【目的】 近年、コンビニの利用客は増加傾向が見られ、おにぎりも多様化し様々な種類が見受けられるようになった。そこで、生ものである
イクラ
おにぎりに着目し細菌汚染の状況と保存状態により菌がどのような挙動を示すか調査した。
【方法】 1)コンビニおにぎりの細菌汚染状況調査:
イクラ
おにぎりの一般生菌、大腸菌群、黄色ブドウ球菌を購入直後のものと消費期限過ぎ(直後_から_16時間)後まで室温保存(約23℃)したものを検査した。2)手作りおにぎりの保存状況による菌の挙動:人工及び天然
イクラ
のおにぎりを作り、1g当たり102CFU及び103CFUの大腸菌と黄色ブドウ球菌を接種し、0, 6, 24, 30時間室温保存(約23℃)したもの、及び冷蔵保存(約4℃)したものを培養後、菌数を測定した。3)人工及び天然
イクラ
の判別は、熱湯及びエタノールによる変化、ニンヒドリン反応により行った。
【結果】 1)購入直後のコンビニおにぎりでは、全ての検体で東京都の指導基準値以上の菌は検出されなかった。期限過ぎまで室温保存したおにぎりで基準値以上の菌が検出されたものは、一般生菌は
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部分43%、飯部分35%、大腸菌群は
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部分31%、飯部分35%、黄色ブドウ球菌は
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部分63%、飯部分35%であった。2)人工
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は保存性に優れ、30時間室温保存したコントロールから大腸菌群の発生は見られなかった。天然
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は経時的に菌が増殖し保存性に劣り、黄色ブドウ球菌についてもほぼ同様の結果が得られた。3)人工及び天然
イクラ
の見た目の判別は難しいが、熱湯、エタノール、ニンヒドリン反応では顕著な違いが認められた。
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