地域には豊かな資源が豊富にあるが、財政難、過疎、産業の偏りといった課題を抱えており、長らく対策が講じられてきたものの、解決は遅々としている。一方、昨今、デジタルテクノロジーを適用し組織を改革するDX(デジタルトランスフォーメーション)に注目が集まっており、地域課題解決を目的としたDXプロジェクトが幾つか立ち上がっている。一方、デジタルテクノロジー自体は、多様化、進化を続け、地域の距離・時間・場所の制約を軽減し、パラダイムシフトを起こす契機となることが期待されている。そのため、地域課題解決プロジェクトの成果の再現や普及拡大を支えるマネジメントの進化も求められる。そこで、日本の地域課題解決DXプロジェクトの事例を取り上げ、P2Mをはじめとするマネジメントのフレームワークを用いて分析し、知識を整理することを本研究の目的とした。この結果を踏まえ、デジタルテクノロジーの多様化や進化への対応や、全国各地の地域課題解決の生産性・堅牢性・ニッチ創出の引き上げを狙う汎用マネジメントを提言した。
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