本研究ではギャレー空間の重要な構成要素の1つであるカートについて調査を行った。その結果, ギャレー空間内におけるカートの役割は, 収納空間としての役割, 「もの」を運搬する役割, 作業台としての役割など様々あることが分かった。しかし, アンケート調査からはこのカートに関する不便な点も挙げられており, 改善の余地があることが示された。また, ビデオ分析やカート内の搭載品の調査からは, 狭いといわれるギャレー空間内にもデッドスペースを見出すことができた。これは今後, 現状のギャレーの機能を保持しながらも, よりコンパクトで, 作業性にも優れた新しいギャレー空間を構築するという我々の目的を可能にし得るものである。さらにカート操作時の筋負担について調べ, 特に腰への負担について考察した。また, カートヘの収納動作に関しては, 作業姿勢と筋負担の関係も調べた。
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