生活者に対する環境リスクコミュニケーションのあり方および容器包装のデザイン方法に必要とされる視点の検討を目的に, 生活者を対象として環境リスクおよび詰替容器に対する関心度, 環境保全行動の実行度, さらに環境ラベルや指標などの環境表現に対する要望や受け入れ性について調査した。その結果, 環境表現の要望は高く, それは, ばくぜんとした不確かな表現ではなく, 科学的データに基づいた表現が期待された。さらに, 詰替実態調査と共にライフサイクルアセスメント(LCA)手法による詰替品と本体の環境負荷量を求め, 詰替行動が環境負荷低減になることを確認した。一方, 詰替容器に対する環境表現は, 将来的にはLCAデータに基づくことが期待されるが, LCAの課題や生活者の受け入れ性などから現時点では, 簡単な表現, たとえば, 使用樹脂の種類と量など, で十分と考えられた。環境リスクコミュニケーションは, 意識の高い生活者や
オピニオンリーダー
, 学校教育やマルチメディアなどの積極的活用, が効果的であり重要であることを明らかにした。
抄録全体を表示