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クエリ検索: "イタドリ"
1,388件中 1-20の結果を表示しています
  • 佐藤 厚子, 畠山 乃
    日本緑化工学会誌
    2020年 46 巻 1 号 75-78
    発行日: 2020/08/31
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    北海道に広く生育しているオオ

    イタドリ
    は,生育が旺盛であるため交通安全上の課題があり,生育を抑制できる維持管理方法が求められている。このため,オオ
    イタドリ
    の生育抑制に関する研究が各機関で行われている。本調査では,オオ
    イタドリ
    の生育箇所を被覆することに着目し,オオ
    イタドリ
    の生育している盛土のり面への施工を対象として,メッシュシート,土木シート,張芝により被覆し,被覆しない場合と比較してその効果を再検証した。オオ
    イタドリ
    の生育抑制の目標を植被率の低減と草丈80 cm以下として調査を行った結果,張芝では生育抑制の効果は少なかったが,メッシュシート,土木シートで被覆することにより生育を抑制できた。

  • 佐藤 厚子, 林 宏親
    日本緑化工学会誌
    2022年 48 巻 1 号 123-124
    発行日: 2022/08/31
    公開日: 2022/11/22
    ジャーナル フリー

    生育が旺盛で草丈が高く葉の面積が大きいため面状に空間を遮るなど,通行上の安全確保の課題があるオオ

    イタドリ
    の生育抑制方法として,これまでメッシュシートの被覆による方法を検討してきた。この方法では,オオ
    イタドリ
    の生育を抑制できるものの,オオ
    イタドリ
    以外の草本類の生育も抑制してしまう場合があり,いずれも満足する適切な目合いが必要である。本調査では,異なる目合いのメッシュシートを被覆してオオ
    イタドリとオオイタドリ
    以外の草本類の生育を調べた。2 年間の調査結果,2.5 mmの目合いであれば,継続的にオオ
    イタドリ
    の生育を抑制でき,わずかではあるが緑化植物の生育が良好であることを確認した。

  • 佐藤 厚子, 山梨 高裕, 野上 敦, 久慈 直之
    ジオシンセティックス論文集
    2017年 32 巻 89-
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/01/14
    ジャーナル フリー
    北海道に生育するオオ
    イタドリ
    は繁茂が旺盛であることから,道路交差部や曲線部での視程障害などの交通 安全上の課題があること,幅員の小さな道路や河川堤防では走行困難であることから適切な除草による維持管 理を行わなければならない.このため,オオ
    イタドリ
    を効果的に駆除する方法やコスト縮減を図りつつ植物の 生育を抑制する方法の開発が求められている.その対策の一つとして,オオ
    イタドリ
    の生育を抑制するために メッシュシートを用いた試験施工を行った.その結果,短い期間ではあるが,メッシュシートによりオオイタ ドリの生育を抑制できた.
  • 佐藤 厚子, 林 宏親
    日本緑化工学会誌
    2021年 47 巻 1 号 169-170
    発行日: 2021/08/31
    公開日: 2021/12/29
    ジャーナル フリー

    生育が旺盛で草丈が高く葉の面積が大きく面状に空間を遮るなど,通行上の安全確保の課題があるオオ

    イタドリ
    について,これまでシートの被覆によって生育を抑制する方法を検討してきた。本調査では,メッシュシートによる被覆箇所と被覆しない箇所でオオ
    イタドリ
    の地下茎を測定し比較した。その結果,調査箇所ではオオ
    イタドリ
    の地下茎の生育範囲はシートの有無にかかわらず地表面から深さ45 cmであった。しかし,メッシュシートにより被覆することで,地下茎は被覆しない場合の半分以下の長さと質量になり,メッシュシートによる被覆は,植被率や草丈を抑制するだけでなく,地下茎が減少しオオ
    イタドリ
    が衰退する傾向にあることを確認した。

  • 横山 裕一, 稲垣 栄洋
    日本緑化工学会誌
    2022年 48 巻 1 号 115-118
    発行日: 2022/08/31
    公開日: 2022/11/22
    ジャーナル フリー

    イタドリ
    は河川堤防や道路法面等に群生する強害草である。一方,
    イタドリ
    は農業資材の原料としての利用価値もある。そこで,
    イタドリ
    の成長抑制と,成長維持の両面から,効果的な刈取りの時期や刈取り高の影響を検討した。その結果,8月に地際刈りをした場合に,
    イタドリ
    の地上部および地下部の成長が抑制された上,種子生産も認められなかった。このことから,
    イタドリ
    群落を抑制させる場合,8月の地際刈りが効果的であると結論した。一方,高刈りをした場合,6月,7月,8月のいずれの刈取り時期においても,地下茎の成長抑制は小さかった。特に,6月高刈り区は,地上部の成長も大きく,群落維持の点で効果的であると結論した。

  • 田崎 冬記, 渡邉 幸一, 村中 寿孝, 石坂 一
    日本緑化工学会誌
    2018年 44 巻 1 号 221-224
    発行日: 2018/08/31
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル フリー

    北海道では堤防法面のオオ

    イタドリ
    抑制が課題となっているが,抑制対策の基礎情報となる水平地下茎の分布やその側芽の特性は把握されていない。そこで,本報告では,オオ
    イタドリ
    群落を高圧洗浄機等で掘り出し,水平地上茎および塊茎の特性,水平地下茎と側芽数・側芽直径等との関係を調査した。その結果,1 株個体の水平地下茎長は平均550 cm にも達し,側芽形成率は水平地下茎直径が5 mm 以上で50%以上,15 mm 以上で概ね100%に達することが示された。また,水平地下茎直径15 mm 以上では概ね10 個/ m の側芽を形成すること,水平地下茎直径が太い程,側芽直径も太くなることを把握した。

  • 稲垣 栄洋, 長谷川 佳菜, 窪田 早希子, 西川 浩二, 成瀬 和子
    有機農業研究
    2019年 11 巻 1 号 32-37
    発行日: 2019/07/31
    公開日: 2019/12/27
    ジャーナル フリー

    伝統的な刈敷き栽培は,ススキやヨシなどのイネ科植物を用いるのが一般的である.しかしながら,徳島県剣山系の伝統農法では一般的な刈敷き栽培にはススキを用いるのに対して,ナス科作物の栽培にはタデ科多年生雑草である

    イタドリ
    が経験的に用いられている.この要因は明確ではない.そこで本研究では,
    イタドリ
    の表層施用がナスの生育や収量,品質に及ぼす影響を検討した.

    試験は2016年度と2017年度に行い,径30cmのポットにナスを1本植え栽培して,

    イタドリ
    施用,ススキ施用,無施用の3水準で行った.その結果,潅水を制限した場合,
    イタドリ
    を施用した区とススキを施用した区では,無施用に比べて土壌水分が高くなった.また,
    イタドリ
    施用区とススキ施用区では昼夜の温度差が小さくなる効果が認められた.ナスの生育や収量には,
    イタドリ
    やススキの施用の効果は認められなかった.一方,
    イタドリ
    を施用した区では,ナスの皮がやわらかくなり,果実糖度が高まる効果が認められた.

  • 佐藤 厚子, 林 宏親
    日本緑化工学会誌
    2023年 49 巻 1 号 165-166
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2023/10/12
    ジャーナル フリー

    生育が旺盛で草丈が高く葉の面積が大きいなど面的な広がりを持って空間を遮るため,維持管理上の課題があるオオ

    イタドリ
    について,これまでシートの被覆により生育を抑制する方法を検討し,地上部だけでなく地下部についても生育を抑制できたことを確認した。本調査では,1年目に引き続きメッシュシートで被覆してから2年経過後のオオ
    イタドリ
    の地下部を観察した。その結果,2年目の地下部の生育状況は1年目とほぼ同じであった。このことから,メッシュシートによる被覆はオオ
    イタドリ
    の地下部の生育抑制に関して,被覆1年で抑制の効果が高度に発揮されるものの,その後地下茎は一定量維持されることを確認した。

  • 田崎 冬記, 内田 泰三, 丸山 純孝
    日本緑化工学会誌
    2009年 35 巻 1 号 166-169
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/26
    ジャーナル フリー
    堤防法面には侵食の防止や環境面・景観上の配慮から造成後に張芝が行われてきた。しかし,近年,造成から一定期間が経過した法面へのオオ
    イタドリ
    の侵入・繁茂が,特に北海道において問題となっており,管理用道路における通行障害,被陰による堤防法面の芝の減退・裸地化等が大きな問題となっている。また,オオ
    イタドリ
    の除草にかかる費用も大きい。そこで,本調査では,刈取り高さおよび時期を変え,オオ
    イタドリ
    防除に向けた維持管理について検討した。その結果,当年の通行障害等の解消には7月以降の1回刈りが,オオ
    イタドリ
    群落自体の縮小・衰退には,6月および8月の2回刈りが有効であることが示唆された。
  • 大原 久友, 吉田 則人, 張 楠基
    日本草地学会誌
    1971年 17 巻 1 号 7-18
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    帯広でみられるオオ
    イタドリ
    およびヨシ,ササの草地生態系におくる落葉の生産について,有機物・有機炭素・エネルギーの分解と蓄積の過程を理論的に究明してみた。まず,平衡状態にある自然草地では,年間生産量はきわめて大きいものであり,ササの群落では,落葉の生産量は平均128.73g/m^2であり,有機物は103.47g/m^2,有機炭素は162.81g/m^2,エネルギーが479.38kcal/m^2となっている。これに対して,ヨシ群落は,落葉の年生産量が594.47g/m^2であり,オオ
    イタドリ
    の615.66g/m^2より21.19g/m^2少なくなっている。このため,落葉における年生産量では,ササが最も少なく,ついでヨシ,オオ
    イタドリ
    の順となった。その他の有機物,有機炭素およびエネルギーについてはつぎのとおりである。[Table]さらに,群落内に積っている前年の落葉総量を分析して,分解恒数を測定した結果,オオ
    イタドリ
    では0.461,ヨシが0.376,ササでは0.146となった。この結果,オオ
    イタドリ
    ,ヨシ,ササそれぞれの群落では,落葉量の50%が分解するには,オオ
    イタドリ
    がおおよそ1.5年,ヨシが1.8年,ササが4.7年かかることがわかった。また,95%分解するにはオオ
    イタドリ
    が6.5年,ヨシが7.9年,ササが20.5年要することも推定される。したがって,平衡状態になるにも最低以上の時間が必要となるわけである。
  • 塚本 長太郎, 山川 寛
    藥學雜誌
    1944年 64 巻 2 号 131a-132
    発行日: 1944/02/12
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
  • 田崎 冬記, 渡邉 幸一, 村中 寿孝, 野口 朋毅
    日本緑化工学会誌
    2017年 43 巻 1 号 239-242
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    河川堤防等でのオオ
    イタドリ
    繁茂を抑制するため,重曹,グリホサート処理の継続効果について 2カ年追跡調査を行った。その結果,処理当年は,いずれも地上茎の枯殺効果が確認されたが,処理翌年は,グリホサートがより抑制効果が高いと判断され,処理方法では,注入が最も効果的と判断された。また,重曹では,滴下の抑制効果が高いと判断された。一方,堤防舗装天端近傍でのオオ
    イタドリ
    抑制のため,グリホサートの処理方法・濃度を変えた試験を実施した。その結果,処理方法では塗布より噴霧で枯死率が高く,濃度では 2%以上で枯死率が高かったことから,噴霧の 2 %以上で処理することで効果的に抑制可能と考えた。
  • 塩坂 比奈子, 柴田 治
    日本生態学会誌
    1993年 43 巻 1 号 31-37
    発行日: 1993/04/10
    公開日: 2017/05/24
    ジャーナル フリー
    Mature Polygonum cuspidatum Sieb. et Zucc. transplanted from basal elevation to higher elevations changed its growth form to dwarf with an increasing altitude of transplantation sites, but the plants from montane, subalpine, and alpine zones did not change theirs after transplanting into the montane zone was the most on the plants from the basal zone. It decreased with the increase of their original habitat's altitude. With the exception of leaves and stems of the plants from the alpine zone, the biomass rates of plants transplanted into basal and montane zones were nearly equal to specific values for the same organs in spite of their different original habitats. However, the biomass rates of the subterranean organ of the plants transplanted from basal and montane zones into the subalpine zone were smaller than the specific value for the organ. Morphological changes in P. cuspidatum shown by altitudinal transplantation suggest that the species has altitudinally various variants as an ecotype.
  • 杉本 小夜, 坂口 和昭, 髙垣 昌史, 木村 美和子, 髙辻 渉, 前田 拓也
    作物研究
    2023年 68 巻 7-13
    発行日: 2023/06/21
    公開日: 2023/12/25
    ジャーナル オープンアクセス
    イタドリ
    Fallopia japonica)は和歌山県内では山間地域を中心に食される郷土山菜であるが,近年,シカの食害等により山での採取量が減少している.このため,栽培に取り組む地域が増加しており,より効率的な栽培や活用を行うには,収穫量が多く,皮が剥きやすいなどの栽培・加工に適した優良系統苗の供給が望まれている.このような要望に応えるため,和歌山県内で収集した
    イタドリ
    について特性調査を行い,優良系統選抜を行うとともに組織培養による増殖に取り組み,現在,一般財団法人日高川町ふるさと振興公社バイオセンター中津(和歌山県日高郡日高川町高津尾 1052-1)(以下,(一財)バイオセンター中津)において優良系統苗の販売が行われている.また,
    イタドリ
    の新たな活用に繋げるため,和歌山県工業技術センターおよび地域生産者である日高川町生活研究グループ連絡協議会美山支部
    イタドリ
    部会(以下,
    イタドリ
    部会)との共同研究により,機能性成分の分析と商品開発を行った.その結果,未利用部位であった
    イタドリ
    の若芽の先や花,皮などにポリフェノールが多く含まれていることが明らかになり,これらの部位を活用したジャムペースト,ドレッシング,健康茶の 3商品を開発した.各商品は,日高川町内の産品販売所で販売中である.
  • 南 佳典, 渡邊 功
    日本森林学会誌
    2007年 89 巻 3 号 183-189
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/07/15
    ジャーナル フリー
    富士山亜高山帯の雪崩発生から数十年経過した調査地Aと雪崩発生から間もない調査地Bにおいて,
    イタドリ
    パッチのカラマツ実生の定着場所(マイクロサイト)としての機能を明らかにすることを目的とし,
    イタドリ
    パッチの分布とカラマツ実生の定着状況について比較検討を行った。調査地Bにみられた
    イタドリ
    パッチは調査地Aに比べ大きなものが多く,その内側には樹齢の高いカラマツ実生が定着していることが示された。このことから,調査地Bの
    イタドリ
    はカラマツ実生の撹乱跡地への侵入を助けるナースプラントとしての機能があると考えられる。一方で,調査地Aの
    イタドリ
    はパッチサイズが小さく,次の遷移段階の構成種の侵入におけるナースプラントとしての機能を十分に果たしているとは考えられない状況であった。
  • *三浦 和美
    日本生態学会大会講演要旨集
    2005年 ESJ52 巻 C204
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/03/17
    会議録・要旨集 フリー
     植食性昆虫が個体レベルの広食性を維持する上で、各植物種を単独で摂食したときよりも、複数の植物種を摂食したときに生存率や体重が増加する混食の効果が重要であると指摘されている。植食性昆虫は質の低い植物に遭遇したとき、摂食量の増加や成長効率の向上といった補償的反応を示す(Simpson and Simpson 1990)。しかし、個体レベルの広食性昆虫が生息地の質の低い植物を利用する際に生じる混食の効果に関連した補償的反応について検討した例は少ない。今回、広食性のキンキフキバッタ5齢雌幼虫を用いて検討した。本幼虫の生息地に生育する植物の中から、タニウツギ、
    イタドリ
    とヨモギを用いた。5齢雌幼虫にタニウツギ、
    イタドリ
    、ヨモギのみを与えた単独区と、タニウツギと
    イタドリ
    2種を同時に与えた混合区の合計4処理区で羽化まで飼育した。体重増加量、摂食量、発育期間を計測し、摂食速度(摂食量/発育日数)と成長効率(体重増加量/摂食量)を推定した。
    その結果、タニウツギと
    イタドリ
    の各単独区では、ヨモギ単独区と比べて、体重は減少し、発育期間は長い傾向が認められた。そして、混合区は単独区と比べて、体重が増加し、発育期間が短い傾向が認められ、ヨモギに匹敵するほどだった。ヨモギと比べて、タニウツギと
    イタドリ
    は、成長効率が低いことが質の低さの実態であると推測された。そして、混合区は単独区と比べて、摂食速度と成長効率が最低を示した単独区の植物のそれぞれを上回った。混食区ではヨモギよりも成長効率は減少したが、摂食速度が増加したので、摂食速度の向上が混食の効果を生み出すと思われた。
  • 大野 豪
    蝶と蛾
    2000年 51 巻 3 号 202-204
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    アワノメイガ属の一種ウスジロキノメイガの幼虫は,タデ科のオオ
    イタドリおよびイタドリ
    を寄主としているが,これらの植物と同所的に生息する他の植物にも食入する場合があることが明らかになった.新たに記録された本種の寄主は以下のとおりである.オオヨモギ,ハンゴンソウ,アキタブキ,オナモミ属の一種(以上キク科),エゾニュウ(セリ科),ギシギシ属(タデ科),カラムシ属の一種(イラクサ科).
    イタドリ
    類が生息していない地点においては,これらの植物にウスジロキノメイガが食入する例は知られていない.したがって,上記植物への食入は,偶然による幼虫の移動分散によって生じたと考えられる.得られた羽化成虫は外見上正常であり,これは本種幼虫が
    イタドリ
    類以外の植物でも生育可能であることを示している.アワノメイガ属の種ごとの寄主範囲は多様であり,植物の属レベルでの単食性種から,多数の科にまたがる広食性の害虫種まで存在する.ウスジロキノメイガが潜在的に広食性であることは,メス成虫の寄主選好性における遺伝的変化のみによって,寄主範囲の多様化が生じうることを示唆する.本属の寄主選好性の種間・種内変異,およびその遺伝的背景を解明することは,農業害虫を含む植食性昆虫における食性の進化機構を理解する上で重要であると思われる.
  • 松田 一寛, 松本 義明
    日本応用動物昆虫学会誌
    1975年 19 巻 4 号 281-284
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) タデ科植物を寄主とするハムシ4種に対してジカルボン酸11種,オキシ酸3種の摂食刺激活性を調べた。
    2) タデ科に存在が知られているシュウ酸,リンゴ酸酒石酸,クエン酸は,ショ糖の共存下でコガタルリハムシ,オオ
    イタドリ
    ハムシ,
    イタドリ
    ハムシに顕著な摂食刺激活性を示した。またオオ
    イタドリ
    ハムシ,
    イタドリ
    ハムシの2種では,ショ糖を混ぜないそれぞれの酸単独でさえも若干の刺激活性がみられた。
    3) さらにコガタルリハムシではシュウ酸からセバシン酸にいたるまでの飽和ジカルボン酸9種,およびマレイン酸,フマル酸の不飽和ジカルボン酸についても,ショ糖の存在下で顕著な摂食刺激活性が得られた。
    4) オオ
    イタドリ
    ハムシではシュウ酸からアジピン酸までの5種の飽和ジカルボン酸およびマレイン酸,フマル酸がショ糖存在下で顕著な摂食刺激活性を示した。
    5) 一方,イチゴハムシについては,コハク酸が弱い摂食刺激活性を示したに過ぎない。
    6) 以上の結果から,タデ科を特異的に食べる3種のハムシの寄主特異性に植物中の水溶性有機酸の摂食刺激活性が関係している可能性を指摘した。一方,イチゴハムシではそのような酸の摂食刺激活性がみられず同種の寄主特異性機構の複雑さが推察された。
  • *藤本 拓史, 山田 孝
    日本林学会大会発表データベース
    2004年 115 巻 P5120
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/03/17
    会議録・要旨集 フリー
    火山地域では、噴火により植生が破壊され火山灰などの細粒物質で斜面が覆われると、地表の浸透能が低下し、表面流による侵食が高頻度に発生する。しかし噴火からの時間経過とともに、流出土砂量は指数関数的に減少することが経験的に知られている。土砂の流出が少なくなると山腹斜面が安定化し始め、その結果植生の侵入がみられるようになる。植生は、根系の土層侵入や植生地上部、落葉層による地表被覆などによって浸透能に影響を与えることが言われており、噴火後の植生定着はその後の表面流発生に大きく関わると考えられるが、不明な点が多い。
    そこで本研究では、植生の根系の作用に着目し、侵入植生根系が表面流流出特性に与える影響について検討した。
    研究対象地は有珠山地域の、2000年有珠山噴火後に著しい植生の侵入・回復がみられる西山火口周辺とした。調査期間は2002年5月_から_2003年11月である。噴火口付近には表面流による侵食によって形成されたガリーがいくつか見られたが、調査期間内にはその大規模な発達は見られなかった。火山噴出物の堆積土層は、地表20cm深さ程度までに粘土質の土層があり、その下にやや粗粒の土層がみられた。
    植生の定着実態を把握するため、2000年の空中写真によって裸地化した面積を求め、現地観測によってその後に定着した植生の面積を測定した。
    次に、侵入植生の中で優占しているとみられたオオ
    イタドリ
    に着目し、その根系の堆積土層への侵入が浸透能に与える影響を検討した。そのために、オオ
    イタドリ
    が顕著に定着しており、斜面勾配が約11°、火山噴出物の堆積厚が約1.5mでほぼ一様な斜面に40m×10mの試験区を設定した。その 試験区内において、オオ
    イタドリ
    定着部と非定着部である裸地で、マスグレーブ管による浸透試験をそれぞれ12地点行った。この方法での試験は実際より値が大きくなるとされているため(3)、比較のための相対値として扱うこととした。また予備浸透試験により試験開始後10分までにほぼ一定の値(最終浸透能)に落ち着く傾向がみられたため、試験継続時間は20分間とした。
    浸透能の差異は、植生根系に加えて土壌特性である堆積土層構造、堆積物粒径の差異に関わることが考えられた。植生根系に関しては、根系の体積と浸透能との関係を検討した。ここで、オオ
    イタドリ
    は一個体が数本の植生地上部のまとまりで株立ちしており、地上部本数が多いほど根系の体積が大きいことが分かっており、地上部本数と浸透能の関係を求めた。堆積土層構造については、試験後に各試験地点を掘削して土層断面を観察した。堆積物粒径については、オオ
    イタドリ
    定着部と裸地部のそれぞれ3カ所から堆積物を採取し、粒度分析を行った。
    試験地内で2000年噴火によって裸地化した面積はおよそ6.5haであった。そのうち噴火口を除いた部分に、噴火後3年で定着した植生の割合は、オオ
    イタドリ
    が約30%(1.8ha)、スギナが約8%(0.5ha)と、草本植生の顕著な侵入が確認された。噴火口については、火口内部の土砂が斜面流出することは考えにくいことから省くこととした。
    浸透試験について、オオ
    イタドリ
    定着部の最終浸透能と植生地上部本数との関係は、図1のようになった。データのばらつきは大きいが本数が多くなるほど値は小さくなる傾向がみられたことから、根系の体積の増加が浸透能を低下させる影響を与えた可能性が考えられた。またオオ
    イタドリ
    定着部と裸地の各12試験の最終浸透能を比較すると、オオ
    イタドリ
    定着部では30_から_230mm/h、裸地では60_から_460mm/hの値の分布を示し、前者は最大値が小さくかつ分布範囲の狭い浸透能となった。堆積土層構造や粒径組成は、オオ
    イタドリ
    定着部と裸地で大きな違いがなかったため、これらの差異にも根系の影響が関わったと考えらた。
    本研究対象地は、極めて細粒の粘土質土層が地表付近に存在し、オオ
    イタドリ
    根系は大部分がこの粘土質土層中に発達していたため、植生根系が浸透能を大きくするという効果は発揮されにくい環境だったことが考えられる。また以上の結果は、あくまで植生定着後1、2年のものであり、今後時間の経過とともに、根系の腐朽などにより植生定着部での浸透能は大きくなっていくと予想され、現地の表面流発生実態の観測とともに今後の継続的な測定が重要と考えられた。
  • *長田 典之, 小野田 雄介, 彦坂 幸毅
    日本生態学会大会講演要旨集
    2005年 ESJ52 巻 P2-081
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/03/17
    会議録・要旨集 フリー
    植物の高CO2濃度応答の実験はこれまでに数多く行われてきている。この結果、高CO2の影響は光や土壌条件によって異なることがわかってきた。しかし、これらの実験期間はせいぜい数年から数十年にすぎない。実際に長期間にわたって高CO2濃度にさらされた植物では選択圧がかかり、遺伝的に変化する可能性がある。このため、将来の高CO2濃度に適応した植物の応答は、現生の植物を対象とした短期間の実験の結果とは異なるかもしれない。以上の問題に答えるために、当研究では、長期間にわたり高CO2濃度にさらされてきたと考えられる、八甲田山系田代平の天然CO2噴出地およびその周辺に優占するオオ
    イタドリ
    群落22カ所を対象として、光、土壌条件および、大気CO2濃度を正確に査定することにより、これらの環境要因が総合的にオオ
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    の葉の光合成特性に与える影響を調べた。 この結果、オオ
    イタドリ
    の葉は、光条件が良いほどLMA(葉面積あたりの質量), Narea(葉面積あたりの窒素量), Vcmax(最大反応速度), Jmax (電子伝達速度)は大きくなっていたものの、高CO2の影響はLMAのみでしか見られなかった。また、これらの性質には土壌条件による差はみられなかった。光条件が良いほどChl/N(窒素あたりのクロロフィル量)は減少し、Vcmax/chlとJmax/chlは増加していた。また、Vcmax/chlとJmax/chlには光とCO2の交互作用が見られ、光条件が良いほど高CO2で値が大きくなっていた。さらに、Jmax/Vcmaxは高CO2で大きくなっていた。以上の結果に基づき、高CO2濃度が光、土壌条件とともにオオ
    イタドリ
    の葉の光合成特性に及ぼす影響を議論する。
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