政府情報、とりわけ電子的なものについての管理・保存・公開(アクセス提供)に関する独自の取り組みを行っている、米国アリゾナ州立図書館・文書館・公的記録局(ASLAPR)の活動につき、訪問調査にもとづき考察を行った。ASLAPRの独自性、特に「図書館・文書館・記録管理機能の融合」が顕著に現れているのは次の2つと言える。(1)「出版物」としてのウェブサイトについて「主題」ではなく「出所」をベースに管理・保存を行う「アリゾナモデル」の実践。(2)電子的な記録を「1点もの」ではなく「多数の複製をもつもの」として管理・保存を図るPeDALSプロジェクト。本稿ではまた、米国内の州立文書館・図書館の位置づけも参照しつつ、ASLAPRの取り組みの意義と課題を論じた。
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