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全文: "オオヤマネコ属"
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  • 佐藤 悠, 小倉 振一郎, 吉原 佑, 玉手 英利
    システム農学
    2015年 31 巻 2 号 41-49
    発行日: 2015/04/30
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    近年、東北地方ではイノシシによる農業被害が増加している。特に、東京電力福島第一原子力発電所の事故により住民が避難した地域では、農地の荒廃に伴うイノシシの行動範囲の拡大が懸念されている。本研究では、原発事故後に避難指示解除準備区域に指定されている福島県川俣町山木屋地区と、それに隣接し人が生活する二本松市(岩代地区および東和地区)において、2013年6–12月に計6回各地区を巡回し、イノシシによる利用地点(農作物の摂食、踏み付け、掘り返し)を記録した。また各利用地点を中心に地区内を探査し、イノシシの排糞場所を記録して糞を採取した。これらの糞および捕獲された個体の筋肉からDNA を抽出してマイクロサテライト(SSR)解析による個体識別を行い、イノシシの季節的な移動の解析を試みた。個体識別には、PID-sib 値(血縁関係にある個体が含まれる個体群内の任意の二個体が偶然に同一遺伝子型を持つ確率)を用いた。調査期間中に記録されたイノシシ利用地点の延べ総数に対し、一般化線形モデルを用いて地域と月の効果を解析した結果、川俣町(150 地点)では二本松市(94 地点)にくらべ有意に地点数が多く(P<0.001)、糞の総数も川俣町(332 個)では二本松市(62 個)にくらべ多かった。1 利用地点あたりの採取糞数は、6–8月には0.49–0.74 個/月であったが、9 月以降には1.70–3.67 個/月へと増加した。本研究のSSR 解析に有効なプライマーを検討した結果、我が国のイノシシ個体群で有効とされる6 種類と欧州で報告されている3 種類を加えた合計9 種類が最も信頼性が高く、38 個(9.6%)の糞で個体識別が可能であった(PID-sib 値=0.011)。そのうち、6 個(2 個×3 組)の糞が同一個体由来と判定されたが、どの組も同月に同一地点で採取された糞であり、イノシシの季節移動は解明できなかった。
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