の変化の一つの説明として,細胞周縁でのF-
    アクチン
    の増加を考えた.また,既に,正常表皮および乾癬表皮においてF-
    アクチン
    の形成阻害因子であるDNaseⅠの局在の検討がなされている事から,今回のF-
    アクチン
    の分布とDNaseⅠの局在とを比較し,検討を試みた.
  • 尾西 裕文
    生物物理
    2005年 45 巻 supplement 号 S11-
    発行日: 2005/10/19
    公開日: 2017/05/01
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 勝彦
    順天堂医学
    1988年 34 巻 1 号 54-61
    発行日: 1988/06/20
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
    F-
    アクチン
    分子中の速やかに反応するリジン残基の化学修飾が, ミオシンとの相互作用にどのような影響を与えるのかを調べることにより, F-
    アクチン
    のミオシン結合部位の機能を明らかにしようとした. F-
    アクチン
    のリジン残基を無水マレイン酸で処理し, 遠心によりその反応混液からマレイル化したF-
    アクチン
    (マレイル F-
    アクチン
    ) を調製した. この修飾F-
    アクチン
    はつぎのような特性をもっていた. 1. F-
    アクチン
    溶液に加える無水マレイン酸の濃度を高くすると, 重合能を失ったG-
    アクチン
    が増加し, その結果, マレイル F-
    アクチン
    の生成量は減少した. 2. 得られたマレイル F-
    アクチン
    は,
    アクチン
    分子あたり1から2モルのリジン残基が修飾されており, 未修飾のF-
    アクチン
    と比べて低い粘性を示した. 3. マレイル F-
    アクチン
    から合成したアクトミオシンの超沈殿は, 未修飾の (
    アクチン
    ) から合成したアクトミオシンに比べて速度と最大濁度がいちじるしく増加した. 4. マレイル F-
    アクチンは未修飾のアクチン
    に比べ, ミオシンATPase活性をいちじるしく増加させた. このミオシンATPaseのいちじるしい活性化は, ミオシンの特異的SH基 (SH1) をN-ethylmaleimide (NEM) で修飾することで完全に打ち消され, 未修飾のF-
    アクチン
    による活性化のレベルにもどった. 以上の結果から, F-
    アクチン
    のマレイル化は未修飾のF-
    アクチン
    より低い粘性を示すような構造変化をもたらし, 同時にミオシンSH1領域に, より高い親和性を示すことがわかった. 筋収縮の滑走説と合わせ考えると, マイレル F-
    アクチン
    が筋収縮の速度の調節機構解明のひとつの手掛かりを与えるのではないかと思われる.
  • 渡邊 直樹, 水野 裕昭
    化学と生物
    2012年 50 巻 11 号 801-806
    発行日: 2012/11/01
    公開日: 2013/11/01
    ジャーナル フリー
    フォルミンファミリーは,真核生物に広く保存された
    アクチン
    重合促進因子であり,
    アクチン
    線維の速い重合端に結合したままプロセッシブ(連続的)に
    アクチン
    を伸長する性質をもつことが,われわれの蛍光単分子イメージングなどによって解明されてきた.最近,われわれは単分子蛍光偏光観察によって,フォルミンファミリーが
    アクチン線維のらせん構造に沿って回転しながらアクチン
    を伸長することを証明した.また,フォルミンファミリーのもつ著明な
    アクチン
    伸長加速活性に,
    アクチン
    に結合したATPが重要な役割を果たすことが付随的に見いだされた.
  • 増原 光彦, 滝瀬 定文, 門河 忠志
    日本体育学会大会号
    1982年 33 巻 17-1430-1106
    発行日: 1982/10/15
    公開日: 2017/08/25
    会議録・要旨集 フリー
  • *桧垣 匠, 朽名 夏麿, 五百城 幹英, 近藤 矩朗, 佐野 俊夫, 馳澤 盛一郎
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2007年 2007 巻
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/13
    会議録・要旨集 フリー
    アクチン
    繊維は細胞の分裂や伸長など植物の形態形成に関わる現象に深く関与する。これまでに我々は液胞に近接した
    アクチン
    繊維の局在や、液胞構造の維持を通した
    アクチン
    繊維による細胞内構造の制御機構について報告してきた(Higaki et al. 2006)。一方、
    アクチン
    繊維は気孔の開閉を担う孔辺細胞の運動にも関与すると考えられている。本研究では、
    アクチン
    繊維による気孔開閉の制御機構の可能性について検討するため、孔辺細胞における
    アクチン
    繊維の動態解析を試みた。まず、GFPと
    アクチン
    繊維結合ドメイン(AtFim1 ABD2)との融合タンパク質を恒常的に発現するシロイヌナズナ植物体を作出し、孔辺細胞
    アクチン
    繊維の観察に最も適したラインを選抜した。スピニングディスク式共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察したところ、孔辺細胞の
    アクチン
    繊維は数秒単位で盛んに運動していることがわかった。また、気孔に対する
    アクチン
    繊維の角度を顕微鏡画像から半自動的に算出する画像解析システムを開発し、
    アクチン
    繊維の配向が日周変化する可能性を検討した。その結果、開口時には表層
    アクチン
    繊維は放射状に配向し、閉口時にはランダムな配向に変化することが定量的に示された。さらに、アブシジン酸処理による
    アクチン
    繊維動態についても解析を進めており、その結果と併せて気孔開閉における
    アクチン
    繊維の役割について議論する。
  • 渡邊 直樹
    日本薬理学雑誌
    2005年 125 巻 2 号 103-108
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/04/05
    ジャーナル フリー
    アクチン
    細胞骨格系は細胞表層の形態を制御し,遊走,細胞質分裂,細胞間のネットワーク構築などに重要な役割を果たす.細胞内の
    アクチン
    は数十秒単位で重合,脱重合を繰り返すが,その詳細をリアルタイムで捉えることは困難であった.筆者は,蛍光スペックル顕微鏡を改良し,標識体の濃度を下げることで,蛍光標識
    アクチン
    が生きた細胞内で一分子ごとに可視化できることを見出した.細胞骨格のように比較的ゆっくり,秒の単位で改編するものでは,この単分子スペックル法によって分子が構造に会合する部位,そこから解離する速度を高い分解能をもって可視化解析できる.これを用い,その伸展運動が
    アクチン重合で駆動されるラメリポディアにおける詳細なアクチン
    重合分布,線維の寿命分布を明らかにした.現在,その制御様式の解明を目指し,種々の
    アクチン
    結合分子への応用が進行中である.また,この単分子イメージングを応用し,我々は
    アクチン
    重合によって駆動される新規分子移動機構を発見した.このように,単分子イメージングは生きた細胞内で特定の分子のキネティクスを観察し,その生化学的性質を捉えることを可能とする.また,
    アクチン
    作用薬処理における作用特異的な反応を分子レベルで可視化することにも成功しており,細胞などの複雑系における薬剤と分子機能の連関を知るための手法として,将来応用が広がるかもしれない.
  • 若林 克三, 樋口 秀男, 武澤 康範
    日本物理学会誌
    1997年 52 巻 8 号 599-605
    発行日: 1997/08/05
    公開日: 2008/04/14
    ジャーナル フリー
    最近, シンクロトロン放射光によるX線解析によって, 収縮中に筋肉細胞内の
    アクチン
    フィラメントが伸びていることが明確にされた.
    アクチン
    フィラメントが伸びることは, 筋肉や生体外での単一フィラメントの精密力学測定によっても示された. この伸展性の実験的証明は筋収縮の有力な分子モデル「ミオシン首振り」説に基本的レベルからの再検討を迫っている. 単なる力の伝搬体として扱われていた
    アクチン
    フィラメントは柔軟な力学的性質を持つことがわかり, 筋収縮に
    アクチン
    がもっと積極的な役割を果たしていることが明らかとなってきた.
  • 杉山 稔恵, 楠原 征治
    日本畜産学会報
    1996年 67 巻 6 号 526-532
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    放卵後3時間で骨吸収が停止している時期および放卵後12時間で骨吸収が促進している時期の産卵鶏骨髄骨を合成ヒト副甲状腺ホルモン(PTH)および合成ウナギカルシトニン(CT)添加培地でそれぞれ培養し,破骨細胞における
    アクチン
    フィラメント分布におよぼす影響について検討した.放卵後3時間における培養前の骨髄骨では,破骨細胞において骨基質側の明帯に相当する部分に,帯状を呈した
    アクチン
    フィラメントが強く認められた.これらをPTH無添加培地で24時間培養したところ,
    アクチン
    フィラメント分布は培養前と変化しなかったものの,PTH添加培地では
    アクチン
    フィラメントの帯状の中心部は不明瞭となり,骨基質に対して垂直な線状を呈した
    アクチン
    フィラメントが観察された.一方,放卵後12時間における培養前の骨髄骨では,破骨細胞において骨基質側の波状縁部分に,骨基質に対して垂直な線状を呈した
    アクチン
    フィラメントが認められた.これらをCT無添加培地で24時間培養したところ,
    アクチン
    フィラメント分布は培養前と変化しなかったものの,CT添加培地では線状を呈した
    アクチン
    フィラメントは消失し,帯状を呈した
    アクチン
    フィラメントが観察された.以上の結果から,PTHおよびCTは,
    アクチン
    フィラメントの分布を改変することにより破骨細胞による骨吸収を調節していることが示唆された.
  • 堀 正敏, 松浦 康浩, 善本 亮, 尾崎 博, 安元 健, 唐木 英明
    日本薬理学雑誌
    1999年 114 巻 supplement 号 225-229
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/02/27
    ジャーナル フリー
    ペクテノトキシン-2(PCTX-2)は、養殖ホタテ貝の毒化の原因物質として単離精製・構造決定された、多数のエーテル環とラクトン環を持つマクロライド化合物である。PCTX-2の生理活性作用については、種々の癌化細胞株に細胞毒性を示すことが報告されているが、その詳細は不明である。そこで、本研究は、PCTX-2の生物活性作用を明らかにすることを目的とした。PCTX-2は、ラット大動脈における72.7 mM KClおよび1 μMフェニレフリン収縮を濃度依存性に抑制した。さらに、血管平滑筋由来のAlO細胞を用いて、PCTX-2の細胞形態への影響を検討したところ、PCTX-2は細胞形態には大きな変化を与えなかったが、ローダミン・ファロイジン染色により
    アクチン
    を主成分とするストレスファイバー形成を抑制することが示唆された。次に、PCTX-2が直接
    アクチン
    重合を阻害する可能性を検証するために、単離骨格筋
    アクチン標品を用いてアクチン
    重合への影響を検討した。PCTX-2は、ピレン蛍光ラベルしたG-
    アクチン
    の重合に伴う蛍光強度増強速度とその最大蛍光を濃度依存性に抑制した。また、PCTX-2は濃度依存性にF-
    アクチン
    の粘稠度を低下させた。両者の実験系より、PCTX-2と
    アクチン
    のストイキオメトリーについて検討したところ、PCTX-2は見かけ上1:4のモル比でG-
    アクチン
    と結合することが示唆された。以上の成績から、PCTX-2は強力な
    アクチン
    重合阻害作用を持っことが示唆された。
  • *湖城 恵, 桧垣 匠, 朽名 夏麿, 安原 裕紀, 馳澤 盛一郎
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2011年 2011 巻
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/02
    会議録・要旨集 フリー
    細胞分裂期の表層
    アクチン
    繊維は、actin microfilament twin peaks (MFTP) と呼ばれる将来の分裂面を谷とする1対の
    アクチン
    繊維の局在ピークを形成する。GFP-ABD2により
    アクチン
    繊維を可視化したタバコBY-2の形質転換細胞に
    アクチン
    束化誘導剤であるTIBAおよびJasplakinolide (Jasp) を処理すると、表層および紡錘体周囲の
    アクチン
    繊維パターンが変化し、紡錘体および細胞板が著しく傾斜したことから、細胞分裂期における
    アクチン
    繊維パターンは紡錘体の向きを制御する可能性が示唆された (湖城ら、第51回本学会年会) 。本研究では、表層
    アクチン繊維の詳細な局在とアクチン
    繊維パターンの紡錘体制御機構を明らかにするため、細胞周期各期における細胞膜および液胞膜近傍の
    アクチン
    繊維量をGFP-ABD2蛍光輝度に基づき定量評価した。その結果、TIBAおよびJasp処理による表層
    アクチン
    繊維パターンの変化は主に細胞膜近傍で起こることを見出した。また、蛍光色素FM4-64染色により紡錘体周囲の液胞膜構造の観察を行なったところ、紡錘体周囲の
    アクチン
    繊維パターンの変化に伴って紡錘体周囲の液胞膜構造が単純化した。以上の結果から、紡錘体の牽引に細胞膜近傍の
    アクチン
    繊維が足場として関与するとともに液胞膜構造の形成が紡錘体の向きの制御に重要である可能性が示唆された。
  • 鮫島 正純
    PLANT MORPHOLOGY
    2012年 24 巻 1 号 65-71
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/03/30
    ジャーナル フリー
    細胞性粘菌Dictyostelium discoideumにおいては,胞子の核と細胞質の両方に出現する新奇
    アクチン
    ロッドが,胞子の休眠の維持と生存に関わっている.ロッドは,六角形に配列した直径約13nmの
    アクチン
    小管から構成されており,さらに,S-アデノシル-L-ホモシステインヒドロラーゼを構成成分としている.
    アクチン
    ロッドに加えて,胞子の細胞質にはG-
    アクチン
    と脂肪滴の複合体が形成される.胞子の
    アクチン
    分子の半分はチロシン燐酸化されており,この高レベルな
    アクチン
    リン酸化は胞子の安定化に必須である.
    アクチン
    の脱リン酸化のトリガー分子はD-グルコースである.オジギソウMimosa pudica L. の主葉枕においても,
    アクチン
    はチロシン燐酸化され,リン酸化の変化は葉柄の屈曲と相関している. さらに,真正粘菌Physarum polycephalumの休眠体も,
    アクチン
    は燐酸化されている. D. discoideumおける
    アクチンロッドの形成とアクチン
    のリン酸化は,MADS-box 遺伝子であるSrfAによって制御されている.
  • 鈴木 勝彦
    順天堂医学
    1980年 26 巻 2 号 158-169
    発行日: 1980/06/10
    公開日: 2014/11/21
    ジャーナル フリー
    平滑筋
    アクチン
    をニワトリ砂のうより高収量かつ高純度で得た. 1. 砂のう
    アクチン
    は分子量やアミノ酸組成など, 骨格筋
    アクチン
    にきわめて似ていたが, Cys残基はひとつ多い6モルであった. 2. 調製時のCaの添加の有無でF-
    アクチン
    はF型とf型の2種類ができた. F型の物理化学的諸性質は, 骨格筋
    アクチン
    と同じであった. f型は粘菌
    アクチン
    で報告されているMg-ポリマーにきわめてよく似ていた. 3. F型
    アクチン
    を透析してCaを除くとf型
    アクチン
    に転換した. 4. Cys残基を切断処理した砂のう
    アクチンには骨格筋アクチン
    とは異なる移動度のSHペプチドが, 少くとも2本存在することが, SDS-ゲル電気泳動から確認できた.
  • *惠良 厚子, 海老根 一生, 石崎 公庸, 富永 基樹, 齊藤 知恵子, 大和 勝幸, 中野 明彦, 河内 孝之, 上田 貴志
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2009年 2009 巻
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/23
    会議録・要旨集 フリー
    アクチン
    繊維は,オルガネラの動きや細胞の形態形成等に関わる重要な構造である。例えば原形質流動は
    アクチン
    -ミオシン系に依存して起こっている。一方,苔類ゼニゴケの細胞では明瞭な原形質流動が観察されない。我々は,ゼニゴケの
    アクチン
    繊維がどのように組織されているのかを明らかにするため,Lifeact-Venusを用いて
    アクチン
    繊維の可視化を試みた。その結果,束化された
    アクチン
    繊維が非常にダイナミックに運動していること、その運動がミオシンに依存し微小管に依存しないことなどが明らかとなった。一般に,
    アクチン
    繊維はオルガネラに結合したミオシンがその上を移動するためのレールとして認識されている。しかしゼニゴケにおいては,
    アクチン
    繊維があたかもオルガネラ上に存在するミオシン分子上を滑り運動しているかのように観察された。その他にも,
    アクチン
    繊維束が解離し枝分かれする様子や,合流する様子も観察された。
    プローブとして使用したLifeactは,酵母のAbp140タンパク質に由来する17アミノ酸の
    アクチン
    結合ペプチドであり,動物細胞の
    アクチン
    繊維の動態観察における強力なツールとして報告されたものである。今回の研究により,植物細胞においてもその使用が可能であることが示された。本プローブの特徴と植物の
    アクチン
    解析における有用性等についても議論したい。
  • *横田 悦雄, 富永 基樹, 馬渕 一誠, 都司 泰成, 大岩 和弘, 新免 輝男
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2005年 2005 巻
    発行日: 2005/03/24
    公開日: 2006/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    我々は、ユリ花粉から2種の植物ビリン、P-135-ABPとP-115-ABPを単離し生化学的性質を明らかにしてきた。これらのタンパク質は共に
    アクチン
    繊維を束化し、カルシウム・カルモジュリンによってその活性は抑制される。しかし、カルシウムイオン依存的なG-
    アクチン結合やアクチン
    繊維切断活性に必要なゲルゾリン/セヴァリンドメインは、動物ビリンとユリビリン間で非常に高い相同性を示すにもかかわらず、ユリビリンではそのような活性は報告されていなかった。本研究では、DNase Iアフィニティーカラム、超遠心法や蛍光ピレン-
    アクチン
    を用いた蛍光分光解析と蛍光ファロイジンによる蛍光染色法によって、カルシウムに依存したユリビリンのG-
    アクチン
    結合活性やF-
    アクチン
    重合あるいは脱重合活性の有無を検討した。その結果、カルシウムイオン存在下、特にカルシウム・カルモジュリン存在下において、ユリビリンはG-
    アクチンと結合しアクチン
    重合を促進すると共に、F-
    アクチン
    の脱重合を促進することが明らかになった。これらの結果から、花粉管内においてユリビリンは
    アクチン
    繊維の束化に関与するだけではなく、重合、脱重合などの
    アクチン
    のダイナミクスの調節機構にも関与していることが示唆された
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